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電気回路実験の高周波における誤差について

学生実験で,低域通過フィルタの特性について学習する実験をしています。 実験結果では,低周波では理論値に対し誤差が小さいのですが, 高周波ではどうしても大きくなってしまいます。 この現象は他の電気回路の実験でもよく見られるのですが,原因がわかりません。 わかる方がいらっしゃいましたら教えてください。 よろしくお願いいたします。

noname#66037
noname#66037

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  • inara1
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回答No.2

実験回路が以下のようなものなら、カットオフ周波数(DC利得より3dB下がる周波数)は 9.56kHz となり、それより高い周波数では -20dB/dec の割合で利得が低下するはずです。  入力 ─ R ─ L ─┬─┬─ 出力              C  R     ──────┴─┴─  L = 20mH、C = 60pF、R = 600Ω インダクタの浮遊容量によってインダクタが自己共振周波数を持つ場合、利得は下図ように、自己共振周波数で利得が落ち込み、その両側で利得が高くなりますが、このような特性になっていませんか。この落ち込みの付近では -20dB/dec より大きな割合で減衰します。    ↑   利│・・・・・   特│    ・  dB│     ・  ・    │     ・・   ・    │      ・    ・    └───────→     周波数(対数) C の値が変わったときやLの浮遊容量の影響をいろいろ計算してみましたが、インダクタの自己共振周波数がカットオフ周波数よりも充分高い場合、カットオフ周波数はCの値の影響をほとんど受けません。カットオフ周波数に影響を与えるのは R と L の値です。R が600Ωより小さいときや L が 20mH より大きいときにカットオフ周波数が下がります。以下の式(3)で R や L の値が変わったときにカットオフ周波数がどうなるか分かります。実験回路の R や Lの値が正しいか、インダクタの自己共振周波数が数十kHz付近にないか、確かめたほうが良いかもしれません。 【カットオフ周波数の計算】 信号源の出力インピーダイスがゼロで、出力電圧側の測定器の入力インピーダンスが無限大なら利得の大きさは    G = 1/√{ ( 2 - L*C*ω^2 )^2 + ω^2*( C*R + L/R )^2 } --- (1) となります。R が入力に直列に、出力に並列に入っているので、DC利得は1/2です。したがってDC利得から3dB低下した利得は 1/( 2*√2 ) なので、カットオフ角周波数ωcは以下の方程式の解になります。    ( 2 - L*C*ω^2 )^2 + ω^2*( C*R + L/R )^2 = 8 これはω^2に関する2次方程式ですがら簡単に解けます。式(2)の解のうち実数となる(ω^2>0 ) ほうが解で、カットオフ周波数を fc [Hz] とすれば    fc = ω/(2*π) となります。L = 20mH、C = 60pF、R = 600Ωで計算すると、fc = 9560Hz となるはずです。 今の場合、C が非常に小さいので、式(1)の分母の L*C と C*R の項は無視できて    G = 1/√{ 4 + ( ω*L/R )^2 } と近似できます。このカットオフ周波数は    fc = ( 2*R/L )/( 2*π ) で、この式を使ってL = 20mH、R = 600Ωで計算すると、fc = 9549Hz と、上とほとんど同じ結果になります。つまりカットオフ周波数に関してはCの影響はほとんど受けません。

noname#66037
質問者

お礼

カットオフ周波数の算出方法が間違っていました。 いろいろと勘違いしていたようでお恥ずかしいです…。 それと,もう一度素子値の確認もしてみます。 とても勉強になりました。 丁寧な解答をありがとうございました!

その他の回答 (1)

  • inara1
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回答No.1

低域通過フィルタは受動素子(LCR)だけを使ったものですか、それともトランジスタやOPアンプなど能動素子を組み合わせたものですか? 後者の場合、能動素子の高域での特性変化が原因だと思いますが、回路構成(多重帰還型など)によって誤差の大きさが違うので、以下の追加情報があれば正確にお答えできると思います。   ・フィルタの構成(素子の値も)   ・実験値はどれくらい違うのか(カットオフ周波数、高域での減衰率など)    

noname#66037
質問者

補足

・フィルタの構成  受動素子のみを用いたものです。  素子値は,R=600[Ω],L=20[mH],C=60[pF]  抵抗は入力端に直列,出力端に並列につないでいます。 ・カットオフ周波数6[kHz],高域での減衰は40[dB/dec]ぐらいです。  理論値とは50[kHz]で3[dB]位ずれ,  高周波になるにつれ,理論値より高い減衰を示していきます。

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