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エアコンが空気を冷やす仕組みは?
starfloraの回答
参照URLは、冷蔵庫の冷却原理ですが、説明文にもあるように、クーラーも同じ原理です。また、参照ページでは、初期18世紀半ばには、「水」を冷媒とした製氷器(一種の冷蔵庫・冷凍装置です)があったとされます。 しかし、仰られるように、水だと常温で気化しないため、19世紀には、液化温度の低い(常温近く)のエーテルやアンモニアが冷媒として使用されたことになります。冷媒としてフロンが、20世紀初めには使用されています。 フロンは、実は色々種類があって、分類表を見ていると、何百も種類があるような感じにも思えます(実際は、実用されていたのはその一部で、オゾンの破壊効果が弱く、分解し易い、従来使われていなかったフロン類の気体を、「代替フロン」として使ったというのが、代替フロンの実態です)。 フロンが冷媒として何故好都合であったかというと、丁度、「燃えない油PCB」が重宝されたのとよく似た理由です。PCBは、その猛毒性が発見されるまで、「奇跡の滑潤油」として重宝されました。普通の植物性油にしても、鉱物性油にしても、潤滑油として理想的に思えても、困ったことに、何度も使っているうちに、化学変化を起こし劣化するという性質と、また、熱に弱く、熱変化を起こしたり、燃えてしまうという性質を持っていました。PCBが重宝されたのは、こういう欠点をカバーしたからです。 つまり、幾ら使ってもPCBは他の物質と化合せず、従って変質せず、しかも熱にも強く、熱をかけても物性があまり変わらず、「燃えない」ということが理想的な潤滑油の条件を満たしたのです。 フロンもよく似ていて、エーテルやアンモニアだと、何回も圧縮したり、急速に気化させたり、熱を加えたり、熱を奪ったりしていると、気体が劣化して行きます。劣化というのは、それらの冷媒を入れているパイプの材料などと化学変化を起こし、質が変化して来るのです。パイプや冷却室、圧縮室も劣化して行きます。 ところが、フロンは非常に安定した化合物で、幾度圧縮や冷却や気化や加熱を繰り返しても、他の物質と反応せず、パイプも劣化しないし、フロンも劣化しないのです。そこで、理想の冷媒だと考えられ、大いに利用されたのです。 しかし、PCBが、人体に激しい毒性を持つことが分かり、廃棄処分にしようとしたのですが、元々燃えない油なので、燃やすこともできず、反応しない油なので、何かと化合させて無害にして廃棄することも難しくで、処分に困ったのです。 フロンもこれと同じで、オゾンを破壊するので、使用しない方がよいとなったのですが、すでに使われているフロンは、これを吸収したり、これと化合させて処理し易くするような物質があまり見あたらないので、古い冷蔵庫などを壊すと、中のフロンを処理することができないので、そのままフロンは、大気中に放出されてしまうのです。 丈夫で、安定で不活性で、常温で簡単に液体になり、しかも、幾ら圧縮や膨張、加熱などを繰り返しても、フロンは劣化しないので、理想の冷媒だたのですが、そのことは逆に、フロンを処分することが、もの凄く難しいことにもなったのです。 余計なPCBの話までしましたが、水だと、パイプをどんなに錆びないものにしても、圧縮、膨張、加熱、冷却を繰り返すと、水自身が腐食性を持ち、やがて、劣化して行きます。また水では、常温で気体にならないので、冷媒として効率が悪いのです。 参照URLで、半導体を使った冷却装置というものに触れていますが、これが、多分、ペルチェ効果を使った冷却装置です。 >参照URL >http://www.tdk.co.jp/tjdaa01/daa00451.htm 参照ページの下の図は、コンプレッサが、気体フロンを圧縮し、コンデンサ部分で、大気によって空冷で冷やして、冷たい(常温の)液体フロンにします。これを、エヴァポレータのなかの、非常に圧力の小さい空間に一気に放出すると、よく冷えて圧縮された高密度の液体フロンは、非常に効率よく気化し、その時、エバポレータを通して、周りの温度を冷却するのです(気化熱として熱を奪うのです)。すると、エヴァポレータのまわりは、冷却されます。熱を回りから吸って、常温気体状態になったフロンは、また、コンプレッサで圧縮され……と、こういう過程が果てしなく続いて行きます。 この場合、単に「気化熱」で熱を奪うというより、圧縮しておいて冷却し、これを低圧の、真空のような状態の気化室(エヴァポレータ)で、一気に噴出させ、容積を増大させ、この勢いで、非常に効率よく、気化熱を奪うのです。この強制圧縮と強制圧力解除がないと、ただの普通の気化熱だけだと、効率があまりよくないのです。エアコンも同じ原理です。
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丁寧なご回答有難うございました。 大変勉強になりました。理想の物質というものはなかなかないものなのですね。どこかに利点があればその分欠点もある…う~ん、うまくいかないもんですね。エアコンの冷却の仕組みはばっちりわかりました。有難うございました。