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人種の違い。進化の過程

starfloraの回答

  • starflora
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回答No.2

    手元に参考書物が見つかりませんので、以下の数字(特に年代)等については、不正確だと思いますが、大体のところ近いはずです。     現生人類は、ホモ・サピエンス homo sapiens と呼びます。これは、「ヒト homo 属」の「サピエンス sapiens 種」という意味で、これでヒトの「生物学的種名」です。「人種」という言葉が慣用的に用いられますが、白人・黒人・黄色人は、すべてホモ・サピエンスで、種としては同じです。種の下に、「亜種」という種よりも細かい分類がありますが、この場合も、現生人類は、「ホモ・サピエンス・サピエンス」と呼び、上の三つの「人種」は、すべてホモ・サピエンス・サピエンスに属します。      確かに、黒人・白人・黄色人で、みかけはかなり違った感じですが、生物学的に見れば、同じ種に属するいきもので、肌の色とか、目の色とか、顔の造作だとかは、地域的な違いにしか過ぎないとも言えます。三つの「人種」のあいだで、混血を繰り返して行けば、最終的には、区別が消えてしまうとも言えます。      人類は、アフリカ東部で進化しました。人類と近縁な化石人類種や、原人・猿人と呼ばれる、人類と共通の祖先生物から進化したと思われる生物も、アフリカ東部が生息地で、その地で、長い時をかけて進化して行き、色々な「広義のヒト近縁生物」に分化して行ったと考えられています。これらの「ヒト近縁生物」は、チンパンジーとか日本猿、オランウータン、ゴリラなどの「高等霊長目の生物」の祖先と、いまから、800万年前後に分化し(1千万年ぐらい前という可能性もあります)、それ以降は、別の系統の生物として、進化して来ました。(人と猿は、800万年ぐらい前に別の生物に分化したということです。800万年前には、いまのチンパンジーとか日本猿はまだいなかったはずで、その祖先生物と人類の祖先生物が、分化したという意味です)。      ヒトの先行祖先生物は、ずっとアフリカにいて、進化していたのですが、いまから50万年か40万年以前に(もう少し後かも知れません)、スエズ地峡を超えて、ユーラシア大陸に進出しました。これを、Out of Africa と呼んだと思います。「アフリカ脱出」というか、「アフリカから出て来た」ということです。(アフリカに残った原ヒト生物もいました)。実はこれは、第一次アウト・オヴ・アフリカと呼ばれていて、この時、まだかなり原始的であったヒトの種類の一種(あるいは複数種)が、アフリカからユーラシアに進出しました。      第一次アウト・オヴ・アフリカで、アフリカから出てきたのは、「ホモ・エレクトゥス」と総称される、ホモ・サピエンスとは、「種の異なる生物」です。無論、チンパンジーよりもずっと現生人類に生物的に近縁な種族です。このホモ・エレクトゥスは、化石として発見された時、それぞれ発見地域が異なり、別々の名前が付けられ、別の生物だと考えられました。ジャワで見つかったこの生物は、「ピテカントロプス・エレクトゥス」と名付けられました。「ピテカントロプス pitecanthropus」とは、猿を意味する「ピテクス」と、人を意味する「アントロプス」の合成語で、訳して「猿人」と言います。ジャワの生物は、「直立猿人」と日本語で訳されました。他方、中国で見つかったこの生物は、「シナントロプス・ペキネンシス」と名付けられました。これは「北京猿人」と訳されました。ヨーロッパで見つかったこの生物は、「ホモ・ハイデルベルゲンシス」で、「ハイデルベルク人」と呼ばれます。これらの生物は、また、その他の地域でも同じ生物の化石が見つかりましたが、現在では、同じ種の生物だとされていて、「ホモ・エレクトゥス」と呼ばれます。少なくとも、種は違いますが、属は、ホモ(ヒト)です。      一方、現在から十万年前ほどに(もう少し古いかも知れません。二十万年前か15万年前だったかも知れません)、アフリカから、再度、ヒトの種族の祖先生物がユーラシアに進出しました。これを、第二次アウト・オヴ・アフリカと呼んだと思います。最初に、というか、初期の頃に、「ホモ・ネアンデルターレンシス」つまり「ネアデルタール人」と呼ばれる生物が、アフリカから出てきて、ユーラシアに広がりました。この生物も各地で発見された化石ごとで、色々な名前が付けられましたが、総称的には、「ネアンデルタール人」と呼ばれます。同じ生物だと判断されるからです。      ネアンデルタール人よりも遅れて、別のヒト属の生物が、アフリカから出てきて、ユーラシアに広がりました。この生物は、ヨーロッパでは、「クロマニヨン人」と呼ばれていますが、化石人類ではあるのですが、現生人類と生物学的に同じ種だと考えられました。また、世界中にクロマニヨン人と同じ起源の同じ生物が広がりました。ネアンデルタール人も、それ以前のホモ・エレクトゥスも、ユーラシアには広がりましたが、アメリカ大陸には進出していません。しかし、クロマニヨン人と同じ生物が、ベーリング海峡が繋がっていた時期(それは、いまから2万年前ほどの、ごく最近です)、アメリカに渡り、千年ほどの時間で、アメリカ大陸の南端部まで到達しました。      現在、地球上には、ヒト属の生物は、現生人類ただ一種だけとなりました。ホモ・エレクトゥスは、子孫を残すことなく滅び、消え去り、ネアンデルタール人も消えました。クロマニヨン人及び、それと同じ種類の化石人類種は、現在では、「ホモ・サピエンス」だと考えられています。また、ネアデルタール人も、現在では、「ホモ・サピエンス」だと考えられています。ネアンデルタール人とクロマニヨン人のあいだで混血が可能であったらしいことが分かっており、ネアンデルタール人の遺伝子は、現在の人類のなかに残っている可能性が高いです。      クロマニヨン人類も含め、現生人類は、総称して「ホモ・サピエンス・サピエンス」と呼び、ネアンデルタール人は、「ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス」とも呼びます。      白人も黒人も黄色人も、ホモ・サピエンス・サピエンスであって、生物的には、地域的な環境変化で、肌の色が変化した程度のヴァリエーションで、本質的には「同じ生物種」です(「亜種」のレヴェルでも同じなのです)。      では、これらの三つ、あるいは四つ、五つ(アメリカ原住民は、肌が赤いので、赤色人という呼び方があり、また、メラネアシアやミクロネシアなど、南太平洋の島嶼に住む人たちは、アフリカの黒人とは異なる黒人なので、オーストラロネグロとも呼ばれます)の『人種』は、どのように分化したのだろうか、という疑問が出てきます。      最初「猿人」と呼ばれていた、第一次アウト・オヴ・アフリカでアフリカから出てきた、ホモ・エレクトゥスが発見されて、「猿人」の類が決められた当時、ジャワの猿人がオーストラロネグロに進化し、北京の猿人が黄色人、ハイデルベルク人が白人に進化し、アフリカに留まった猿人が黒人に進化したという説がありました。しかし、現在では、これは違っているということが分かっています。人類は、第二次アウト・オヴ・アフリカでアフリカから出てきた、あるいはアフリカに留まった、ホモ・サピエンスの子孫なのです。      黒人は、現世人類の種のオリジナル型(乃至、直系子孫)とも考えられ、ヨーロッパの当時氷河に覆われていた地域に進出した人類が、寒冷な環境に適合するため、白い肌、薄い色の目、高い鼻などになったのが、現在の白人の祖先で、熱帯のアフリカではない温帯のユーラシアに住んでいた人類が黄色人の祖先だとされます。(見変えの特徴の違いは、突然変異とまでは行きませんが、人類の遺伝子のなかの可能性のなかで、黒人や白人や黄色人の「特質」を持つ個体が生まれると、淘汰によって、次第に、環境に適合した外見の個体が優越するようになって、現在のような分化が起こったのでしょう)。      現在は、家屋とか、衣服とか、暖房とか、生活のための技術が行き渡っていますが、そういう技術がない、または素朴なレヴェルの場合は、黒人は、熱帯以外の地域では、環境にうまく適合できず、地域的淘汰されるはずです。白人は、熱帯に行けば、地域的淘汰されますし、黄色人は、熱帯では、淘汰される可能性があります。しかし、これは、熱帯・温帯・寒帯の自然環境に適合した人類の地域的ヴァリエーションで、どの『人種』が進化しているなどということは言えないはずです。      白人は知能が高く、より進化しており、黒人は知能が低く、進化が遅れているなどということを主張する人も、アメリカの「人種差別主義者」にいると聞きますが、実証的根拠はありません。白人も黒人も、知能は同じです。『人種』という日本語の言葉が、問題だとわたしなどは考えてしまいます。これは、英語では、生物的な「種」である、species ではなく、race と言います。英語では、生物上の「種」はスピーシーズ、「人種」は、レースと分けていますが、日本語の「人種」では、何か、生物的に別の存在のような印象を与えます。  

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