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議院内閣制と三権分立について

aminouchiの回答

  • aminouchi
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回答No.5

#1のh13124さんの説明がかなり妥当であるとおもうのですが、ある程度三権についての歴史の話を大雑把にしてから、ご質問に答えたいと思います。 昔はほとんどの国に王様がいたことはご存知だと思います。その王がどのように権力を握ったかについては今は不問としますが、王が支配権を持ちその臣下・人民たちを支配する権力を統治権と呼びます。しかし、王様は統治権を持つと言っても支配されている側の同意がなければ、すぐにその座から追われてしまいます。で、この時に議会(基本的にヨーロッパで起こった制度)を通して人民たちの同意を受けるわけです。(あ、基本的に政治とは税の徴収とその分配の仕組みだと私は考えています。)ここで王の持っていた立法権は、次第に議会の同意を得なければ通用しないようになり、後には議会が立法権を持つようになります。 さて、統治権を持つ王は自分で政治を行ってもよい訳ですが、自分の家来の中から適当なものを大臣に任命して自分の代わりをさせても良いわけです。ただ、注意しないといけないのは代理の方が権力を持って自分が王位から追われることもあるということですが、そうして任命した大臣たちのまとめ役が総理大臣(首相)であり、その集団を内閣といいます。 ここまで、くだくだと述べて来たのは、三権のうちの内閣(行政)と議会(立法)の成立の由来の違いを知ってもらうためです。裁判権についても、もとは王が持っていましたが、これも専門家にまかせるようになり、公平性という見地から裁判所は独立していきます。 さて、内閣はもともとは王の任命したものでしたから議会とは何の関係もありません。しかし、イギリスにおいて議会の中から首相を選ぶということが始まり、この方が政治がスムーズにいくということが判りました。これが議院内閣制の始まりです。 現代世界では日本やイギリスのように、王(天皇)が形式的にせよいる国とアメリカやフランスのように世襲の王がいない共和制の国とがあります。が、後者では実は選挙によって行政を行う王を選んでいます。それがつまり大統領です。共和制国家では王(大統領)も議会も選挙で選ばれ、それぞれの役割を果たしますから互いに抑制し合う関係であることは分かり易いですが、前者の君主制国家ではその成り立ちの中で、内閣を議会の中から選びます。現代では首相は多数党の指導者が就任することが多いわけですが、これは議会の協力を得やすくし、行政をスムーズに行うという意味があることはお判りであると思います。 結局、本来は王の代理として議会と対立関係にあったはずの首相や内閣が現在では議会の中から選ばれることになり、「国会の支配の下」にあることになります。ただ、内閣は旧来は王の持っていた議会解散権を継承しており、自分の執政方針が議会と対立したときに、これを使って主権者たる国民の意思を直接に問うことができます。 長々と書いてきましたが、政治制度が現在あるような形になるにはそれなりの過程があったわけで、その理解無くして、現にある形の意味を問い、答えるというのでは充分な答えにはならないと思います。また、三権につきましても果たして三権に何と何とを考えるか、また三権で充分であるかなどの問題は残っております。さらに言えば「民主主義」が最善の制度であるかどうかにさえ疑問を差し挟むことができます。今あるものは完成されたものではなく、さらに良い制度があるならばそちらに向けて変革していかなければならないと私は思っております。 最後になりますが、一つの参考書として 長谷川三千子「民主主義とは何なのか」文春新書 をあげておきす。

sinjiro
質問者

お礼

長谷川さんの本を読みました。 最初は 平易な文章で読みやすいと思ったのですが、途中 歴史になりかなり速度が遅くなりました。 アメリカの独立憲法の矛盾点(創造主が出てくるくだり)については なるほどなぁと思いました。 民主主義がベストな政治手法であるか という 疑問の以前に 民主主義はなんなのか?を考えていない人が(私を含めて)ほとんどだと思います。 「人が人を治める」「みんな平等」には 自己矛盾をはらんでいて当然かなとも思います。(あまりよくわかってないんですけど)

sinjiro
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。 えっ 更に苦手な「歴史」も読まねばならないのですね・・・。 なんとなくチョー概要がわかったので 読んでみます。(でも すぐにめげちゃうカモ~) 「基本的に政治とは税の徴収とその分配の仕組みだと私は考えています」には 目からうろこです。すばらしいです。 本も紹介もありがとうございます。探してみます。 ========== 「歴史」はわかんない。「政治」はわかんない。とか 言ってられないんですよね。なんでも 関わって「自分」がいるのだから・・。「学校の授業」「学問」みたいに捉えるんじゃなくて たとえば 「星をみて なんとなく宇宙物理学」みたいな感じで歴史や政治も知らんと。これを学生の時に気づいていたら 人生変わっていたと思います。o O ○

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