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民事訴訟での不意打ちの防止について

民事訴訟で不意打ちの防止があると聞きました。 それってなんですか? 本を見ても載っていません・・・。 もし、よかったら、それが具体化されている手続や制度、または理論も教えてください。

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noname#61929
noname#61929
回答No.1

一体どんな本を見たのか分かりませんが、まともな民訴法の解説書なら載っているはずです。もっとも「不意打ち防止」という名前の何かがあるのではなくて「制度の趣旨あるいは機能などが不意打ち防止」というものなので索引で「不意打ち防止」を探したってまず載ってはいませんが。 不意打ちとは要するに「思いがけない話が出てくる」ということなのですが、訴訟法的には一般論として言えば、「不意打ち防止」とは即ち「手続保障」の一つだと思って間違いありません。つまり、民事訴訟(実のところ刑事訴訟でも同じ)においては「当事者の地位は対等」であって「当事者がお互いの言いたいこと(主張)とその根拠を示し(立証)てそれを見た裁判所が第三者の立場で公平な判断をする」ということになっているので「当事者が相手の言い分について争い、自分の言い分について根拠づける機会」というものが必要であるところ、言い分と関係ないことをいきなり裁判所が判断するのはまさに当事者にとっては思いがけない予想外のこと即ち不意打ちであり、不意打ちを食らった当事者には自分がそのことについて言い分を述べ、根拠を挙げる機会がないという意味で手続保障を欠いているということになります。即ち、不意打ち防止とは手続保障の一つです(そして、手続保障は民事訴訟制度の目的の一つであり、判決の正当化根拠でもあります)。 この不意打ち防止の筆頭は民訴法246条。 裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。 刑事訴訟では不告不理の原則とか言います。 この規定によれば「当事者が問題にしていないことを判決するな」ということになるのですが、なぜ「当事者が問題にしていないことを判決するのがまずいのか」と言えば、既に述べたとおり、「当事者の予想外のことをいきなりやるのはそれに対して主張立証する機会がない点で手続保障を欠く」からです。 246条は処分権主義を表す規定ということになってますが、弁論主義もまた手続保障との関係で不意打ち防止という意味があります。弁論主義は判決の話ではなくて事実認定の話ですが、これには「当事者の言っていないことは判決の基礎にできない」「当事者に争いのないことはそのまま判決の基礎にしなければならない」「当事者の争っていることは証拠によって決着をつける」という三つの内容があります。 「言っていないことを裁判所が勝手に判断するな」というのは「当事者が問題にしていないことは当事者にとっては予想外なのでそんなことを判断してはいけない」というまさに不意打ち防止です。「当事者が争っていないなら勝手にそれ以外の判断をするな」というものまた、「当事者がお互いに認めていること以外の話は当事者にとっては予想外なのでそんな判断をしてはいけない」というこれもまさに不意打ち防止です。「当事者が争っている時はその根拠となる証拠によってどちらの言い分を信じるか決めろ」というのもまた、「当事者が争っている時に証拠もないのに一方の言い分一方的に認めることは相手方当事者にとっては相手の言い分を認めるかどうか全く予想がつかないのでそういう判断の仕方はいけない」というまさに不意打ち防止です(ただし、立証の問題については、証拠がなくても認定できる場合はあります)。 あとは自分で本を見れば分かるでしょうと言いたいのですが、このような質問をする人がそもそも「処分権主義」とか「弁論主義」の意味を本当に知っているとは思えません。とすれば、本当はその辺りの話も必要かもしれません。しかし、それをやり出すときりがなくなるので、これ以上の話はしません。つまり、この回答を見ただけで理解することは不可能でしょう。ですから、まずは民事訴訟法の入門書で民事訴訟制度の骨子をきちんと理解することが必要です。「不意打ち防止」という言葉だけ取り出して理解しようとしてもそれは「不可能である」と言っておきます。 理解した「つもり」にはなれるかもしれません。「つもり」だけの人が世間では大手を振って歩いていてそれでも実際には滅多に困らないのも事実ですが。

apa_bagi
質問者

お礼

ありがとうございます。 勉強してみます。

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その他の回答 (1)

  • toatouto
  • ベストアンサー率31% (60/190)
回答No.2

えーと…多分、口頭弁論の初回のことですよね? 全然違ったらごめんなさいなんですが、 口頭弁論の第一回期日に、当事者が欠席した場合、原告はもちろん訴状、被告は答弁書を提出していれば、擬声陳述で、弁論したという扱いになります。(案件によっては、そこで結審されて負けることもありますが。) それで、片方が欠席している時に、出席している方は、それぞれの提出した書面に書かれていること以上のことを言ってはならないことになっていると思います。 これは、居ない間に好き放題出来ないように、ということですね。 分かりにくいかもしれませんが、以下条文です。↓ 民事訴訟法 (訴状等の陳述の擬制) 第百五十八条  原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。 (準備書面) 第百六十一条 二 相手方の請求及び攻撃又は防御の方法に対する陳述 3 相手方が在廷していない口頭◆弁論◆においては、準備書面(相手方に送達されたもの又は相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出されたものに限る。)に記載した事実でなければ、主張することができない。 これだけ見ると、上のは第一回期日、下のは第二回期日以降の話のような気がするんですが………その辺りのことは詳しくは分かりません。 ごめんなさい。 あと、ずっと証拠を隠しておいて、最後に出すと、時機に(以下略)となる場合があります。↓条文。 (時機に後れた攻撃防御方法の却下等) 第百五十七条  当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。 2 攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当事者が必要な釈明をせず、又は釈明をすべき期日に出頭しないときも、前項と同様とする。 これは訴訟を迅速に進める義務があるからですね。 私が知っているのはこれくらいです。

apa_bagi
質問者

お礼

ありがとうございます。 口頭弁論について、よく分かりました

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このQ&Aのポイント
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