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企業ポートフォリオ分析(PPMとGM)
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GEジェネラル・エレクトリック社はさまざまな分野に進出し、大きな業績を上げていたのですが、あまりに広い分野に進出しすぎてしまい、採算の取れない部門が出てきました。また、進出した分野があまりにも広範囲にわたったため、経営のマネジメントも、複雑になりすぎてしまい、どこをどうマネージしてよいのか訳が分からなくなってしまいました。そこで、全社的に選択と集中を行い、これから事業を継続して注力する分野を決めようとしました。 手元にデータがないのですが、当時のGE社は事業部が60以上もあり、それをさらに分けて100以上の部門からなっていました。重役会議では 「うちのA部門をもっと拡充するために、もっと予算をくれ。」とか 「いやそっちのA部門よりうちのB部門の方がこの先伸びるんだから、予算配分を多くしてくれ。」 「C部門は売り上げが落ちてきて危機的な状況なのだから、それを打開するために予算をくれ。」 「とんでもないよ。C部門なんて落ち目なんだから、さっさと撤退してうちのD部門を拡充すべきでしょう。」 「いや、そうではなくて、わがE部門では・・・・・・。」 といった議論でまとまりがつかなくなってしまうのです。 そこで、これらの事業を、戦略的に関連のある、いくつかのグループに分けました。これが戦略的事業単位SBUです。そして、このSBUのうち、どのSBUを重視するかの判定をしようとしました。 ここからがPPMです。 判定のための切り口は2つです。 1つ目の切り口は、市場成長率つまりその事業の市場が今後大きくなるかどうかです。 2つ目の切り口は、相対的マーケットシェアつまり、わが社がその市場でどれだけのシェアを獲得しているかですが、これはわが社がその分野でどれだけの技術力や営業力を持っているか、ということでもあります。 この2つの切り口で、2×2のマトリックスを作ります。すると、 1)市場成長率が大きくてマーケットシェアが小さい 2)市場成長率が大きくてマーケットシェアが大きい 3)市場成長率が小さくてマーケットシェアが大きい 4)市場成長率が小さくてマーケットシェアが小さい の4つの象限ができます。 自社のSBUのそれぞれが、この4つの象限のどこに当てはまるかを考え、そのSBUをどうするか決めてゆくのですが、そのためにはこの4つの象限がどんな意味を持っているのかを考えておく必要があります。 そのために応用するのが、製品ライフサイクルPLCという考え方です。 PLCでは、人間が誕生し、成長し、熟年となり、そして老衰してゆくように、製品も誕生し、成長し、熟年となりそして衰退してゆくと考えます。 ある製品を開発しました。その製品は開発されたばかりで、ゼロから売り出してゆくので、市場成長率は当然高いです。まだ売り始めたばかりなので、市場占有率は低いです。でも頭打ちになるかもしれませんし、ずっと伸びてゆくかもしれません。まだ利益は出ません。これを儲かる製品にするためには、さらに改良を重ね、宣伝を行い、製品の認知度を高めなければなりません。ですから金食い虫のくせに儲かるかどうかわからないのです。これが上記の1つ目の象限、「問題児」です。 製品が売れ始め成長期になると、他社も類似の製品を市場に投入し始めます。自社がそれまでに十分大きなマーケットシェアを獲得しておくと、競合がいても、その市場で利益が得られます。しかし、他社に追い着かれないためには製品の改良と営業などに資金を投入しなければなりません。儲かるけれども維持にはお金がかかる。これが2つ目の象限「花形製品」です。 さらに成熟期になると、製品はもっと売れ、その結果その製品は市場にあふれ、ターゲットはみんなもうすでにその製品を持っている、という市場が飽和した状態になります。そうなると、新規購入需要はなくなり買い替え重要のみになります。この時期にはターゲットはその製品のことをよく知っていますから、広告をしても売り上げは増えません。しかし広告をしないと他社に取られてしまうので維持的な広告をします。また、改良もしつくされているので、飽きられないためのマイナーチェンジをします。ですから大きな資本を投入する必要はありませんし、大きな市場シェアを獲得していると、大きな利益が得られます。これが上記の3番目の象限、PPMでいう「金のなる木」です。 やがて衰退期になります。衰退していても、それなりに利益が得られれば良いのですが、自社の市場シェアが少ないと赤字になります。企業にとっては、どうしようもないお荷物になってしまいます。これが上記の4番目の象限、PPMでいう「負け犬」です。 金のなる木から得た資金を問題児や花形製品に投入して新たな金のなる木に育て、負け犬になったら撤退するというのがPPMです。
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お礼
回答ありがとうございます。 非常にたすかります。
補足
失礼しました。GMではなくGEです。