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突然変異について
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なかなか難しい問題だと思います。ひょっとしたら教えてくれた先生も漠然としかとらえていないのかもしれません。いくつかの側面で例をあげてみます。 1.木原均(きはらひとし)の有名なコムギの進化の研究があります。祖先となる植物の種間交雑、染色体の倍加を繰り返して、コムギが進化してきたことをフィールドワークとゲノム解析(といっても当時は染色体の観察)で明らかにしたものです。 2.大野乾(おおのすすむ)の遺伝子重複説があります。進化は当然、遺伝子の変化ということになりますが、必要最小限の遺伝子しかなければ、変化の自由度がほとんどありません。機能が変化するような大きな変化はその生物の生存を危うくするかもしれないからです。しかし、染色体変異で遺伝子が重複するようなことがあれば、もとの機能を保持したまま、遺伝子の変化を許す余地ができるだろう、という説です。これは、たとえばホメオボックス遺伝子は、単純な生物より複雑な生物のほうが重複によって、より数を増しているということからも裏付けられます。 3. たとえばショウジョウバエの仲間では、染色体の数の変化、逆位のパターンなどを比較して、系統図を描くことができます。これは、他の方法で調べた系統関係等も良く一致します。進化(種分化)とともに染色体構造・構成が変化してきたということの現われです。しかし、染色体の変化が、直接、生物の進化をもたらしたのか、というと必ずしもそうではないでしょう。いろいろな原因で種分化が始まり、その後起こった染色体の変化がそれぞれの種で固定したのかもしれません。ただし、染色体の変化は、雑種不妊、雑種致死の原因になりえますから、いずれにせよ種分化を後押しする力にはなったでしょう。
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- asbak
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突然変異は環境の変化に適応するために行われているものだと考えていただければいいのではないでしょうか。 一例として,極寒の中で動物が生き残ろうとした場合,皮膚が外気に直接触れるよりは体毛の数を増やす,などの対策をとって出来るだけ体温を下げないようにしたいですよね。 昨日・今日で体毛が増えるわけではありませんが,長い時間を掛けて体の構造を変化させることが,あとから考えたら“突然変異”によって変わった,と解釈しているのではないでしょうか。 そしてその積み重ねが“進化”だと考えています。
お礼
回答ありがとうございます。 >そしてその積み重ねが“進化”だと考えています。 そうですね。その通りだと思います。
- Chicago243
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染色体突然変異は染色体が増えてたり、一部が切れてほかのとことに移ったりすることですよね。 そうすると、同じ遺伝子が重複したり、2つの遺伝子がフュージョンしたりするわけです。 遺伝子が重複したばあい、さらに点突然変異が加わって非常に似た配列なのに両者が独自の特徴を持つような可能性があります。たとえば重複した遺伝子は重複する前、筋肉をつくるのに関与していたとします。重複後独自の特徴を持つようになり、一つは足の筋肉を作るのに関与しもう一つは手の筋肉を作るのに関与するといった具合です。 フュージョンは2の特徴を併せ持つ遺伝子を生み出す可能性があります。膜たんぱく質とサイトゾルに存在する脱燐酸化酵素がフュージョンすると、膜に存在する脱隣酸化酵素が生まれるといった具合です。 ここに挙げた例は例えばの話で出しているので正確ではありませんが、このような遺伝子の変化が高等な生物を作り上げるのに寄与したのではないか、と考えられます。
お礼
回答ありがとうございます。 >このような遺伝子の変化が高等な生物を作り上げるのに寄与したのではないか、と考えられます。 う~ん、なるほど、難しいですね。 参考になります。
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お礼
回答ありがとうございます。 >染色体の変化が、直接、生物の進化をもたらしたのか、というと必ずしもそうではないでしょう。 そうですね。進化仕切れない生物もいたことでしょう。 >いろいろな原因で種分化が始まり、その後起こった染色体の変化がそれぞれの種で固定したのかもしれません。 染色体の変化がそれぞれの種で固定された結果、現存する生物ができたわけですね。 >ただし、染色体の変化は、雑種不妊、雑種致死の原因になりえますから、いずれにせよ種分化を後押しする力にはなったでしょう。 染色体突然変異は、その生物そのものを変えてしまいます。必ず、個体にとって有利になる場合だけではなく、もちろん、致死などを引き起こす原因になるでしょう。 とても参考になりました。 なんか、議論したくなりました(笑)。 また、疑問が生まれたらアドバイスをよろしくお願いします。