ミサイルが落ちた場合の被害

質問

北朝鮮がミサイル打ちましたが、ミサイルが落ちた場合、どれくらいの範囲で被害がでるんですか？

もちろん核弾頭なら広島全域になりましたが、いまの普通のミサイルの話だとどれくらいでしょうか？

東京が吹き飛んで穴になるくらいなのか、北海道が消滅して海に沈むくらいなのか、一軒家が壊れるくらいなのか、教えて欲しいです。

回答No.6

HAL2（@HALTWO）

北朝鮮から打ち出して日本列島に届かせるには大気圏外、最低でも高度 50km から 100km 以上の宇宙圏 (化学圏) まで上昇して、空気抵抗のない、ほぼ真空状態の高度で日本海を飛び越えてくる必要があります……大気圏内を飛行するのであれば莫大な燃料が必要になり、燃料消費を減らせば超音速を出せない巡航 Missile にするしかありません。

取り敢えず、現在、北朝鮮から打ち出して日本に届くものは IRBM と呼ばれる宇宙圏まで飛び出して、再び大気圏に再突入してくるものだけになります。

しかし、有人人工衛星の地球帰還記録 Video を観ると大気圏に再突入した有人人工衛星は数分間に渡って地上との交信ができなくなる Scene が出てきますよね。

その数分間、実は人工衛星の外板は大気との摩擦熱で真っ赤に溶け出しており、溶けて蒸散した Gas の膜で人口衛星本体が覆われる事によって数分間の灼熱地獄を耐えられるように設計されているのです。

この溶融蒸散耐熱構造の設計技術を北朝鮮は持っていませんので、大気圏に秒速数 km (Mach 10 以上) なんて速度で突入した Rocket はバラバに砕け散ってしまいます。
……Apollo 宇宙船の発射上昇記録 Video を You Tube で観る事ができますが、 1 段目、2 段目の切り離された Booster が大気圏で砕け散って燃え尽きる様子が映っている筈ですよ。

そのため、北朝鮮から日本に向けて撃たれた Missile は大気圏再突入の際に砕けてしまい、破片が海や地上に落ちてくる事になります。
「3 個に分解したようだ」なんて報道があったりしますが「分裂させた」のではなく「砕けて壊れた」んです(^^;)。

人工衛星のように数分かけて大気圏を通過してくるのではなく、ほんの数秒で大気圏を突き抜けてくる Missile ですので大気圏再突入の際の衝撃力は Concrete 壁に直撃するようなもので、これに耐え得る鋼鉄の塊ならば兎も角も、中身が空洞で爆薬を詰めているようなものでは一瞬で砕け散ります。

核弾頭は高空から落っことして地上に激突しても誤って核爆発を起こさないような構造にしていますので、落っことしただけでは核爆発を起こせず、必ず複雑な構造を持つ起爆装置で核爆発を起こさせる仕組みになっており、こんなものを弾頭に組み込むには弾頭部の溶融蒸散耐熱構造が不可欠なものになります。

……というわけで、短射程の地対地 Missile ならば兎も角も、現在北朝鮮が持っている日本に届く事が可能な IRBM は中身 (爆薬や核爆弾) を搭載できない単なる管ですので、砕け散った破片が降ってくるだけです(^^;)。

近年、人工衛星の破片が降ってきたという事件が相次いで起きていますが (幸い米国の広大な農地なんかの事ですが) 家に降ってきても屋根に穴が開くくらいですね……衝突速度は隕石よりも遅いですから、隕石が降ってくるよりも怖いものではありません。……今のところはですけれど(^^;)。