• ベストアンサー

錯イオンの色について

Fe2+の励起状態は、 3d(‥ ‥ ‥ 空 空) 4s(空) 4p(空 空 空) となっているので、空の3d軌道2個と4s軌道1個と4p軌道3個でd2Sp3混成軌道を 形成し、6配位となることはわかるのですが、 そうすると、6個の配位子(水分子)が結合した場合、 3d軌道(eg軌道)に空きがなくなり、 3d軌道(t2g軌道)の電子は、可視光を吸収しても eg軌道に遷移できず、可視光の吸収は起こらないように思えるのですが、 どこに間違いがあるかわかりません。 どなたかご教授下さい。

  • OBTF
  • お礼率83% (10/12)
  • 化学
  • 回答数3
  • ありがとう数3

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • 101325
  • ベストアンサー率80% (495/617)
回答No.3

> 正八面体構造は、どのようにしてできるのでしょうか? 配位子の数は、大雑把には、金属イオンの大きさで決まると考えて下さい。金属イオンの正電荷に配位子の非共有電子対が引きつけられてクーロン力でイオンが安定化するのですから、それだけを考えれば配位子の数が多いほどイオンが安定化するのですけど、金属イオンの回りに配位子が集まりすぎると配位子間の反発が大きくなりますので、配位子の数には最適値があります。3d遷移金属イオンの場合には、それが6になるということです。6個の配位子の間の反発を最も少なくする形が正八面体構造です。 配位子場理論を使うと、もう少し精密な議論もできるのでしょうけど、「『なぜ』正八面体構造になるのか?」を配位子場理論に基づいて簡単に説明するのは、私には無理でした。ごめんなさい。 #「『なぜ』メタンは正四面体構造になるのか?」を分子軌道法に基づいて説明するのが難しいのと、同じ理由です。

OBTF
質問者

お礼

大変よくわかりました。ありがとうございました。私は配結晶場理論と原子価結合理論が統一された理論だと勘違いしていましたが、全く別な理論だったようです。錯イオンというものを別部な観点から見た理論だったのですね。

その他の回答 (2)

  • 101325
  • ベストアンサー率80% (495/617)
回答No.2

> 6個の配位子の6個の非共有電子対は、どこに入るのでしょうか? 非共有電子対がもともと入っていた配位子の6個の軌道に、そのまま入ってます。 というのが結晶場理論の考え方です。 配位子場理論では、もう少し精密化して、非共有電子対がもともと入っていた配位子の6個の軌道が、鉄の3d軌道2個と4s軌道1個と4p軌道3個と相互作用して、もともとの水分子の軌道からちょっとだけ変化する、と考えます。6個の非共有電子対は、このちょっとだけ変化した軌道に入ります。鉄の軌道も、この相互作用の結果、ちょっとだけ変化しますけど、4s軌道1個と4p軌道3個に対応する軌道は空のままです。 このちょっとだけ変化した鉄の軌道が、混成軌道「ではない」ことにご注意ください。詳しい計算によると、3d遷移金属イオンの3d軌道と4s,4p軌道のエネルギー差は、予想されていた以上に大きくて、d2sp3混成は事実上おこらないそうです。

OBTF
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。まだわからないことがあります。 > このちょっとだけ変化した鉄の軌道が、混成軌道「ではない」ことにご注意ください。 だとすると、正八面体構造は、どのようにしてできるのでしょうか?

OBTF
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。まだわからないことがあります。 > このちょっとだけ変化した鉄の軌道が、混成軌道「ではない」ことにご注意ください。 だとすると、正八面体構造は、どのようにしてできるのでしょうか?

  • 101325
  • ベストアンサー率80% (495/617)
回答No.1

> どこに間違いがあるかわかりません。 「d2sp3混成軌道によりFe(II)イオンの色が説明できる」という前提が間違ってます。Fe(II)イオンの色を説明するには、配位子場理論(または結晶場理論)が必要です。 以下、配位子場理論に基づいて説明します。 配位子が配位する前のFe(II)イオンの電子配置は 3d(‥,・,・,・,・) ..... 裸のFe2+ の基底状態 となっています。6個の配位子(水分子)が結合した場合、配位子がつくる配位子場によって、3d軌道がt2g軌道とeg軌道に分裂します。 t2g(‥,・,・) eg(・,・) ..... [Fe(H2O)6]2+ の基底状態 これを配位子場分裂といいます。この電子配置ですと可視光を吸収して t2g(・,・,・) eg(‥,・) ..... [Fe(H2O)6]2+ の励起状態 に遷移することができます。 なお6個の配位子が、シアン化物イオンのように強い配位子場をつくる配位子の時には、 t2g(‥,‥,‥) eg(空,空) ..... [Fe(CN)6]4- の基底状態 のような電子配置になります。じつはこの場合ですと、混成軌道の考え方をつかっても錯イオンの色の説明ができます。できるのですが、決して分かりやすいものではないですし、現在の主流の考え方でもありませんので割愛させてください。

OBTF
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。しかし、まだよくわからないところがあります。 > t2g(・,・,・) eg(‥,・) ..... [Fe(H2O)6]2+ の励起状態に遷移することができます。 その場合、6個の配位子の6個の非共有電子対は、どこに入るのでしょうか?

関連するQ&A

  • カルシウムイオンの錯イオン

    カルシウムイオン(Ca2+)と亜鉛イオン(Zn2+)の 配位構造、配位子、配位数 についてしりたいのですが、 まず配位子というと錯イオンの事をいっているという認識でいいですか?Ca(OH)2などのOH-は配位子といわないですよね? 亜鉛については高校で習ったテトラヒドロキソ亜鉛(II)酸イオンの[Zn(OH)4]2-(正四面体、配位子OH-、配位数4)が思いつくのですが他にもありますでしょうか? Caが原子番号20なので (1s)2(2s)2(2p)6(3s)2(3p)6(4s)2 となり、ここから電子を2個とると、 (1s)2(2s)2(2p)6(3s)2(3p)6 となって、3d軌道以降が全て空きで、ここに配位子が入ると思うのですが、どのように入るのでしょうか? Zn2+の場合だと30-2=28なので (1s)2(2s)2(2p)6(3s)2(3p)6(3d)10(4s)2 の30こから2つとった構造を考えて (1s)2(2s)2(2p)6(3s)2(3p)6(3d)10 と考えると、例えば上の[Zn(OH)4]2-は sp3d混成軌道の正四面体となり納得のいく答えとなりますが、このほかにもありますでしょうか? なにかご存知の方がいらっしゃったら、どうかよろしくお願いいたしますm(_ _)m

  • Ni2+の配位数

    ある参考書の配位数の考え方では、Fe2+だとd電子は6つでlow spinで考えるとt2g6でeg軌道に二つ、4s,4p軌道にそれぞれ1つ、3つ空いた軌道が存在するので、d2sp3混成により最大で6配位まで可能という解釈をしているのですが、Ni2+のd電子は8つで、同じように考えると最大で5配位までしか配位できないような気がします。しかし、Ni2+では通常4配位か6配位とされているのは考え方が間違っているのでしょうか?

  • 錯イオンについて

    昨日久しぶりに図書館に行ってみたら、以前にrei00さんが紹介して下さった 『暗記しないで化学入門(平山令明 著)』が見つかったので借りてきました。 まだ半分しか読んでませんが、いろいろと理解が深まってきたような気がします。 それでもまだよく解らないのが錯イオンのことなんです。 まずこの中の記述によると、p軌道まで電子が一杯(価電子8個)になると、 安定になるということですよね? で、Fe2+がd2sp3混成軌道になったり、Coがd2sp3混成軌道になるのは なんとなくは理解できました。(間違った理解かもしれませんが(^^; これだとAl3+はsp3混成軌道になりそうだ・・・、と思うんです。 しかし、実際はsp3d2混成軌道になることが多いんですよね? この”d2”ってのはどうなってるんでしょう?? これだと逆に不安定になっていそうな感じがするのですが・・・。 他にCo2+も、sp3混成・sp3d2混成の両方をするんですよね? う~ん・・。全く解りません・・・。(T_T) というか、たぶん最初から何か勘違いしてると思うんです。 今日、学校の物理の先生にこの事を質問してみたのですが、 『大学で習ったけど忘れた』とか言われてしまったんです。(笑 錯イオンのこういったこと↑について、教えて下さい! よろしくお願いします。m(_ _)m (いま読んだら何を書いてあるか解りづらいですね・・・すみません。)

  • 水溶液中のMn^2+による着色が、Fe^2+やTi^3+による着色に比べ薄いのは何故?

    水溶液中のMn^2+による着色が、Fe^2+やTi^3+による着色に比べ薄いのは何故なのでしょうか?どの場合も水分子が6配位しているとのことです。 色が濃いということは可視光の範囲の一部の色を多く吸収しているということで、多くのエネルギーを吸収しているということですよね? d軌道電子数はMn^2+がd^5、Fe^2+がd^6、Ti^3+がd^1だと思います。この通りだとすると順番は関係ないということですよね? 配位子場と関係してるのでしょうが、よく理解出来ていないのです。 教えていただけると嬉しいです。お願いします!

  • 金属錯体の色の原理についての疑問です。

    金属錯体は色を持つものがある理由を調べてみました。 中心金属原子のd軌道(通常は5重に縮退)が、配位子の静電場の影響で、エネルギーの高いeg軌道とエネルギーの低いt2g軌道に分かれ、t2g軌道の電子が特定の波長の光を吸収してeg軌道に遷移することで色が見えるということで間違いはないですか? ここで、疑問が生まれました。 たとえば、テトラアンミン銅(II)イオンは濃青色を示しますが、銅原子の最外殻のd軌道は空で、遷移する電子がないのでは?という疑問です。 にもかかわらず、なぜ色が見えるのか、教えていただけないでしょうか? ちなみに高校レベルまでは理解できます。電子軌道も、基本的なことはわかります。わからない用語等はできるだけ調べます。

  • 化学の問題

    p-キシレン分子のsp 混成軌道を形成している炭素原子         sp2 混成軌道を形成している炭素原子          sp3 混成軌道を形成している分子軌道         σ軌道 、π電子 はそれぞれ何個ありますか? 教えてくだされば幸いです。

  • イオンの電子配置

    特に遷移元素に多いのですが、イオン化しても閉殻構造にならないものが多くあります。 Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、Tl+、Cd2+、Au3+ etc... これはなぜなんですか? なぜ閉殻構造でないのに安定化するんですか? 副電子殻(s,p,d,…)は知っています。 電子の入り方が3d軌道と4s軌道で逆転するのも分かります。 3dと4sではエネルギー差があまりないので、3d軌道も反応に関係するんだと思いますが……

  • Fe3+ の正四面体配位子場について

    Fe3+ の正四面体配位子場で,弱配位子場と強配位子場についての混成軌道,またd電子の分布について教えてください。四面体はよく分かりません。弱配位子場はsp3になると思うのですが・・・。よろしくおねがいします。

  • 反磁性・常磁性、低スピン・高スピンを考えたときの電子配置と混成軌道がわかりません。

    ヘキサシアノ鉄((2)) [Fe (2) (CN)6]4- は反磁性で低スピン型ということなのですが、このときの3d軌道の電子配置と 混成軌道がどうなるかわかりません。 教科書を見ると d^2 s p^3混成軌道をとり ↑↓ ↑↓ ↑↓ ↑↓ ↑↓ ↑↓(d2sp3混成軌道) となっているようです。 また、その混成軌道を取るとするとすべてに電子が入り 4-というのがなぜ化学式にでてくるのかも分かりません。。。 分かる方解答お願いします。

  • 物質の色と温度

    分子の励起エネルギーは飛び飛びの値しかとれない。よって,分子が吸収できる光のエネルギーも,飛び飛びの値しかとれない。分子が吸収する光のエネルギーと光の振動数との関係は,E=hνという式によって表されるので,分子が吸収する光の振動数も飛び飛びの値をとる。 物質の色というのは、電子のエネルギー準位間のエネルギー差によって決まる。 分子が色を持つには,分子が可視光に相当する振動数の光を吸収する必要があるが,これに相当する励起エネルギーは分子内の電子遷移に対応する。 これってつまり、物質に光エネルギーではなく、熱エネルギーを加えても物質の色は変化するのでしょか??