• 締切済み

XRDの測定について

最近XRD(X線回折)の測定を勉強し始めた初心者です。 薄膜を測っているのですが まだ品質のいい膜が出来ておらず、結晶性が悪いです。 なので、ピークが弱いです。 ω-2θスキャンで、 低い指数のものはなんとか読み取れるまで回折強度があるのですが、 高指数側のピークは、ノイズやらバックグラウンドと区別がつきません。 それでピークを見るために、ノイズをなるべく無くしたいと 考えているのですが、知識+経験が少なく、 どうしたらいいかよくわかりません。 使っている装置は、PhilipsのX'pertです。 教えてほしいのは、 (1)ノイズの発生理由として通常考えられること (2)ノイズを低減させる方法 (3)弱いピークの見つけ方、出し方 です。 一応の方策として、 ステップごとのX線の照射時間を長くして、 ノイズを平均化すれば、積算で、ピークが出るのかな と考えていますが、 (1)XRD装置の予約が混んでいてなかなか使えない。 (2)測定結果を出さなければならない期限が迫っている。 などの事情から なかなかゆっくり考えたり、色々試している暇もありません。 誰か知っている方いたら教えてください。お願いします。

みんなの回答

  • yos-hiro
  • ベストアンサー率71% (5/7)
回答No.3

回折データをどのような目的で測定しているのか分からないので推測で書きます。 結晶性の低い試料の高次回折線は、実験室系の装置でいくら積算時間をかけても 明瞭には成りません。これを踏まえて書かせてもらいます。 PhilipsのX'pertなら封入型のCu-kaで、管電圧、電流は40kV、30mAくらいでしょうか。 改善策として、既出ですが、 1. 40kV, 50mA位に上げて下さい。 2. 測定時のサンプリングステップ角度を0.04°にして3s/step位にして下さい。2θ=20°-80°まで測定しても75分で終わります。格子定数の算出が目的なら0.02°は欲しいですね。 3. θ側の入射角度を0.5°にして下さい。 4. 1回の時間が長く取れない場合、1s/stepにして短時間測定を5回くらい行い、最後に強度データを足し合わせて下さい。この場合、測定日が変わっても構いませんがX線強度の半割値を極力差が無いようにして下さい。特に光軸の調整(初期化)はしないで下さい。X'pertなら半割値の調整は楽だと思います。学生用のXRDは光軸調整ほったらかしという場合が多いですが、X'pertならあまり気にする必要はありまん。 5. 分からないことは、Philipsの技術者、サービスと話すのが一番早いし、勉強になります。 6. 強度の弱いピークの位置探しはICDD(JCPDS)のパターンを元に探します。空間群が既知なら消滅則を無視して全てのピーク位置を計算するのも手段の一つです。

  • kenojisan
  • ベストアンサー率59% (117/196)
回答No.2

私も薄膜作製で粉末X線を良く使います。薄膜は質量が少ないので、結晶性が悪いと強度が弱くて苦労しますよね。 1.ノイズの発生理由  ノイズというよりバックグラウンドでしょう。回折ピークに寄与しないX線がメインです。 2.ノイズの低減法  X線回折の装置側の改善法としては、モノクロメーター(正確には試料より検出器側に設置するので、アナライザーと呼ぶべき)を使うことで回折現象に寄与しないX線強度を劇的に低減することが出来ます。最近の装置にはたいていモノクロが付いていますが、もし使った装置がモノクロでは無くてフィルタータイプなら、モノクロ付きで高出力な回転対陰極型(ローター型)の装置が近くにないか探してみてください。  測定装置の改善が不可能な場合。この種の計測では、計測結果にはカウント数のルートの統計的ばらつきを伴います。従って、相対的なばらつき(S/N比)は、(カウント数のルート)/(カウント数)=1/(カウント数のルート)になるので、とにかくカウント数を増やせばバックグラウンドは1/(カウント数のルート)の割合で平坦になっていきます。カウント数を増やすには、X線強度を増すか、測定時間を増やすしか有りません。  あと、もし測定試料が小さい場合、測定スリット(発散スリットDS)が広すぎて試料の幅をはみ出してX線が照射している可能性(広角側では可能性は少ないと思いますが)、通常はX線がライン状に照射されるので試料長さが足りない可能性もありますので、確認してみてください。 3.弱いピークの見つけ方  ノイズの低減法の一つでもあるのですが、もしその広角側のピークがブロードで、必要以上に細かいステップで測定していた場合、測定結果を単純な隣合う角度データの足し算や移動平均というデータ操作をすることで、多少はブロードで弱いピークが見やすくなります。  また、S/N比が悪くてピークの存在は分かるけれどもピーク位置や半値幅、強度が見積もりにくい場合には、カーブフィッティングして求めることも可能です。  これらのデータ操作は、おそらく最近の装置には付属ソフトの機能の中に含まれていると思います。  最後に、そもそも高指数側ピークがどの程度の強度得られると予想出来るのかを検討されてはどうでしょうか?例えば、(100)ピークに対して(200)ピークのような高次反射と呼ばれるものは、理想的な場合でも面積強度で言って1/4にしかなりません。もし、その試料が既知の物質なら、薄膜の場合には必ず多少の配向性が出ますので単純に比較は出来ませんが、粉末X線回折のデータベース(JCPDS)で可能性のある物質を調べて、そのピーク強度と比較検討してみるのが良いかも知れません。

回答No.1

XRD経験者です。 (1)ですが、普通、測定装置にはノイズはつき物です。電気的のノイズがメインでしょうが、自然放射線がカウンターに入射することもあるでしょう。故障レベルまで上がっていないなら、そのようなものだと思ってください。 (2)測定装置のノイズ以外に、結晶性の悪さからくる成分が混じっていませんか?一度、サンプル抜きの空のホルダーで測定したら、測定装置とサンプルのブロードな成分の切り分けができると思います。 また、S/N比をあげるにはX線の出力を上げることです。共用の測定装置はピークの出るようなサンプルを計るように設定されているでしょうから、出力はMaxまでは出していないと思います。結晶性の悪いものはそれなりに高出力で測定するべきです。 (3)出力が出せない場合は、時間をかけることです。ノイズも増えますが、平均化されていくでしょう。そこにピークがあるかないかの判断はできるようになるでしょう。

関連するQ&A

  • XRDの結果から何が分かった言えるのでしょうか

    XRDによって現れるピーク位置は、その角度の時にブラッグ条件2d sinθ=nλ を満たす結晶だという事ですか? 例えばθ-2θ法で測定して2θ=40°の位置で鋭いピークが現れた場合は、θ=20°でブラッグ条件を満たす並びのグレインの数が多い多結晶ということですか? つまりピークの数が多過ぎたり全体的にノイズのようになってるのは配向が不均一過ぎるので非晶質固体、逆に鋭いピークが1つだけのは単結晶という事が言えるのでしょうか。 またどうしてXRDの結果から結晶の面指数(hkl)が決定できるのか教えて欲しいです。しかも数種類の物質を混ぜて出来た固体ではそのピークがどの物質によるピークなのかまで分かってしまう原理がどうしても理解出来ません。 どなたか詳しくお願いします。

  • アモルファスとXRD

    PLD法によりある物質をアブレーションして薄膜を作成しました。 またその時のチャンバー内圧力を3種類に変えて、全部で3枚の薄膜を作成しました。 それらをXRD測定し、結晶性があるかを調べました。すると確かに3種類とも強度の異なる結晶性のピークは得ることができましたが、それらのピークの基には小さいなだらかな盛り上がり(アモルファス?)があります。イメージとしてはなだらかな山(アモルファス)の上に一本の木(ピーク)。 その三種類のピークを比較して、どれが一番結晶性が得られているか調べたいのですが、アモルファスをどのように考慮したらいいかわかりません。それともアモルファスを考慮せず、生データのままピークを比較してもいいのでしょうか?ご回答をお願いします

  • (1)XRDの原理 (2)各ピークのミラー指数

    前提として、私は固体物理学や結晶学が苦手だということをお伝えさせていただきます。 まず、XRDはX線を(粉末)試料に当てた時の回折現象を測定していて、ブラッグの式 2dsinθ=nλに当てはまる回折X線がピークとして観測されている、と私は把握しています。 (1)この時観測されるピークは、基本的にn=1の時のものだけだと伺いました。なぜn=2,3,・・・のピークは観測されないのでしょうか。難しいことは理解できないかもしれないので、簡単で結構です。 また、私は昨日ある固体試料に対してXRD測定を行いました。いくつかのピークが観測され、文献を用いてそれぞれのピークを「(001),(003),(005)・・・」と同定しました。この(001)等は固体試料の単位格子に対するミラー指数であり、それぞれのピークが観測される2θの値から、ミラー指数が示す方向の「層間距離d?」を求めました。。 (2)(001)ピークから求めるdは単位格子のz軸(深さ)方向の長さでしょうか?そもそも、(003)や(005)が示す面はどこを示しているのでしょうか?また、それぞれのピークから求めたd値は何を表しているのでしょうか? (3)その他、ソフトウェアを使わずに、XRDスペクトルから簡単に読み取れる情報はなにかあるでしょうか?今回私が行った測定は、ある固体試料のXRDと、その固体を担体として金属を担持させた試料の2種以上のXRDを測定して、スペクトルを比較し、金属の担持具合を予想しようというものでした。 一部だけでもよいので、ぜひ回答をいただきたいです。理解が浅く、ちぐはぐな質問になっていると思いますが、よろしくお願い致します。

  • XRD薄膜法での結晶性評価の仕方について教えてください

    ポリマーの薄膜(500nm程度)の結晶性を、XRD装置を使って薄膜法(入射角0.5°前後に固定、2θスキャン)で評価しようとしています。取り合えず、作製方法の違いによって薄膜(基板はガラス)の結晶性がどう変わるかを定性的に比較したいのですが、得られたプロファイルの評価の仕方がもうひとつよく分かりません。単に、主要なピークの半値幅を比較すればいいのでしょうか?また、この場合、θ-2θ法で同様な比較をするのとどう違うのでしょうか?ご存知の方よろしくお願いします。

  • XRDでピークが観測されません

    反射型のXRDを用いて粉末のXRD測定をしたのですが、ピークが得られませんでした。ちなみにサンプルはもともと石のような固体だったものを粉末に粉砕して測りました。 固体のときは結晶構造を示していても、粉末になったら結晶構造を示さなくなることってあるのでしょうか?今回は砂ぐらいの粗さにしかしていないので結晶構造がなくなることはないと思うのですが・・・。 このことについてどなたかの意見をいただきたいです。よろしくお願いします。

  • X線回折測定で検出できない結晶について

    LiNbO3を形成していると思われるセラミックスのラマン分光測定を行うと、LiNbO3由来の散乱パターンが得られたため、確実に結晶は存在するのですが、XRD測定では何度サンプルの場所を変えても回折ピークは現れず、非晶質のようなパターンになります。この理由を教えていただけないでしょうか?

  • X線回折(XRD)分析の半値幅について

    現在粉末用のXRD装置を使用しているのですが、半値幅に含まれる情報に関して教えてください! 参考書などを呼んでいると、結晶性のピークに着目した場合、ピークの半値幅が大きくなるほど結晶子サイズは小さいことを意味すると書いてあり、これはなんとなくわかりました。 しかし、非結晶性のものを測定すると一般的にはブロードピークとなるものが多いかと思うのですが、相互関係がわかりません・・・。非結晶性のものは結晶子サイズが小さいということではないですよね? 段々結晶子サイズが小さくなっていった時に、少しづつピークはブロードに近づくとは思うのですが、 ・結晶子サイズが小さくなっている というのと、 ・非結晶性のものである というものの区別はどうやって判断したらよいのですか?ある程度は半値幅を超えたら非結晶性のものとかいう基準があるのでしょうか?

  • XRDの強度について

    XRDに詳しい方お願いします。 強度のピークというのは、単純にある結晶(1)が別の結晶(2)の2倍の数があったとしたら、強度は2倍の数値になるのでしょうか? あと、試料によってのスタート時のピーク強度が違うのはなぜですか?自分は2θ=20~80で測定しています。スタート時は強度0から始まったほうが多重分析(複数の試料の結果を重ね合わせたもの)の結果がみやすいとおもうのですが。お願いします。

  • Siの結晶化について

    薄膜を作製し、結晶粒を確認後、X線回折測定を行ったのですが、ピークが観測されませんでした。結晶化はしていると思うのですが、他に考えられる理由としてどのようなことが考えられるでしょうか?ご教授願います。

  • XRDにおける波長の違い

    XRDについて教えてください。 普段用いているXRDではθ-2θ法、線源CuKα(波長λ=1.54056Å)で測定しています。一方、精密測定のためにS/N比の高い高性能なXRD装置を用いて、上記のXRDで測定した試料と同一の試料を波長λ=0.7000Åで設定して測定しました。 当然ながら、設定した波長λが異なるので、λ=1.54056→λ=0.7000となったことで、プロファイルは全体的に左へシフトしました。この左へシフトした分を理論的に正確に右にシフトさせる、つまり、波長をλ=1.54056として測定してえられた回折プロファイルに変換することは可能でしょうか。回答よろしくお願いします。 (このようなことを望む理由は、λ=0.7000で得たXRDパターンと数多く存在する様々な作成条件で得られた試料のXRDパターン(λ=1.54056で測定)とを比較し、違いを見てみたいからです。)