• ベストアンサー

お気に入りの俳句、短歌を教えてください。

zephyrusの回答

  • zephyrus
  • ベストアンサー率41% (181/433)
回答No.13

あまり詳しくないです。それでも困ってしまうくらい沢山あります♪ 新聞各紙でも歌壇俳壇はどこも盛況で、 われわれと同じ読者の(しかも相当にすぐれたと思われる)歌が毎週掲載されています。 短歌も俳句も日本文化の中央に咲く、春の桜、秋のコスモスなんでしょう♪ さて、藤原定家より才能のあふれた歌人はあまたいたでしょうが、 ・春の夜の夢の浮橋とだえして嶺に別るる横雲の空 ・見わたせば花ももみぢも無かりけり浦の苫屋の秋の夕暮(三夕歌の一つ) には心惹かれます。前者の余韻嫋々とした幽玄の美(源氏の物語世界までひきあいに出されてます)、 後者の心情の荒廃の美(歌うことができない状態を歌う、と解釈して)。 現代でも素直に共感できる歌としては、 ・宿りして春の山辺にねたる夜は夢の内にも花ぞちりける :紀貫之(きのつらゆき) ・月やあらぬ春やむかしの春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして :在原業平(ありわらのなりひら) 前者、桜の散るさまは実際に見るより想像の中で散るほうがより美しい。しかも漆黒の闇を背景にして。 後者、まるで月光に照らされた荒れはてた屋敷が目の前に現れてくるよう。落魄。移ろいゆく時の流れ。 さて、同じ歌の調べでも、女性の手にかかると抒情はいっそう精緻になるようです。 ・あかねさす紫野行き、標野(しめの)行き、野守は見ずや。君が袖振る :額田王(ぬかだのおおきみ) ・蜑(あま)のすむ浦こぐ船の梶をなみ世をうみわたるわれぞ悲しき :小野小町(おののこまち) ・もの思へばさはの蛍もわが身よりあくがれ出づる玉かとぞ見る :和泉式部(いずみしきぶ) ・玉の緒よたえなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする :式子内親王(しきしないしんのう) いずれも人口に膾炙した名歌でしょう。 ここでいきなり八百年はしょって(笑)たとえば与謝野晶子という巨星をも飛ばし、 現代の女性たちはどんな歌をうたっているのか、最近とても気になっています。 私自身まだまだとっかかりで、ほとんど読んでいないに等しいのに、 たまたま目についたところをあえて図々しく掲げてみました。ご笑覧を。 ・噴水は疾風にたふれ噴きゐたり 凛々(りり)たりきらめける冬の浪費よ :葛原妙子(くずはらたえこ) ・赫奕(かくえき)と何の未練ぞ王冠のひとつ掲げて野の曼珠沙華 :安永蕗子(やすながふきこ) ・くちびるに水のことばはあふれつつ吟遊なべて喝食(かっしき)の秋 :山中智恵子(やまなかちえこ) ・白梅(はくばい)は貧の匂ひす師範学校寄宿舎に降るはるのあはゆき :黒木三千代(くろきみちよ) ・ブラウスの中まで明るき初夏の陽にけぶれるごときわが乳房あり :河野裕子(かわのゆうこ) ・魚食めば魚の墓なるひとの身か手向くるごとくくちづけにけり :水原紫苑(みずはらしおん) いずれも、定型のリズムに乗って、ふと口をついて出てくる、きりりとした確かさ。 これら個性あふれる"おんなうた"の数々。そしてこれがまだホンの一部であることの贅沢さ。 というわけで、俳句のほうまで手が廻りませんでした(難しすぎて私にはよくわからない、が本心です)。

gruyere
質問者

お礼

四番目は僅差で・・ ・月やあらぬ春やむかしの春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして  これは自分の境遇を嘆く歌なのでしょうか・・でもよく考えてみると私はいつも逆のことを感じている気がします。いくら自分は変化して行っても、月や春はいつも昔のままでいてくれると・・・。うれしい時も悲しい時も・・・。 なにかちょっと矛盾してますが・・・でもこの短歌はとても好きです。 そして五番目は ・見わたせば花ももみぢも無かりけり浦の苫屋の秋の夕暮 これはもしかしたら一番インパクトのある歌なのかもしれません。はっきりとその情景が浮かびます。移ろいゆくもの、落魄、そんな悲しい情景にももののあはれをとして美を感じられるというところが日本人の感性のよさなのかなと思います。 ・・と勝手に好きな順番をつけてしまいました。すみません。 (本当は ・あかねさす紫野行き、標野(しめの)行き、野守は見ずや。君が袖振る ・玉の緒よたえなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする も同じぐらい好きなのですが・・・コメントが「この気持ちわかります~。」だけになりそうなので。) でもまた月日がたつと好きな歌の順番も変わるのかも知れません。 文字数のためあまり書けませんが現代の歌も感性が鋭くていいですね。 ・赫奕(かくえき)と何の未練ぞ王冠のひとつ掲げて野の曼珠沙華 が、今は特に気になりました。 俳句や与謝野晶子さんの世界(←こちら特に)もぜひぜひ語っていただきたいのですが、やはりこのひとつの質問では無理なようで・・・。 少しお聞きしただけで、こんなにたくさんの歌があふれ出てくるのが素敵です。 ・・・長くなりましたが、私は秋の夜長を和歌三昧でた~っぷりと楽しませていただきました。どうもありがとうございました。m(__)m

gruyere
質問者

補足

zephyrusさん、ご回答どうもありがとうございます。 お書きになっていただいた色とりどりの素敵な和歌の花々を読みながら、もう余計なことは書かずに黙って受け取らせて頂いた方がいいのではないかとも思いましたが・・・ いちおし?は藤原定家ですね。 ・春の夜の夢の浮橋とだえして嶺に別るる横雲の空 なんとなく直感的にですが、やはり私もくださった歌の中でこの歌が一番印象に残ります。はっきりとした捉え方はわからないのですが、恋人と夢のような(または夢の中の)時を過ごし、その夢のようなひとときが終わる瞬間にふと見上げれば、嶺に分かれる横雲がまるで別れていく自分達の姿のように見える・・・ということなのかな・・・と思いました。水彩画と水墨画が合わさったようなイメージ・・そして「浮橋」「横雲」という言葉の美しさ、余韻に他の歌にはない幽玄の世界が感じられます。 次に私が気に入ったのは・・ ・宿りして春の山辺にねたる夜は夢の内にも花ぞちりける これは昼間に見た桜が暗黒の夜の夢の中でさらに美しく散っている・・ということで、やはり桜という花は夢や想像の中でさらにその魅力が膨らむ花なのでしょうか・・。私も今年観た桜は美しかったなぁとか、あの時観た桜の散り方は美しかったなぁなどと思い出すことがよくありますが、やはり思い出の世界の中でその美しさが倍加されているような気がします。 三番目に好きなのは・・ ・もの思へばさはの蛍もわが身よりあくがれ出づる玉かとぞ見る これは蛍を自分の中から出てきた魂のように感じるというところがとても共感出来ます。(・・といってもこのような表現は自分では思いつくことは出来ないのですが・・) 物を思ふ時、または人を思う時、自分の中に何か蛍のような生き物がいるのではないかと感じることがが私にもあります。 (↓下へ続きます↓)

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