• ベストアンサー

ピタゴラス数の生成とは?

ピタゴラス数とは  x^2+y^2=z^2 を満たす自然数(もしくは整数)x、y、zの組のことです。 そのピタゴラス数を(3,4,5)から出発して、次々と生成していく方法があるようです。 http://hamada.ddo.jp/home/math/pythagoras.aspxhttp://www.hokuriku.ne.jp/fukiyo/math.html を参考にしてください。 しかし、そこでは証明は述べられていませんし、単なる推測として書かれているだけです。 ピタゴラス数の生成について、もっと正確に主張できることはあるのでしょうか? 証明の概略や、証明が書いてあるweb siteがあれば教えていただけないでしょうか? また、 x^2+y^2=z^2 はxyz空間の曲面とみなすことが出来ます。 その幾何学的な観点では、ピタゴラス数の生成はどういった意味を持つのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • adinat
  • ベストアンサー率64% (269/414)
回答No.3

♯2です。追加情報です。 先の回答では、ピタゴラス数が(m,n)という自然数の組によって、(m^2-n^2,2mn,m^2+n^2)で表されるということをそのまま利用して証明しました。以下では、これを直接は用いない証明を紹介したいと思います。 先の回答であげた三つの連立漸化式を逆に解くと、一つ目は a[n]=a[n+1]+2b[n+1]-2c[n+1] b[n]=-2a[n+1]-b[n+1]+2c[n+1] c[n]=-2a[n+1]-2b[n+1]+3c[n+1] となります。また二つ目は a'[n]=a'[n+1]+2b'[n+1]-2c'[n+1] b'[n]=2a'[n+1]+b'[n+1]-2c'[n+1] c'[n]=-2a'[n+1]-2b'[n+1]+3c'[n+1] となります。さらに三つ目は a''[n]=-a''[n+1]-2b''[n+1]+2c''[n+1] b''[n]=2a''[n+1]+b''[n+1]-2c''[n+1] c''[n]=-2a''[n+1]-2b''[n+1]+3c''[n+1] です。一つ目の漸化式を使うのは、a[n+1]/b[n+1]>4/3のとき、二つ目の漸化式を使うのは4/3>a[n+1]/b[n+1]>3/4のとき、三つ目はa[n+1]/b[n+1]<3/4のときです。こうすれば、a[n],b[n],c[n]はすべて正の整数になります。またc[n]≦c[n+1]が数学的帰納法より分かります。実は絶対値をつけることによって、上の三つの漸化式はすべて一つにまとめることができます。また添え字が下がっていく漸化式は少し分かりにくいので、nとn+1を入れ替えてしまいましょう。そうすると、 a[n+1]=|a[n]+2b[n]-2c[n]| b[n+1]=|-2a[n]-b[n]+2c[n]| c[n+1]=-2a[n]-2b[n]+3c[n] となります。上で述べたことをすべてまとめると、この漸化式はピタゴラス数a^2+b^2=c^2が与えられたとき、a[1]=a、b[1]=b、c[1]=cとおくと、いつかは(つまり十分大きなnを取ると)a[n]=3、b[n]=4、c[n]=5となるのだ、ということを主張しているわけです。これはピタゴラス数の祖先と呼ばれるものです。 長い議論をたどってきましたが、これを極限まですっきりさせたのが、92年の京大理系前期(6番)の入試問題です。参考URLから見られますので、挑戦してみてください。これがピタゴラス数の生成とどう関係しているかについては、この投稿と一つ前の投稿を参考にしてくだされば、だいたいのところは理解できるのではないかと思います。なお最後の問いの答えはa_m:b_m:c_m=3:4:5となります。一番最初に与えられたa^2+b^2=c^2のa,b,cが互いに素なとき(つまり原始ピタゴラス数のとき)は、必ず最後はa_m=3、b_m=4、c_m=5になります。このことは入試問題では触れていませんが、a_m,b_m,c_mが互いに素であれば、a_{m+1},b_{m+1},c_{m+1}も互いに素になるので、数学的帰納法を使えば証明が出来ます。

参考URL:
http://hw001.gate01.com/akiyoshi/archives.html

その他の回答 (2)

  • adinat
  • ベストアンサー率64% (269/414)
回答No.2

これはピタゴラス数についてのもっと基本的な関係を使えば、簡単な応用問題です。 (m,n)をm>nであり、かつm,nは互いに素な自然数、またどちらか一方は偶数であるとします。このとき(m,n)≠(2,1)とすると、次のうちいずれかひとつだけが成り立ちます。 (i) m-2n > n ( つまり m > 3n ) (ii) 0 < m-2n < n ( つまり 2n < m < 3n ) (iii) m-2n < 0 ( つまり n < m < 2n ) 互いに素という条件から、m = 2n や m = 3n となったりはしないからです。そこで与えられた(m,n)≠(2,1)に対して、(i)の場合は(m',n')=(m-2n,n)、(ii)の場合は(m',n')=(n,m-2n)、(iii)の場合は(m',n')=(n,-(m-2n))とおいてやります。新しい(m',n')は必ず2≦m'<mを満たし、なおかつm',n'が互いに素で、m'>n'≧1を満たし、m',n'のうちどちらかが偶数であることは容易にわかります。したがってこの操作を繰り返していけば、かならずいつかは(2,1)にたどり着くわけですね。 さて、あなたがあげられているwebページで提示されているピタゴラス数の生成は、行列を漸化式表示すれば、いちばん左の列ベクトルの成分を順にa[n],b[n],c[n]とおけば、 a[n+1]=a[n]-2b[n]+2c[n] b[n+1]=2a[n]-b[n]+2c[n] c[n+1]=2a[n]-2b[n]+3c[n] なる連立漸化式を満たすことがわかります。同様に中央の列ベクトルは a'[n+1]=-a'[n]+2b'[n]+2c'[n] b'[n+1]=-2a'[n]+b'[n]+2c'[n] c'[n+1]=-2a'[n]+2b'[n]+3c'[n] を、さらにいちばん右の列ベクトルは a''[n+1]=a''[n]+2b''[n]+2c''[n] b''[n+1]=2a''[n]+b''[n]+2c''[n] c''[n+1]=2a''[n]+2b''[n]+3c''[n] を満たします。ここでa[n]=m^2-n^2、b[n]=2mn、c[n]=m^2+n^2とおくのです(理由は後述します)。紛らわしくて申し訳ないですが、[ ]の外にあるnは添え字のnではなく、固定した定数だと思ってください。すると、 a[n+1]=(2m-n)^2-m^2、b[n+1]=2(2m-n)n、c[n+1]=(2m-n)^2+m^2 となります。同様にa'[n]=m^2-n^2、b'[n]=2mn、c'[n]=m^2+n^2とおけば、 a'[n+1]=(m+2n)^2-n^2、b'[n+1]=2(m+2n)n、c'[n+1]=(m+2n)^2+n^2 さらに、a''[n]=m^2-n^2、b''[n]=2mn、c''[n]=m^2+n^2とおけば、 a''[n+1]=(2m+n)^2-m^2、b''[n+1]=2(2m+n)n、c''[n+1]=(2m+n)^2+m^2 です。したがって、左の列から順に、 (m,n)→(2m-n,m)、(m,n)→(m+2n,n)、(m,n)→(2m+n,m) という対応を与えていることに気づきます。 ここで最初の考察に戻ります。(m,n)に対して、(m',n')を求める手順です。よくよくみてみると、(m',n')から(m,n)を復元するのは、対応 (m',n')→(2m'-n',m')、(m',n')→(m'+2n',n')、(m',n')→(2m'+n',m') のうちのいずれか一つということに気づきます。以上のことより、行列を次々とかけてできていく三つの数の組は、実は(m,n)という自然数の組m>nで、互いに素でどちらかは偶数であるものに対応しているということが分かります。しかも重複することはないのです。 そしてそのような(m,n)が与えられたとき、3数:m^2-n^2、2mn、m^2+n^2が原始ピタゴラス数になります。つまり互いに素なピタゴラス数になります。(m,n)=(2,1)のときが、ちょうど3,4,5というピタゴラス数です。また原始ピタゴラス数に対して、必ず(m,n)という自然数の組が存在することは、大変有名な事実です。参考URLをあげておきます。少し程度の高い高校数学で十分証明可能です。これですべての原始ピタゴラス数が3,4,5を出発して、行列を次々とかけていってすべて生成されることが示されました。

参考URL:
http://mathmuse.sci.ibaraki.ac.jp/naosuke/proof1.html
katadanaoki
質問者

お礼

adinatさま。ご丁寧ですばやいご回答に感謝いたします。ピタゴラス数には、 http://mathworld.wolfram.com/PythagoreanTriple.html にもあるように様々な性質があるようですね。 原始ピタゴラス数は、自然数 m, n (m > n) に対して (m^2-n^2、2mn、m^2+n^2) で与えられますが、それは組の2つ目が偶数、3つ目が最大の数(斜辺)といった区別が付けられています。 幾何学的には、x^2+y^2-z^2=0を2次曲面とみると、その整数点が興味ある対象ですが、代数的には、「自然数、原始、最大の数、偶数」などと区別を付けていきながら解かれているのですね。 そして、原始ピタゴラス数が3,4,5を出発して、3種類の行列を次々とかけていくことですべてが生成されることが分かりましたが、3種類に分かれながら生成されることが不思議です。でも、それはadinatさまのおっしゃる(m,n)を(2,1)に帰着する方法と関係しているのですね。でもまだ、そのときの3通りの場合分けが不思議。 adinat様のご回答には十分満足しております。 僕自身の課題としては、2次曲面の整数点の観点から、係数を変えたときや変数を増やしたときも含めて考えると、その生成の考えはどうなるのだろう、3種類の変換でなく1種類の変換で考えることができないだろうか、と思っています。

  • elttac
  • ベストアンサー率70% (592/839)
回答No.1

 おそらく,おっしゃっている式の証明は,参考 URL の PDF の途中に書かれているものであると思います。  わたしも先日,このピタゴラス数の生成公式を見て,興味を持ったところでした。  ご参照ください。

参考URL:
http://sphinx.math.nara-wu.ac.jp/~ueda/sotukenn/sotsuron.2000.akai.pdf

関連するQ&A

  • ピタゴラス数について。

    x^2+y^2=z^2の式を満たす自然数x,y,zをピタゴラス数と呼びますが、x,y,zがすべて素数になる組み合わせはありますか?つまりピタゴラス素数はありますか? もしあるのなら、その組み合わせを教えてください。また無いのならば、なぜピタゴラス素数なるものは存在しないのか、証明していただけるとありがたいです。 ありがとうございます。

  • エクセルでピタゴラスの組をつくる。

    ピタゴラス(x^2+y^2=z^2)で、 表を  |0|1|2 |3 |・・・・ _______________________ 1|1|2 |5 |10|・・・・・・ 2|4|5 |8 |13|・・・・・・ 3|9|10|13|20|・・・・・・ . | . | . | と作ったとき、(x^2+y^2=z^2)を満たす自然数の くみを簡単に探す方法はありますか? 平方して自然数だけを探すのはx,yを大きくしたとき 目で見つけるのは困難ですので。

  • にゃんこ先生の自作問題、不定方程式で解を生成、ペル方程式ピタゴラス数東大入試

    にゃんこ先生といいます。次のようにゃ問題が知られています。 ペル方程式 x^2-ny^2=1 (ただし、nは平方数ではない) の整数解は、一つの解を見つければ、そっからすべての解が生成される。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%AB%E6%96%B9%E7%A8%8B%E5%BC%8F ピタゴラス数 a^2+b^2=c^2 の自然数解(ただし、gcd(a,b,c)=1)は、(a,b,c)=(3,4,5)からすべての解が生成される。 http://mathworld.wolfram.com/PythagoreanTriple.html 2006東大入試問題 x^2+y^2+z^2=xyz(ただし、x≦y≦z) の自然数解。 http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/sokuho/sokuho06/tokyo/zenki/sugaku_ri/mon4.html と http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/sokuho/sokuho06/tokyo/zenki/sugaku_ri/kai4.html 入試には解は無数あることを証明させていますが、実際にはすべての解を求めることが出来ます。 その方針は、 (1)y≦3となるものは、(x,y,z)=(3,3,3),(3,3,6) (2)(a,b,c)が解のとき、(b,c,bc-a)も解でc<bc-a (3)逆に、(a,b,c)が解のとき、(ab-c,a,b)も解。 このとき、b≧aとなるが、b=aのときは、(x,y,z)=(3,3,3),(3,3,6)のときのみ。 b>aのときは、繰り返すことでそれらに帰着される。 つまりは、(x,y,z)=(3,3,3)を出発して、 (a,b,c) → (b,c,bc-a) を考えることで、すべての解が生成されます。 ペル方程式の生成理論は分かるのですが、ピタゴラス数や2006東大入試 において、解の生成する方法はどのように考えられたのでしょうか?

  • ピタゴラスの定理で負の値・・・?

    ピタゴラスの定理は幾何学などで使いますが、負の値を解とすることはありえますか?証明でx>0だから・・・と書きますが、そもそも解が負の値になりうる場合はあるのでしょうか?

  • そもそも、ピタゴラスの定理って定理なのでしょうか?

    そもそも、ピタゴラスの定理って定理なのでしょうか? いいかえると、真実なのでしょうか? これは、実は簡単にわかります。証明できません。 なぜなら、非ユークリッド幾何学という反例があるから。 だから、ピタゴラスの定理っていうのは、定理ではなくて、 普通のユークリッド幾何学を展開していく上での、仮定とか前提と考えたほうがいいと思います。 ではなぜ、世の中にたくさんある「ピタゴラスの定理の証明」なるものはなんなのでしょうか? それは、ユークリッド幾何学を特徴づけるピタゴラスの定理よりも、 よりも基本的な公理を仮定していなければなりません。 一般的には、第五公準(平行線は唯一唯一つ)ってのがそうだと思われます。 しかし、その前に、点とか直線とか、距離とか、角度とか、合同とか、たくさんの概念が定義されなくてははなりません。 ところで、数学基礎論では、まず、集合とその間の演算を公理的に定義し、また、自然数と和や積を定義します。 それによって、数論の基本的な結合法則、可換法則、分配法則といったものも、「証明できる」ものになります。 1+1=2というのも「証明できる」ものになります。 同じようにしていけば、ピタゴラスの定理って基礎論的に、公理的に、「証明できる」定理なのでしょうか? 実は、「幾何学基礎論」という本を軽く読んだり、いろいろ検索してみたのですが、ピタゴラスの定理は載ってませんでした。 もしかして、ピタゴラスの定理っていうのは、基礎論的にも、公理的にも、「証明されていない」ものなのでしょうか? ちなみに、sinθ, cosθを、無限級数の和として定義してやって、 それによってユークリッド幾何の回転を定義し、sin^2θ+cos^2θ=1となるので「証明できた」というのは、たぶん、万人は認めないと思います。

  • 場合の数

    xyz=2310、x≦y≦zを満たす自然数の組(x,y,z)は何組あるか。 この問題がわかりません。どなたか説明してください。お願いします。

  • x+2y+3z=xyz を満たす自然数の組をすべて求めよ。

    x+2y+3z=xyz を満たす自然数の組をすべて求めよ。 もし、x+y+z=xyz だったら、x<=y<=z とおいて、しぼりこんで いけると思うのであるが、この場合つかえないように思う。 両辺をxyzで割って、考えていますが、場合分けをどのように すればよいのか、アドバイスをお願いします。

  • フェルマーの定理の式でn=-1,-2のときは?

    x^n+y^n=z^nの自明でない整数解を求める問題があります。 n≧3のときには、存在しません。フェルマーが予想し、ワイルズが証明しました。 n=2のときには、ピタゴラス数といってたくさん解がありますが、たとえば、 d , m , n を任意の自然数として, x = d(m^2 - n^2),  y = 2dmn,  z = d(m^2 + n^2) といった解があります。 また、一つのピタゴラス数から次々に別のピタゴラス数を生成し、それで全部が尽くされる方法も知られています。 http://mathworld.wolfram.com/PythagoreanTriple.html n=1のときには、つまんない問題になります。 n=0のときには、存在しません。 n≦-3のとき、存在しないことは、すぐに考えれば分かると思います。 なので、問題なのは、n=-1,-2のときで、このとき解は無数に存在しますが、どう書き表せるのでしょうか? または、解を次々生成していく方法や、性質などはあるのでしょうか?

  • ピタゴラス数と整数論

    ピタゴラス数 x=m^2-n^2、y=2mn、r=m^2+n^2は もちろん必要十分と思いますが 必要条件がしりたいのです 要するに どうやってこの式が出てきたのか です 当方は整数論の知識は皆無です 整数論の知識なしでも理解できれば嬉しいのですが 整数論の知識が必要でも’’はしり’’だけでも教えてください 中学生の頃初めて知って、それ以来何度も出会いますが 証明は見た事がありません NETで調べたら深入りしそうで検索した事はありません x=(1-t^2)/(1+t^2), y=2t/(1+t^2)と酷似しているのが 魅力です よろしくお願いします

  • 相加相乗?

    正の実数XYZにおいてX+Y+Z=6 XYZ=8という連立方程式の解にX=Y=Z=2というのがあるのはわかるのですが、これが唯一の解だという証明は可能なのでしょうか? 自然数という限定があればまだできそうなきもするのですが。。