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薬学部三回生です。四年制に行って、院に進学し研究職に就きたいのですが、薬剤師免許のこともあり決断に踏み切れずにいます

neko-otokoの回答

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回答No.3

薬学部(院)卒後、製薬企業で研究職として従事している者です。 まず、最初に読んで思ったのは、 「4年制に進まないと研究者になれない」と勘違いしてらっしゃるのではないでしょうか?そんなこと無いですよ。 教員達は4年制でなきゃ研究者になれない、みたいな事を言うかもしれませんが、彼らは学生が4年制に来てくれた方が、研究室に長時間拘束でき労働力になるという利点と、単なる無知でそう言っているだけです。あなたに能力があれば4年制だとか6年制だとか、そんなことは研究者になる上ではっきり言ってどうでもいい話です。 ここからは現実的なアドバイスをしましょうか。研究職といっても大きく分けて大学と企業があります。ケース別に分析してみましょう。 (1)大学の研究者(最終的には教授)を目指す場合 博士課程へ進む博士号を取得する必要があります。修士課程までとは違い、博士課程は厳しいです。博士課程へ進んでも博士号は誰でも取れる訳ではありませんし、自分が研究者に向いていないと思った場合でもやり直しはききません。ほとんどの民間企業が新卒として雇ってくれるのは修士までで、博士になると研究職以外の就職先は非常に限られてしまいます。また、博士課程に在学中は収入もないので経済的問題も生じます。博士を出てもすぐに定職(助教)にはつけず、ポスドクという不安定な職を経るのが普通です。そうまでしても助教などアカポスにつける保証はありません。研究者というのは薬剤師以上に飽和しきって沈殿が溜まっている状態です。ご家庭の経済状態にも拠りますが、定職につく30歳前後まで親の脛をかじるか非常に貧しい生活を強いられることを覚悟しておいてください。 …とここまでネガティブな面ばかり書きましたが、大学の研究者のいいところは企業と違って研究の幅が多彩であり、より自分のやりたい研究ができるということと、よい研究をすればその分野の第一人者・大御所として周囲からも尊敬されることでしょう。企業でそれは難しいですよ。 もし大学の研究者を目指されるのでしたら、(1) 6年制を卒業しその後博士課程へ進む (2) 4年制を卒業し修士課程を経て博士課程へ進む という2パターンが主に考えられます。(1)は薬剤師免許という保険があるのがメリットです。先述の通り博士課程進学というのは非常にリスクが高い行為ですので、薬剤師免許の価値は高いと思います。しかし博士課程から新しい研究室で研究をスタートするというデメリットもあります。その点、(2)であれば修士から引き続き同じ研究ができるので時間的余裕があります。どちらがいいかは分かりませんが私としては(1)をおすすめします。 (2)企業(特に製薬企業)の研究職を目指す場合 企業の研究職は修士卒でも博士卒でもどちらでも就けます(6年制卒は修士扱いとします)。これまでは修士が優勢でしたが、今は大手を中心に博士が新卒者の4割程度を占め、これからは博士がデフォルトになってくると思います。とはいえ修士は文系就職など選択肢が豊富なのに対して、博士は選択肢が少ないので博士進学すべきだとは一概には言えません。とりあえずは修士で就職活動してみて損はないので、博士へ進むかどうかはそれから決めればよいでしょう。 企業就職のよい点は、収入や社会的身分が安定すること、社会人としてのスキルがつくことなどでしょうか。大学と比べると、業務に結びつきにくい完全な基礎研究などはやりづらく、したい研究ができる確率も低いです。例えば○○病の研究がしたい!というようなことを企業で叶えるのは、ほぼ不可能です。そもそも研究対象に入っていないことが多いですし、仮に研究していたとしてもその部署に行ける確率は低いです。仮に行ったとしてもローテーションで1~数年で交替です。「薬が好き」「研究が好き」という漠然とした希望がある人には企業はおすすめしますが、「○○病の治療がしたい」とかスペシフィックな希望がある人にはおすすめできません。 さて、企業へ就職する場合に大きな要因となるのは学歴(特に最終学歴)です。正直なところ、私立薬学部から製薬研究職は分野や研究室によりますが楽ではありません。大手はどこも旧帝大出身者が多数を占めています。ただ、勘違いしないで欲しいのは、学歴があれば大丈夫かというとそんなことはないです。学歴があっても(たとえ東大でも)製薬研究職に就くのは厳しいのです。ましてや私立なら…ということを肝に銘じて置いてください。そして学歴だけじゃなく本人の資質・能力もそれ以上に重要です。これについても、学歴の無さを資質でカバーできると思わないでください。学歴と能力の両方が高いレベルであることが必要なのです。もちろん、私立からでも研究職に就いている人はたくさんいますが、より確率を上げたいのであれば上位の大学院に進学すべきです。 選択肢は、(1) 4年制を出た後、同じ大学の院に進学 (2) 4年制を出た後、旧帝大などの院に進学 (3) 6年制を出て就職 (4) 6年制を出た後、同じ大学の院に進学 (5) 6年制を出た後、旧帝大などの院に進学 というものが考えられます。学歴は重要ですので(1)と(4)はおすすめできません。年限6年で就職できる(2)と(3)の比較ですが、(2)は最終学歴が旧帝大などより高学歴になるので有利です。(3)は薬剤師免許を取れるので心強いです。どちらも甲乙つけがたい。ですが薬剤師に興味がなく研究職を狙うのであれば(2)のほうがいいでしょう。博士へ進むのであれば(5)もアリだと思います。その場合も、とりあえず(3)の路線で就職活動してみて、それでダメなら院に進学ということもできますので、その方がいいでしょうね。

wingstar77
質問者

お礼

大変詳細な回答感謝いたします。六年制卒はずっと学士扱いと思っていました。目指すならば外の院なのですね。非常に参考になります。

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