SU304溶接による磁化のメカニズムと消磁方法
- SU304溶接による磁化は、溶接部近傍でマルテンサイト変態が起こることやフェライト金属が付着することによって引き起こされます。
- 消磁する場合は、固溶化熱処理が有効です。
- 304ステンレスを溶接する限り、磁化を完全に避けることは難しいですが、消磁処理によって磁化を軽減することができます。
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SU304溶接による磁化
SUS304厚板(16mm)をD316L溶接棒を使用し、溶接していますが、溶接部近傍は磁化し磁石が引っ付きます。 これはマルテンサイト変態を起こしているのか、フェライト金属が付着するのか、磁化するメカニズムが分かりません。どなたか教えて下さい。 また消磁する場合は、固溶化熱処理で可能ですか。 最後に304ステンレスを溶接する限りは、磁化は避けられないのでしょうか。
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・溶接材料には高温割れ防止のためにデルタフェライトが数パーセント含まれています.このデルタフェライトが磁性の原因です.よって,デルタフェライトが含まないインコネル系の溶接材料を選択すると磁性は発生しません. ・マルテンサイト変態ですが,通常,冷間加工によって磁性が発生します.これは加工誘起マルテンサイトといわれます.曲げ加工したものや表面をハンマーリングした場合に母材であっても磁性が発生します. ・固溶化熱処理によって脱磁できるかは不明ですが,溶接金属中のデルタフェライト量が変化しないので,脱磁はできないとも考えられます.極端な対策としては,デルタフェライトがσ相に変化するまで熱処理をすれば,磁性は小さくなると思われます.(現実的なやり方ではありませんが...)
溶接部がマルテンサイト変態するので磁性を持つのでしょうか。 全てのステンレス溶接に当てはまりますか? につきましては材料専門ではないのでよくわかりませんが、溶接部を何度も金属顕微鏡で見ていますが針状組織が出てきます。 絞りとかプレスされたステンレスも熱処理前は見事に磁石につきます。顕微鏡で見てみますとマルテンサイトが出てきています。 マルテンサイト変態の関係と思います。 オーステナイト系のステンレスは溶接なり強化工をすると、大なり小なり同様で磁性を持つと思います。
ちょっと疑問があります。 私は304を溶接する場合は棒は304か304Lを 使用しています。 なぜ成分が違う棒を使用するのかが わかりません。 消磁には脱磁処理という方法もあります。 ただの参考です。
溶接部はマルテンサイトになっています。顕微鏡で見れば針状組織になっています。 固溶化熱処理すれば消磁するはずです。なお固溶化温度1050℃以上で板厚1mm当り3分以上キープしてください。板厚10mmですと30分以上です。(1時間くらいキープしたい)もちろん急冷です。
お礼
熱処理条件を参考にします。 溶接部がマルテンサイト変態するので磁性を持つのでしょうか。 全てのステンレス溶接に当てはまりますか?
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