福島原発の最悪核爆発の威力とは？

質問

• 福島原発の最悪核爆発の威力はどの程度か気になるところです。
• 広島原爆では、50kgのウラン235で1kgの一部で3km範囲が吹っ飛びました。福島原発のウラン量を教えてください。
• 広島の400倍の爆発が発生するのでしょうか？燃料棒の数と重量から判断できます。

回答No.10

sudacyu · ベストアンサー

原子炉で一番危険な状況は、チェルノブイリで起きた臨界事故です。

　臨界とは、ウランが分裂したときに発生する中性子が次のウランにぶつかって、そのウランが分裂し、そのウランが更に次のウランにぶつかって・・・と言うように、連鎖反応が起こることを言います。

　極めて濃度の高いウランがこの臨界状態になると、一瞬で連鎖反応が起き極めて高温（数万度）になり爆発します。これが原爆です。

　原子炉では、爆発するほど濃度の高いウランは使いませんが、連鎖反応が比較的ゆっくりと起こる程度の濃度のウラン燃料を使っています。
　ですから、事故で臨界状態になれば、２０００度以上の高温になり発熱を続け、その高温で燃料のウランや核分裂の結果できた放射性物質が、細かな粒子になり、高温で発生した強い上昇気流に乗り、空気中に拡散し続けます。これがチェルノブイリの事故です。
　ウランが消費され、濃度が低くなるまでこの連鎖反応は止まりません。

　厚さ１６センチの合金製容器の中に満たした大量の水の中で、コントロールしながらこの連鎖反応を起こしているのが、原子炉です。
　原子炉を止めるには、中性子を吸収する性質のある元素を詰めた棒（制御棒）を、ウラン燃料棒の間に差し込み、ウランー中性子―ウランー中性子―ウランー・・・・の玉突きを止めます。

＜今回の事故について＞
　地震と同時に、制御棒は自動的に起動して、燃料棒の間にセットされ、ウランの連鎖反応を止めました。
　しかし、燃料棒は段々低温になりながらも、発熱を続けます。（燃料棒を再処理する程度まで冷やすには、１年以上かかる。）

　原子炉内で制御棒の間にきちんと並んでいる燃料棒内のウランが臨界になることはありませんが、新品に近い燃料棒が発熱で溶けて、制御棒の間から流れ出し、原子炉の底に溜まる（＝メルトダウン）と、大量のウランが集積され、臨界になる部分が出来るかもしれません。
　もし、この状況で自然に臨界になれば、チェルノブイリ状態です。

　実際問題としては、メルトダウンすれば、制御棒も溶けてウランに混入します。また、原子炉に海水を注入する時に、一度プールに貯めて、そこから原子炉内に注入していることや、韓国から５０トン、ホウ素の提供を受けることを決めたことなどから見て、原子炉に注入する海水には、中性子を吸収するホウ素が大量に溶かしてあるかもしれません。

　十分な量のホウ素が原子炉内に供給され続ければ、仮に燃料棒が溶けて、原子炉の底に溜まり始めても、ホウ素とウランが混ざって、臨界になる恐れは極めて少ないと言えます。

　ただ、メルトダウンしなければ、１００％チェルノブイリ化はない状態なのですが、メルトダウンすればチェルノブイリ化の可能性がゼロとは言えないのです。

　また、臨界に至らないとしても、水を掛けて燃料棒を冷やし続けないと、メルトダウンした燃料棒の一部が原子炉の底を溶かして外部に流出し、一部が高温で気化・微粒子となって拡散する状況も考えられます。

お礼

有難うございました。
原爆のきのこ雲が最悪発生するのかなと、素人の目では考えましたが、濃縮ウランではないため、そこまでには至らないのですか。しかしやはり今度は、最悪の場合、炉内に溶けだしたウランとその他格納炉の部材が、飛散することが考えられるのですか？その場合の飛散距離はどのくらいかですね。臨海爆発でチェルノでは、どのくらいこぶし大の破片が飛び散ったのでしょう。シミュレーション出来ないかな？爆風は音速とまではいかないにしてもかなりのものでしょうか？疑問はつきません。