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グラフィックイコライザーをバイパス?

『オーディオ常識のウソ・マコト』(千葉憲昭,1994,講談社)という本にこんな記述がありました。  著者の息子は音楽好きで、ある有名オーディオ・メーカー製のコンポ(16万円)を買った。(略) しばらくすると息子は疑問を抱き、こう言った。「CDから聴いた音がすっきりしない。」ここで著者は「コンポにグラフィックイコライザー(以下GEQ)なんて余計なものがついてるからだ。バイパスして直接メイン・アンプにつないでみなさい。」そして、そのとおりにした息子は満足したそうです。  さらにその本の中には「GEQは諸悪の根源」とまで書いてあります。著者の主張はこうです。 ・GEQで特定の周波数を持ち上げるには増幅器なしには行えない。余分な増幅回路を増やすことになるので、雑音・歪みが増加する。結果高音が汚れ、繊細感がなくなり、透明感がなくなる。 ・特定の周波数にピークを作るということは、低域ならブーミーになりやすいし、高域は刺激的に、中域は歯切れの悪い音になりやすい。増幅回路でのピークは、その周波数付近で信号の「切れ」を悪くし、だらだらした感じになる。  かなり理論的な本なので、素人の私には正しいように感じてしまいます。もし正しいのなら、「GEQをバイパスして直接メイン・アンプにつなぐ」ことを試してみたいのですが、普通の「ご家庭レベル」の5、6万円のコンポでできますか?また、「ご家庭レベル」の音量でも違いは分かりますか?できるだけフラットかつクリアな音で楽しみたいのです。どうかよろしくお願いします。素人なものでピントはずれな質問ならすみません。

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noname#60878
noname#60878
回答No.2

オーディオに関しては、良い音という事のとらえ方が難しい問題だと思って います。 計測器的な意味では、途中に入る物が少ないほど良いに決まっています。 ただ、同じ増幅度を得るのに、1段で無理をするか楽に2段で処理するかと いうことになると、悩ましいことになります。要点としては、必要無ければ 無い方が良い。ただし、必要があるなら、無理してがまんするより適当な回 路を入れて安定させる方が良いということになります。 オーディオ回路では、もし、音量以外に調節する必要が無いならば、CDの 出力を、良質の可変抵抗器を通して(パワーアンプに音量調節があるなら不 要)直接パワーアンプに入れれば良いのです。入力の切り替えや○○の調節 とか言い出すとその分の回路が増えます。これらを不要物と見るか、必要悪 と見るかが要点だと思います。 御質問にある文については、個人的にはあまり理論的には感じないのですが、 大意で大きな間違いは無いと思います。イコライザやフィルタ回路について は、多くの専門の書籍があります。通過帯域に利得が平坦で無い部分を作る と、その部分で位相の回転が生じ、この部分の回路が多少でも非線形であれ ば、高調波にかかわる歪みを生じたり(オーディオでは音色の変化としてあ らわれる)することになります。これは、回路設計でかなり軽減できますし、 最近、一部に見られるようなDSPを使った方式ではほとんど問題になりま せん。いずれにしても、きちんと利用心的に設計した回路であれば、問題が 無いことは無くてもその影響は小さいということです。ただし、こういう物 はそれ相応に高価です。 さて、以下は個人的な見解ですが、フラットな音とはどんな音でしょうか。 演奏時や録音時の環境から再生する機器や部屋まで、トータルに考えて伝送 特性的に平坦にすることが可能でしょうか。録音時には、部屋や集音機材の 音響特性を考慮して、イコライザなどで処理しています。こうして、記録媒 体としてフラットに似せた状態にしているのですが、特定のジヤンルの音楽 では、一般的な部屋や家庭用の機器を想定した音づくりをしています。これ を再生する機器や部屋の特性が、CD等を製作した際に想定されている特性 と大きく異なっていれば、おそらく、録音の際に意図したのとは違う音にな るはずです。昔のレコードのマスタをそのままCDで発売した盤で、ひどい 音に聞こえる物が多いのはこのためです。現在の再生環境が、当時の一般的 な再生環境とは大きく異なっているためです。クリアな音という点でも同じ です。再生装置の回路で不要な成分が増えて音が不明瞭になることもあるで しょうが、たとえばスピーカーが再生しきれない帯域の音が多量に含まれて いたり、部屋が特定の周波数に共振するような場合は、電気系でそれらの成 分を軽減する(ノッチフィルタなど)と、おどろくほどクリアに聞こえます。 実際、現在の多くの音楽ソースでは、製作の段階でいろいろな電子処理を施 されています。電子楽器の演奏なんて、最後にスピーカーから出るまで音で あった事が無い訳です。また、CDなどのデジタル録音再生は、フィルタ回 路(やDSPなど)の塊です。 現在使用しているイコライザに不満があれば、それをバイパスするのも良い 方法でしょう。しかし、イコライザを必要とする場面があるなら、必要悪と 割り切って、少しでも質の良いイコライザを必要な時だけ使うようにすると 良いと思います。 なお、音場補正には、グラフィックイコライザよりもパラメトリックイコラ イザの方が有効な事が多いです。また、このような用途専用のプロセッサが いくつか発売されています。デジタル処理で、いくつかの設定をプリセット できるので、最近の映画館やホールでは使っている所が多いようです。

burandon
質問者

お礼

 回答ありがとうございます。納得しました。私は「CDの製作者が意図した音」で聴きたいと考えており、そしてその音をフラットと捉えていたんですが、おっしゃる通り、聴く環境も違うし再生機器も違うわけで、完璧に「製作者が意図した音」なんて聴けない・・・。というか、製作者やサウンドエンジニアが、リスナー個人個人のオーディオ環境まで考えてミックスダウンするなんてちょっと不可能ですよね。ありがとうございます。納得できました。

その他の回答 (1)

回答No.1

基本的には正しいですが、それは「理想的な音響特性をもった部屋」で聞く場合に限ります。普通、オーディオを部屋で聞く場合、部屋の中にはタンスやカーテンやベッドや机などがあって、その障害物がの音の反射したり吸収したりしてしまいます。それを元の音に近いように特性を修正してあげるのが、グラフィックイコライザーの目的です。 もちろん著者が言うとおり、過度な操作は音のひずみを招きますが、0dbを中心に必要最小限の調整をすることで、部屋の音響特性を補正できれば、マイナスを補って余りある効果が得られるはずです。 ですから、グラフィックイコライザーの摘みを大きくカーブさせてひとつの波のように並べるのは論外です。あくまでも補正したい周波数だけを持ち上げたり下げたりするのです。 >普通の「ご家庭レベル」の5、6万円のコンポでできますか? 最近のミニコンポではグライコをパスすることは出来ない機種ばかりです。これらの価格帯の機種は、グライコを使用して音を演出することを前提としておりますので、元々のアンプの周波数特性は軽視されておりますので、グライコをパスしたところで、音がよくなるわけではありません。 どうしても・・・ということであれば、ミニコンポの背面についているCDのLINE-OUT端子がついていれば、安い単体のプリメインアンプを購入してそこのLINE-INに接続するしか手段はありません。しかしミニコンポのスピーカーがアンプに繋げられる可能性が低いため、スピーカーも新たに購入する必要があるかもしれません。

burandon
質問者

お礼

 回答ありがとうございます。なるほど、あくまで必要最低限ですね。部屋で音楽を聞く、その環境も個人個人違うわけですから、普及品のミニコンポはグライコ使用が前提なのですね。大変参考になりました。  このカテゴリーの過去質問では、「理想的な音響特性をもった部屋ならば・・」との回答が多いような気がするのですが、そんな部屋に住みたいな、という今日この頃です!

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