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ムハンマド劇画事件について、教えて下さい

nipponjinの回答

  • nipponjin
  • ベストアンサー率57% (69/121)
回答No.6

 私はデンマークでの掲載のその後に続いた国が複数あったことが、まさに今回の問題をよく現しているのではないかと思います。 カントを生み出したドイツから北欧にかけての地域、イギリスなどは、今日のキリスト教文化圏において最も「啓蒙」の進んだ土地柄です。今回の騒ぎとの遠因は多少なりともあるように思われます。  今回のような欧州の先進諸国とイスラム原理主義との軋轢を生む原因は、相手の宗教に対する認識が不足していたというより、宗教から抜け出た理性によって国家が運営されるに至った社会なのか、あるいはそこまでには至っていない社会なのか、の違いから発生してきたものです。ジャーナリズムに携わり尚且つ啓蒙思想を当たり前に叩き込まれた現代のデンマークの人にとってはイスラムの指導者であるムハンマドを偶像化しようが揶揄した風刺画を描こうが、それらは「宗教は所詮、内輪の集まり」という完膚なきまでの啓蒙思想から、「そんな考えにも至っていないイスラム世界は立ち遅れた社会なのだ」というような文明論における一種の自分たちの優越意識とイスラム原理主義そのものを批判したいとする、その人なりの信条がどこかにあったのだろうと私は思っています。さらに問題の挿絵をそれが問題になることが既に明らかな時期になっても尚、掲載することを躊躇わなかった他の欧州各国の新聞各社関係者らにも同様の思いがあったものと考えています。こうした宗教観や国家観やイスラム世界に対する意識の概ね共通している彼らが、デンマークの先例の後に続いたのなら、後に続いた者達は先んじた者より元々同じ位かもっと強固な意志を持っていた、というように考えられるのです。 こうして考えてみますと、一方的にイスラム社会が怒っているというより欧州各国の側においても、ケンカ売るのも止む無し、あるいはいつでも迎え撃ってやろうという対抗意識も十分に垣間見てとれた事件であったと思います。  ただしここで注意したいのは、半官びいきというか日本人特有の心情的な世界観、歴史観において、一たび欧米列強国とイスラム諸国との争いごとなどが起きると、欧米列強側を批判してイスラムの側に温かい眼差しを向けることが理性的、良心的な考え方であるかのごとき意見をよく目にするのですが、宗教と国家の関係性については、一部の原理主義を掲げるイスラム世界は圧倒的に立ち遅れている事実は公平に見て間違いないことだと思います。

noname#39881
質問者

お礼

回答本当にありがとうございます。 私がひょっとしてこういう理由じゃないのかなあ、と思っていたことがすべて詳しく書いてあり驚いています。 もちろんイスラムの過激な行動が悪いのはよくわかります。投稿した頃よりも悪化した上にまだ続いていますものね。想像を絶するものがあります。 イスラム教徒の性質について色々調べたつもりでしたが、考える以上に複雑だと思い知らされました。 しかしながら欧州各国の姿勢もまた理解できませんでした。 デンマークの1件なら私も投稿しようと思うほど疑問には思わなかったです。 ですが、その後の欧州各国の姿勢…やはりケンカを売っていますよねえ。(言い方は悪いですが) テロや移民問題の恨み以上のものがあるでは?と思っていたのです。 やはり表には出ないもののどこかで宗教的に優越した気持ちがあるんですね。 キリスト教徒についてももっと深く知る必要があると思い知らされました。あと歴史ももっと深く調べなければ今の問題を理解するのは難しいですね。 大変参考になりました。

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