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磁性の区別
38endohの回答
- 38endoh
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> フントの規則やパウリの禁制原理は、原子間や、分子間でも成立する原理なんですか。 物質が強磁性を発現するには,電子スピンの方向が一様に揃う必要があります。これには,電子スピン同士が平行になろうとするエネルギー,もしくは反平行スピンになろうとするエネルギーが必要です。フントの規則やパウリの禁制原理という言葉は,このことを説明するために使用いたしました。 正確な意味においてフントの規則やパウリの禁制原理という言葉が本当に適当かどうかは,私も自信はありません。ただし,例えば常磁性金属錯体の配位子場分裂エネルギーと,ハイスピンとロースピンとの関係を説明する際にもフントの規則やパウリの禁制原理という言葉が出てきますよね? 電子スピンが平行に揃うか反平行に揃うかを議論する上で,原子内に限らずより広い意味で一般的に用いられていると思うのですが…。いや,この点においては私もあまり自信はありません。 ちなみに,強磁性体でスピンが平行になろうとしたり反平行になろうとしたりするエネルギーのことを,交換相互作用と言います。スピン間の交換相互作用が正の時はスピンは平行に揃おうとし,負の時は反平行に揃おうとします。正の交換相互作用で強磁性が発現している場合,その強磁性体を「フェロ磁性体」と呼び,負の交換相互作用で強磁性が発現している場合,その強磁性体を「フェリ磁性体」と呼びます。例えば鉄やコバルトは前者,フェライトは後者に相当します。 ところで,ちょっと自己レスです。 > ほとんどの常磁性体はキュリー点という温度を境にして,その温度以下では強磁性体になります。 「ほとんど」という言葉には語弊がありますね。ここは「ある種の」としておいて下さい。ただし,すべての強磁性体はキュリー点以上では常磁性体になります。
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