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放射能って何ですか?

stomachmanの回答

  • stomachman
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回答No.5

追記です。 ●放射性同位元素は、その種類によって、α崩壊、あるいはβ崩壊をします。 アルファ(α)線を出して崩壊すると、陽子が2個減るわけで、別の元素の原子核に変わるんです。これをα崩壊という。 中性子が電子つまりベータ(β-)線を出して陽子に変化する(β-崩壊)と、陽子が1個増える。また陽子が陽電子つまりβ+線を出して中性子に変化(β+崩壊)すると、陽子が1個減る。やはり別の元素の原子核に変わるんです。これらをβ崩壊という。β崩壊の時にはニュートリノも出ます。よく勘違いする人がいるんですが、β崩壊で出る電子は、原子核の周りを飛んでいた電子ではない。原子核の中から発生してくるんです。(もともと原子核には電子はありません。) ガンマ線は、α崩壊あるいはβ崩壊に伴って放射されます。余ったエネルギーを放出するという意味を持っています。 崩壊の結果できた原子核が、また放射性同位元素である、ということが多いです。 ●人工的に放射性同位元素を作るには、電子を加速器(サイクロトロンやシンクロトロン)で加速して物質にぶつけ、強制的に原子核をぶちこわして生成させます。陽電子を出す放射性同位元素は天然にはなく、皆人工的に作られるものです。 ●放射性同位元素がどれぐらいの時間で崩壊するか、はその種類によって決まっています。 或る放射性同位元素の多数の原子のうち、その半分が崩壊するまでの時間を「半減期」と言います。放射性同位元素によって、半減期は秒単位以下のものから、何万年以上というのまで、いろいろです。 ●DNAが壊れたときの自動修復は、自動修復を行うメカニズムを細胞が備えているんです。 DNAは放射線だけによって壊れる訳じゃありません。発ガン物質を食べたとか、ただ偶然水の分子がDNAに激突しただとか、いろんな原因で壊れることがある。そのときに、自動的に補修をする酵素(タンパク質)があるんです。ところが、放射線を大量に浴びると、DNAがずたずたになってしまう。すると修復が追いつきません。間違った修復をしてしまうと、癌(細胞が際限なく増殖する)になったり、細胞が活動できなくなって死んだり(放射性ネクローシス)、細胞が自殺したり(アポトーシス)、といった事が起こるのです。 ●微量の放射線は身体によい? 僅かな量の放射線を浴びる方が、どうも長生きするようだ、病気にならないようだ、ということが言われています。まだ確立した結論ではないと思いますが、自動修復メカニズムをいつも適当な程度働かせて置いた方が、変な物質が入ってきたときにスムーズに処理できる、という説明は成り立ちそうに思えます。 ●自然放射線は地熱の熱源です。 地球の中には放射性同位元素が含まれている。これらが放射線を出し、放射線が当たった物質を暖めることによって、地熱が発生します。もしこのメカニズムがなければ、数千年で地球は冷え切ってしまっている筈です。温泉に入れるのは放射線のおかげなんですね。 ●チェルノブイリ原発事故がまき散らした放射性物質は、それ以前、多くの大気中核実験(とくにアメリカとソ連が数多く行った)で発生した放射性物質(「死の灰」と呼ばれています)に比べるとむしろ少ないのです。でも、植物や農作物などがもろに放射性物質をかぶり、これを食べた動物がさらに放射性物質をため込んで濃縮してしまった、という点が問題なのです。広島・長崎では(爆発の規模としては小さいんですが)多くの人間が直接、強烈な放射線を浴びた。(放射線の他に熱戦=強い光や赤外線を浴びて焼死した方も多い。)これが一番の問題であることは言うまでもありません。 ●品種改良作物がやばいのは、放射線を使ったからではなくて、やばい毒性を持っていたりするからです。だから、たとえ自然に発生した突然変異種であっても、やっぱりちゃんと調べないとやばい。誤解無きよう。 ●放射線がらみでは、(波動がらみ、磁気がらみ、水がらみと同様)トンでも系の論説や、インチキ商品が多いですから、気を付けましょう。 ●分からない点、特に興味のある点など、補足で質問してください。でも手許に資料がないので、数値的なことは回答が遅くなるかも。

tothy
質問者

補足

こんなにたくさん、詳しく説明していただいて本当にありがとうございます。 僕の今までの所の理解だと、放射線は、電磁波や電子などが高いエネルギーを持って放射されたもので、それが人体に当たると、遺伝子などを破壊するので体に悪いということなんですが、間違いないでしょうか? そして、チェルノブイリの原発事故や核実験などで問題なのは、放射能を帯びた物質(どういうものなのかはよくわからないのですが)があたり一面に散布されたために、それらがその後も放射線を放射しつづけるために、また、放射能を帯びた植物を食べたり、それらを食べた動物を食べたりしていくと放射性物質がどんどん濃縮されて体に溜まり危険であるとのことですよね?間違いがあったら教えてください。 とすると、そのような事故や実験があった場所から、放射性物質が消えてなくなることというのはあるのでしょうか?放射性物質が完全に放射線を出し終えればそれでおしまいのような気もするのですが、いっぺんには全部出ないんですか? また、以前本で読んだのですが、アメリカで最初に原発実験をやった時に、それに関わった人たちが数キロ離れた所から観察していたようなことが書かれていたのですが、その人たちはやっぱりそれなりの影響を受けたのでしょうか?推測でかまわないので、もしわかれば教えてください。

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