• ベストアンサー

通貨供給の方法

tiuhtiの回答

  • ベストアンサー
  • tiuhti
  • ベストアンサー率66% (447/668)
回答No.5

中央銀行の目標は、「経済活動を潤滑にし、かつ通貨の価値を守れる」ように、金融政策を行う、という事です。つまり、金利の上げ下げや、ハイパワードマネーの供給・吸い上げ等の調節をする事で、それを元に創造される日本全体の通貨供給量、ひいてはインフレのコントロールに努める事が、責務です。日銀貸付や、国債オペで損をしてはならないのも、日銀への信用が揺らぐと、通貨への信任も揺らぎ、インフレを起こしかねないからです。日銀貸し出しや国債オペの「回収」が必要なのは、そういう意味に於いてである事を、念の為、申し上げておきます。 >理論的には中央銀行は「帰ってくる見込みがある!」 っていうことで、いくらでもお金をつくって市中に流しても良いってことですよね。 一般論として、管理通貨制度は、仰られる通りのものです。いくら発行するかは、政府または中央銀行が決める訳ですから。厳密に言うと、日本では日銀法改正(98年4月)以前は、日銀券の発行残高には大蔵大臣が決める上限があって、また発行残高と同額の担保(国債・金・貸付金など)を持っている事が法律上は義務付けられていましたが、以前から、発行残高が上限に近づくとそれにあわせて大蔵大臣が限度枠を拡大してきたので、実際には死文化していました。新日銀法では、額も担保も制約がなくなっています。ですから、日銀がメチャクチャをしたら、本当に、日銀総裁の首をすげ替えるしか手はありません。 後、「「帰ってくる見込みがある!」というのは、突き詰めると二次的な問題なのは、先ほど書いたとおりです。 >ドイツとかの有名なインフレの話ってこんな感じでベースマネーを増やした結果なのかな? 第一次大戦後のドイツのインフレは、敗戦で元々税収不足になっているのに加え、重い戦時賠償を負ったドイツが、財政赤字を、国債を中央銀行に引き受けさせる事で賄った事が主因で起きました。つまり、紙幣を印刷して財政赤字をカバーした、という事です。1922~1923年の2年間のうちに、現金通貨の発行残高は40億倍になったが、物価は、22年1月を1とすると、23年12月には約344億になったので、インフレ率調整後の実質通貨発行残高は、10分の1強に落ち込んでおり、インフレ下では現金通貨に対する需要が落ち込んだ事をしめしている、と聞いています。 >そして、市中でそのお金が信用創造によって1000(例えば)になる、そして日銀としてはその作ったお金に利子をつけた110を回収しなければならない。貸し付けの場合なら銀行に110を返してもらえばいいし、買いオペの場合なら国債が最終的に利子などで110になればよい。 つまり日銀が最初に作った100の新たなベースマネーにより890のお金が市場に出回ることになった。 既に述べた通り、「回収」は究極としては二次的な問題ですが、それでも簡単に損する訳には行きませんから、現実には仰るように個別に回収はされていきます。(利子もタダにはなりませんが、金利は金融政策全体から決まって来るもので、どれだけ儲かるかどうかは日銀にとってはさしたる問題ではありません。) 但し、100のベースマネーの追加が1000の預金通貨の増加につながったのなら、ベースマネーを110回収したら、預金通貨は1100へるはずです。だから、日銀貸し出しや国債買いオペは、個別の取引としては回収されていきますが、ベースマネーの供給額全体は、日銀が必要と思われる額に調整しますから、ベースマネーを減らしたくなければ、別のところで110の国債買いオペなりなんなりをする筈です。ですから、この例では、「信用創造によって1000(例えば)になる」で止めて置けばよいと思います

taurus4
質問者

お礼

ありがとうございます。ある程度解釈が間違っていないことが分かりましたやっとひとだんらく、しました。 思えば、ハイパワードマネーは増やせないと思っていたことから疑問がわいてきていろいろと質問しまくりましたが、結論としては増やせるって言うことが良くわかりました(つもりです)。いままで回答していただいた意見も、そのときは何を言っているんだ?て思ってましたが今読み返してみると、よくわかるようになりました(つながってきました)。もう一度じっくり読み返してみたいと思います。 国債を中央銀行に引き受けさせるっていうドイツのインフレの話しは実質的には「お金がないなら作っちゃお!」みたいな話しなんですね。そんな子どもの発想みたいなことをやってしまうことがすごいですね(当時はいろんな理由があったんでしょうけど)。 >この例では、「信用創造によって1000(例えば)になる」で止めて置けばよいと思います 確かにそうですね。 また気が向いたら、お付き合いください。どうもありがとうございました。

関連するQ&A

  • 通貨発行権の行使と信用創造は同じ行為でしょうか?

    日銀が通貨発行権を行使すると、日銀の財務諸表の負債の部に発行銀行券として記載され、日本銀行当座預金口座に振り込まれます。つまりお金は負債ということになります。 この段階のことを指して、信用創造といってはダメでしょうか? 信用創造は英語だと、Credit Creation、別の言い方だと貸し方の創造になるので、借金を作ると解釈したくなるんです。 以上のことから、通貨発行権の行使と信用創造は同じ行為だと考えるのですがだめでしょうか?

  • 通貨供給量を増やすと

    通貨供給量を増やす方法として、日銀は市中銀行から国債を買い入れています 国債を財務省が発行してすぐに日銀が買うことは禁じられており、一旦、市中銀行が入札に応じます。その後すぐに日銀が買い入れているようです 具体的にどのようなメカニズムで、買う前と買う後とを比較して通貨供給量が増えているのかを説明ください

  • 日銀の政策金利引き下げなどについて

    よろしくお願いします。 (1)日銀が無担保コール翌日物の金利を0.2%さげる (2)当座預金に0.1%の金利をつける という政策を発表しましたがいまいちよくわかりません。 無担保翌日金利を下げるのは 銀行が金を融通しあって市場にお金が流れるように、 だと思うのですが、無担保翌日物の市場に流れるお金が 大きくなる場合、そのお金はどこからでるのでしょうか? 税金とかからでしょうか(財政支出、とかいてあったので) 無担保翌日物の金利が下がったところで、どれだけのマネーが 使われるか、など計算できるのでしょうか (そもそも、どれくらいのしじょうなのでしょう・・・?) (2)銀行が日銀に預けた当座預金に金利につける のですが、これによって銀行はお金を日銀にたくさん預けるようになると思うのですが、これは何をいみするのでしょうか? 日銀がお金をたくさん持つことは、(1)の銀行から市場にお金が流れる政策と矛盾するような気がするのですが・・・。 以前も、日銀は当座預金を60兆超えるようにしよう、と政策を計っていた気がしますが、日銀の当座預金が増えるとどうなるのですか? 教えてください。よろしくお願いします。

  • 日銀当座預金残高と預金準備率の関係

    日銀当座預金残高と預金準備率について調べたところ、以下のようなものだと書かれていました。 ・預金準備率 金融機関に対して保有する預金の一定割合以上の金額を一定期間の間に日本銀行の当座預金に預け入れることを義務づける制度 ・日銀当座預金残高 金融機関が日本銀行(日銀)に保有している当座預金の残高 これに対し、景気対策の方法を調べたところ、 1.預金準備率を下げると金融緩和、預金準備率を上げると金融引き締めになる 2.日銀当座預金残高を増やすと金融緩和となる ということが書かれていました。 ここで、預金準備率を下げると日銀当座預金残高が減ると考えたのですが、そうすると「1」と「2」が矛盾しているように思いました。 日銀当座預金残高を増やすとなぜ金融緩和となるのでしょうか。

  • 2つほど

    1、日銀は銀行の銀行と言われるのに、日銀当座預金に預けておいても利子がつかない んですが、他に日銀には利子のつく口座でもあるんですか? 2、日銀当座預金のお金ってのは日銀は利益をあげるために何かに運用してるんですか?

  • ハイパワードマネーと、現金と日銀当座預金

    ハイパワードマネーは、現金と日銀当座預金の合計ということなのですが、なぜ日銀当座預金だけでなく、現金を追加するのでしょうか? またこれは、通貨管理制度でも、金本位制でも、同様にいえることなのでしょうか? お金がまだ流通していない状態から、日銀が市中にお金を流していく状況をいろいろ考えてみたのですが、現金と日銀当座預金の合計という形に、どうもなりません。 (信用創造などはわかります。) とても基本的なことだと思うのですが、教えてください。 よろしくお願い致します。

  • 銀行が国債を購入すると、>どうなる?

    「銀行が国債を購入すると、銀行保有の日銀当座預金(日銀が供給した準備預金)は、政府の日銀当座預金戡定に振り返られる。」 上記を理解できる方、一般人にも理解できるように噛み砕いて分かりやすい表現で解説していただけないでしょうか。 よろしくお願いします。

  • 市中の通貨はどうやって増えるのか

    市中の通貨がどうやって増えるのかどうしても納得できません。 もしくは国債を日銀が保有/引き受けしていけない理由がわかりません。  中学レベルの基礎知識で恐縮ですが、日銀は貨幣を印刷して銀行に貸すということは知っています。また、その際の利子が公定歩合のはずです。 しかし、このモデルですと、日銀は市中に放出した通貨よりたくさん回収することになるので、市中から通貨が減っていってしまいます。  国民が働いて生産しても、それを日銀に売って、日銀からお金をもらっているわけではないので、市中の通貨は増えないはずです。  ということは貨幣価値がどんどん上がってくるはず。  しかし、戦後の経済規模と今の経済規模を比べると明らかに今の方が規模が大きく、市中に出回っている通貨だけに限定しても明らかに今の方がたくさん出回っていますし、貨幣価値も上がっている様子はありません。このからくりがわかりません。  一つの考え方が、国債です。政府が国債を発行し、それを日銀に持ってもらって(償還しない)、その分通貨を発行してもらうならその分市中の通貨が増えることは理解できます。  しかし、その額は経済規模や国債発行高の比率としては案外少ないのです。(2割程度)  にもかかわらず、日銀は引き受けてはいけないとか、保有させているのは危険だとか言われています。  もちろん際限なくやればハイパーインフレになることは十分理解していますが、日銀が引き受け/保有してはいけないとすると、一体どうやって市中の貨幣を増やすことができるのか、私のシンプルな頭では理解できません。  貿易黒字?かとも思いましたが、市中にドルが増えるかも知れませんが円が増えるわけではありません。もしドルを日銀に両替してもらうなら日銀が保有している外貨相当の円は市中に増えるでしょう。しかし、日銀は一般的な業務とし外貨の両替はしていないと思います。  不胎化介入とは国債の売り買いを使って市中の通貨量を調整するオペレーションとも聞いています。  最も基本的な考え方として、日銀は誰かに『タダ』で通貨を上げるようなことはできないはず。だけど、日銀は誰かから『物』をもらってその見返りに通貨を渡すということもしていないはず。(もしそんなことしていたら、世の中の富がみな日銀に集結する) この二つのルールに基づくと、市中の通貨が増える理由が、国債以外に考えられないのです。  それも市中銀行が国債を引き受けた場合、彼らは通貨を国債と引き替えに支払うわけですから、市中銀行が引き受けた分は市中から通貨が減ります。日銀が引き受けた場合にのみ市中に増えてもおかしくありません。  私のシンプルな頭でわかるようにどうやって市中の通貨が増えているのか説明して頂けるととてもうれしいです。

  • 金融緩和すると株価が上がるとする論理思考

    日銀が金融緩和をすると、株価が上がるとする主張があります。 この論理の道筋を説明ください。 日銀の金融の緩和の方法は、おおむね、無担保コール市場での翌日物資金量を需要より多めに供給することと、国債を担保に貸出する事でしょうか さて、前者の市場は、都銀や信託銀行や農林中金が参加しています、証券会社や生保は参加しているかどうか知りません。生保に日銀が無担保コール市場で貸し出しをする仕組みがあるかどうかしりませんが、いずれにせよ短期資金ですし、これらを元手に銀行や生保が長期投資の株を買うとは思えません。年金基金は無担保コール市場には参加できません。銀行が年金基金にお金を貸せば別ですが、基金は銀行借り入れをして株式投資するということはないと思います。 では、銀行が保有する国債を担保にして日銀が銀行に資金提供する場合はどうでしょうか。これも銀行の自己勘定にある国債を売って日銀当座預金に代わるだけでしょう。株式投資には関係ないと思います 従って、株価が上がると主張する論理を教えてください。

  • 日銀の当座預金残高を増やす手段と目的について

    日銀が今年3月に操作目標を金利から日銀当座預金残高に変えました。そして同残高をどんどん増やしています。そこで質問です。 1 残高を増やしたらどうして金融緩和なの?  民間の銀行が日銀の口座にたくさんお金を預けたら、貸出すお金が少なくなるはずなのに、なぜ当座預金残高を増やすことが金融緩和につながるのですか? 2 どのようにして残高を増やすの?  経済学の教科書には、金融政策の手段として、1公定歩合操作、2公開市場操作、3預金準備率操作の3つがあると書いてあります。そのうち実際に機能しているのは公定歩合操作と公開市場操作。でもどちらも当座預金残高を増やすための手段とは考えにくいのです。日銀はどのような手段を講じて当座預金残高を増やしているのですか?民間の銀行に「当座預金しろ」って命令してるってことはないと思うんですが・・・。