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戦後の日本語について

neil_2112の回答

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  • neil_2112
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回答No.3

もう一度お邪魔します。 #1で挙げた志賀直哉の「国語問題」全文とその11年後の志賀のコメントの載ったサイトを添付しておきます。 一読すれば、彼がいかにフランス語の国語化に「マジ」であったか、そしてフランス語の選択がいかに適当なものであったか、よくわかると思います。 #2のElvisさんがおっしゃるように、この提言が社会的インパクトを持たなかったのは幸いなる事実です。ただ、志賀の意見は軽挙妄動であったにしても、英語化に賛成した者も多かったし、それよりは少数派ですがフランス語化に賛成した者もやはりいます。 フランス語が是とされたのは、 (1)フランス語自体の美しさや明晰さがフランス人によって積極的にPRされていたこと(「私達の言葉は世界で最も豊かで美しい」「明晰でないものはフランス語でない」などのスローガンが有名) (2)ドイツ語など近隣語と比べても抽象度が高く合理的(要するに似た動作の概念をひとまとめにできる動詞が多い、といったレベル) といった理由を考慮(?)したようですね。 フランス語化はともかく、漢字排斥の思想は根深いですね。(1)、(2)に共通していることですが、外国語化をすすめようとした人たちの考えの基本にあったのは、 「日本語をできるだけ知識に依存しない言葉にしよう、なるべく少ない約束ごとで話せる言葉にしよう、そうすればよりたくさんの人が言葉の活動に参加できることになって良い」という思想です。こういう考え方の人たちからすると、日本語は漢字の知識の有る無しで差別の発生する空しい言葉だったのですね。 余談ですが、志賀が先のフランス語化を提言した昭和21年には、国語審議会が「当用漢字」1850字を制定して漢字の制限を行いました。漢字が多すぎて生活上不便だ、使える漢字を制限した方が国民のためだ、という理屈でしたが…。

参考URL:
http://members.jcom.home.ne.jp/w3c/kokugo/rekishi/ShigaNaoya.html
firefly09
質問者

お礼

アドバイス有難うございます。 フランス語が日本語よりもっと優れた言葉であるという信仰だけでなく、このような理由があったのかと、納得してしまいました。 せっかく異国語の国語採用案や日本語表記のローマ字化が沙汰やみとなったのに、今日本語は簡略化し、単純化し、単一化しつつあることは残念なことです。

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