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国債・国の借金なんて返さなくていい?

harenshibaの回答

回答No.7

>元金なんか返さなくていいんです。 正しい。全額を完済する必要は確かにありません。借金額が返済能力の範囲内におさまっていれば良いでしょう。返済能力とは政府の場合、徴税権のこと。 >物価の上昇で実質額を減らして行けばいいんです 正しい。分かりやすく言うと「給料の伸びが借金の伸びを上回っていれば、新たな借金をしないかぎり借金の重みは減っていく」。経済学的に言えば「基礎的財政収支が均衡しており名目経済成長率が利子率を上回っていれば財政は発散しない」。これはドーマー条件と呼ばれています。計算式はこれ↓です。 政府債務の変化額 = 基礎的財政収支赤字額 - ( 経済成長率 - 利子率 ) x 政府債務 しかし問題は、現在の日本にとってその条件は非常に難しいということ。上の数式に次の通り日本の経済状況を代入し計算してみます。      基礎的財政収支赤字額: ▲43兆円      経済成長率: 2% (←物価目標)      利子率: 1%      政府債務: 1,122兆円 (債務総額で計算してみます) 名目GDP: 475兆円 <1年目> 債務増加: (43 + 10) - ( 0.02 - 0.01 ) x 1,122 = 41.78兆円 政府債務対GDP比: (1,122 + 41.78) ÷ (475 x 1.02) = 240.2% (注:緊急経済対策の10兆円を債務増加額に加算しています) <2年目> 債務増加: 43 - ( 0.02 - 0.01 ) x (1,122 + 41.78) = 31.36兆円 政府債務対GDP比: (1,122 + 41.78 + 31.36) ÷ (475 x 1.02 x 1.02) = 241.84% ・・・・・・ <10年目> 債務残高:1,435兆円 GDP: 579兆円 政府債務対GDP比: 1,435 ÷ 579 = 247.83% したがって計算の結果、 ・経済対策は今回の緊急経済対策10兆円のみとする。 ・政府支出を絶対にこれ以上増やさない(=基礎的財政収支赤字を悪化させない)。 ・毎年必ず2%の経済成長を続ける。 ・債務の実効利子率はこの先もずっと1%のまま。 という非常に厳しい条件を実現できたとしても、政府債務の対GDP比率=借金の重みは悪化の一途をたどります。そもそも、毎年必ず2%の経済成長とか、利子率は今後もずっと1%という前提はあまりに厳しすぎるので無理でしょう。ほとんどファンタジーのような目標です。 同様の計算を先日の財務省発表↓をもとに行なってみます。 http://www.mof.go.jp/budget/topics/outlook/sy2503b.htm この国債残高の試算は経済成長率3%を想定したものなので、平成24年GDP 475兆円をもとに毎年3%成長するGDPを算出、国債残高をGDPで割って「借金の重み」を計算します。 <平成25年> 国債残高 732兆円 ÷ GDP 489兆円 = 150% <平成29年> 国債残高 862兆円 ÷ GDP 551兆円 = 157% <平成34年> 国債残高 1,015兆円 ÷ GDP 638兆円 = 159% したがって、財務省発表のデータを元にしてもやはり借金の重みの悪化は止まりません。 >緊縮財政なんてやる意味ない? 間違い。先程の試算の通り、このままではやがて財政破綻を迎えます。借金の伸びが徴税能力≒増税余力を超えてしまうでしょう。#4さんの回答にあるように借金を無限に増やすことはできないのですから、債務状況が無限に悪化し続けていくなか、債務残高を気にせず安易に政府支出を拡大することは即座に止めるべきです。支出拡大の甘すぎる姿勢を一刻もはやく改めて赤字を削減し、なおかつ、政府支出を削減してでも経済を成長させるような手を打たなければなりません。

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質問者

お礼

ご丁寧な解説ありがとうございました。

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