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微分の階数

stomachmanの回答

  • stomachman
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回答No.4

> 微分の階数って回転と何か関係があるのか? 大当たり!だと思います。 ●Diracのデルタ関数 ∫δ(x) F(x) dx = F(0) (積分はx=-∞~∞) は、畳み込み積(convolution) (f*g)(x) = ∫f(x-t) g(t) dt  (積分はt=-∞~∞) における単位元です。すなわち (f*δ)(x) =(δ*f)(x) = f(x) です。 δ関数のn階微分をδ~(n)と書くことにします。  n階微分を畳み込み積を用いて表すことができます。すなわちf(x)のn階導関数をf~(n)(x)と書くと、 f~(n)(x) = (f*δ~(n))(x)= (f*δ~(n))(x) である。要するにn階微分とは、δ関数のn階微分との畳み込み積を作ることです。これは部分積分の公式を使って示せます。 ●では非整数階の微分を考えてみると、「a階微分(a≧0)とは、δ~(a)との畳み込み積を作ること」と言いたくなりますが、δ~(a)ってのは正体不明です。 ●このままでは身動きとれないのですが、回答No.1でibm_111さんがFourier変換という方法をご指摘になっています。  ここでは超関数のFourier変換を g(y) =Fourier[x,y,f(x)] = ∫f(x) exp(-2πixy) dx (積分はx=-∞~∞) としましょう。 ○すると逆Fourier変換は f(x) = ∫g(y) exp(2πixy) dy (積分はy=-∞~∞) で表されます。つまり f(y) = Fourier[y,x,g(-y)] 或いは f(-x) = Fourier[y,x,Fourier[x,y,f(x)]] ということですね。  以下、Fourier変換して逆変換したら元に戻る、そういう関数・超関数だけを相手にして微分を考えることにしましょう。 ○畳み込み積はFourier変換で単なる掛け算に変換されます。すなわち Fourier[x,y,(f*g)(x)] = Fourier[x,y,f(x)] Fourier[x,y,g(x)] だから、f(x)のn階微分f~(n)(x)のFourier変換は Fourier[x,y,f~(n)(x)]=Fourier[x,y,f(x)] Fourier[x,y,δ~(n))(x)] となる。 ○Fourier変換をxの冪乗(いずれも超関数であることにご注意)に適用すると、以下の結果が得られます。 Fourier[x,y,x^n] = ((-2πi)^(-n))δ~(n)(y) (nは非負の整数) Fourier[x,y,(|x|^a)] = (2cos(π(a+1)/2))Γ(a+1)((2π|y|)^(-a-1)) (aは非整数の実数) Fourier[x,y,(|x|^a)sgn(x)] = (-2isin(π(a+1)/2))Γ(a+1)((2π|y|)^(-a-1)) sgn(y) (aは非整数の実数) ここに出てくるΓ(a+1)ってのはガンマ関数 Γ(a+1)=∫(x^(a+1))exp(-x) dx  (積分はx=0~∞) のことです。また符号関数sgn(x)は sgn(x) = if x<0 then -1, if x>0 then 1 となる奇関数(つまりsgn(-x) = -sgn(x))です。 ●さて、nを非負の整数とするとき、n階微分δ~(n)(x)のFourier変換は Fourier[x,y,δ~(n)(x)] = (2πiy)^n です。(これはFourier[x,y,x^n] = ((-2πi)^(-n))δ~(n)(y)の両辺をもう一度Fourier変換して、f(-x) = Fourier[y,x,Fourier[x,y,f(x)]]を用いれば分かります。) ●だったら、a階微分のFourier変換も Fourier[x,y,δ~(a)(x)] = (2πiy)^a と言いたいところです。でも右辺の「複素数の非整数冪乗」ってのがどういう意味なのか、はっきりしませんね。とにかくその意味を決めてみましょう。 (2πiy)^a =((2π)^a)(|y|^a)(cos(aπ/2)+isgn(y)sin(aπ/2)) これなら、正の実数の実数冪と、実数を引数とする三角関数および符号関数で表されていますから、曖昧さはありません。  指数の法則 ((2πiy)^a) ((2πiy)^b) = ((2πiy)^(a+b)) が成り立つことも確かめられます。この法則は「aを正の非整数、mを正の整数、a<mとするとき、f(x)のa階導関数の(m-a)階導関数は、f(x)のm階導関数に等しい」ということを保証してくれます。  勿論、aが整数nの場合には普通の冪乗(2πiy)^nと同じです。  そして、逆フーリエ変換も既に挙げた(|x|^a)と(|x|^a)sgn(x)のフーリエ変換を使って表せ、 Fourier[y,x,((-2πiy)^a)]= ((2π)^a)(cos(aπ/2)Fourier[(|y|^a)]-i((2π)^a)sin(aπ/2)Fourier[(|y|^a)sgn(y)] となりますから、超関数として意味が決まります。 ●以上まとめると、 「非整数a>0について、f(x)のa階導関数は Fourier[y,x, ((2π)^a)(|y|^a)(cos(aπ/2)+isgn(y)sin(aπ/2))Fourier[x,y,f(x)]] である。」 ということで取りあえず定義できそうな感じですね。 ●試しに f(x) = sin x についてa階導関数f~(a)(x)を計算してみましょう。 Fourier[x,y,sin x] = (δ(y-1/(2π))-δ(y+1/(2π)))/(2i) を使うと、 f~(a)(x)=Fourier[y,x, ((2π)^a)(|y|^a)(cos(aπ/2)+isgn(y)sin(aπ/2))Fourier[x,y,f(x)]] = ((2π)^a/(2i)) Fourier[y,x, (|y|^a)(cos(aπ/2)+isgn(y)sin(aπ/2))(δ(y-1/(2π))-δ(y+1/(2π)))] = ((2π)^a/(2i)) Fourier[y,x, (|y|^a)(cos(aπ/2)+isgn(y)sin(aπ/2))δ(y-1/(2π))] -((2π)^a/(2i)) Fourier[y,x, (|y|^a)(cos(aπ/2)+isgn(y)sin(aπ/2))δ(y+1/(2π))]  δ(y+b)はy=-b以外ではゼロであり、従って 関数h(y)との積は、hがy=-bで連続であれば h(y) δ(y+b) = h(-b) δ(y+b) です。ゆえに、 f~(a)(x) = ((2π)^a/(2i)) Fourier[y,x, (|1/(2π)|^a)(cos(aπ/2)+isgn(1/(2π))sin(aπ/2))δ(y-1/(2π))] -((2π)^a/(2i)) Fourier[y,x, (|1/(2π)|^a)(cos(aπ/2)+isgn(-1/(2π))sin(aπ/2))δ(y+1/(2π))] = (1/(2i))(cos(aπ/2)+isin(aπ/2)) Fourier[y,x, δ(y-1/(2π))] -(1/(2i))(cos(aπ/2)-isin(aπ/2)) Fourier[y,x, δ(y+1/(2π))] = (1/(2i))(exp(aπi/2)Fourier[y,x, δ(y-1/(2π))]-exp(-aπi/2) Fourier[y,x, δ(y+1/(2π))])  Fourier[y,x,f(y)]=g(x)のとき、Fourier[y,x,f(y+b)] = exp(2πibx)g(x) ですから、 Fourier[y,x, δ(y-1/(2π))] = exp(-ix) Fourier[y,x, δ(y+1/(2π))] = exp(ix) ゆえに、 f~(a)(x)= ((2π)^a/(2i))(|1/(2π)|^a)(exp(i(aπ/2-x))-exp(i(x-aπ/2))) = ((2π)^a/(2i))(|1/(2π)|^a)(2i)sin(aπ/2-x) = sin(aπ/2-x) = sin(x+(1-a/2)π) となります。 ○a=1/2なら f~(1/2)(x)= sin(x+3π/4) ですね。a=1だとめでたく f~(1)(x)= sin(x+π/2) =cos(x) となります。 ●同じ調子でa<0についても、つまり非整数階積分も考えられそうです。

nikorin
質問者

お礼

お礼が遅れてすみません。 たいへん詳しい回答ありがとうございました。 > n階微分とは、δ関数のn階微分との畳み込み積を作ること これは知りませんでした。これとフーリエ変換を組み合わせて拡張していくんですね。 f~(0)(x)=-sin(x)、f~(2)(x)=sin(x)になってしまうのが?..なので 細かく検討してみたいと思います。ウーム。

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