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ホメオティック遺伝子について

 ホメオティック突然変異を起こす遺伝子を,ホメオティック遺伝子と呼ぶのですか。それなら,突然変異を起こしていない正常遺伝子を,何と呼ぶのでしょう。どうも,正常遺伝子の方をホメオティック遺伝子と呼んでいるような気がするのですがどうなんでしょう。  ところで,ホメオティック突然変異の例として,よくショウジョウバエの双胸があげられます。後胸節が中胸節になったとされるのですが,なぜ,後胸節だけに異常が生じるのでしょうか。  大学で生物学を専攻した48歳の一般人です。よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.3

ホメオティック突然変異を起こす遺伝子も、正常遺伝子もどっちもホメオティック遺伝子と呼べると思います。 二つの違いは遺伝子ではなく、allele(対立形質)です。(と思います) 突然変異が遺伝子内の変異の位置などによって、結果としての形質が複数のパターンになるときも、それぞれ違うalleleとして扱われています。 なので2つを区別していうときは、正常型の遺伝子はwild type(野生型)の○○遺伝子、変異の起こった遺伝子は□□というalleleの○○遺伝子と呼ぶようです。 多分もうご存知のとおり、ホメオティック遺伝子はひとつだけではありません。 #2さんの参考URLによると、Bitholaxを生じるのは、anterobithorax、bithorax、postbithoraxなどの変異、Antennapediaを生じるのはproboscipediaの変異のようです。 卵中の細胞質の分布からホメオティック遺伝子まではいくつかの過程があって、いろいろな遺伝子が出てきます。 簡単に言えば、卵が作られる時点で卵の前後上下が確定し、それによって母親由来のmRNAが細胞質内で濃度勾配を作ります。 この勾配の強弱によって、前、中、後で異なる遺伝子が発現し、さらにその遺伝子の産物が発現の中心から濃度勾配を形成して、またそれに対応して異なる遺伝子が発現していきます。 これを繰り返していくと、体の前から後ろにかけての座標が細かく決まっていきます。 このあたりでホメオティック遺伝子がそれぞれの座標で発現して、それぞれの分担地域の分化をうながします。

参考URL:
http://www.nig.ac.jp/museum/history/kindai/kindai-35.html
wacky2
質問者

お礼

 とてもわかりやすい説明をいただきありがとうございました。おかげさまで,理解が深まった気がします。

wacky2
質問者

補足

 卵の細胞質中の物質の濃度勾配はどのように生じるのでしょうか。また,濃度勾配の異常により,ホメオティック突然変異に似た現象が起こったりするのでしょうか。

その他の回答 (3)

  • catheter
  • ベストアンサー率57% (8/14)
回答No.4

#2です。 補足を頂いたので回答させて頂きます。 #3の方の御回答である「二つの違いは遺伝子ではなく、allele(対立形質)」が、理解しやすかったのではないでしょうか。 私の回答では、どちらが先か、を重要視してしまい肝心のお答えになっていなかったような気がします。 改めて、結論だけをお答えさせて頂くと、ホメオティック突然変異の責任遺伝子群も、「体構造の決定に預かる」遺伝子群も、同じ「ホメオティック遺伝子」かと思います。混乱させてしまったら申し訳ないです。 それから、「BithoraxやAntennapedia遺伝子群について」&「卵中の細胞質の分布とホメオティック遺伝子について」、は#3さんが大半お答えになっているので、割愛させて頂きますね。 以上を踏まえ、「ホメオティック遺伝子の突然変異によっておこる、ホメオティック突然変異」は 「alleleのホメオティック遺伝子群が突然変異によって機能欠損された結果におこる、ホメオティック突然変異」と言い換えることができると思います。突然変異の多くはサイレント変異なので、あえて機能欠損を加えました。 頑張りましたが、頑張りすぎて余計にややこしくなっていたら、ごめんなさい。

wacky2
質問者

お礼

 ありがとうございました。

  • catheter
  • ベストアンサー率57% (8/14)
回答No.2

<ホメオティック突然変異を起こす遺伝子を,ホメオティック遺伝子と呼ぶのですか。それなら,突然変異を起こしていない正常遺伝子を,何と呼ぶのでしょう。 ホメオティック遺伝子は、ご存じだと思いまが、簡単に言えば「体構造の決定に預かる」遺伝子群のことですよね。 私も#1さんと同様、「体構造の決定に預かる」責任遺伝子群である「ホメオティック遺伝子」が欠失、変異などにより機能欠損することにより起こる変異を「ホメオティック突然変異」と呼ぶのだと思います。理由は、遺伝子の変異が先で、体構造の変異が後だからです。 よって、もちろん正常遺伝子をそのままホメオティック遺伝子と呼んでもいいと思います。卵が先か鶏が先か?の問答に似ている感が否めないでもないですが。 <なぜ,後胸節だけに異常が生じるのでしょうか。 ホメオティック遺伝子を操作することで得られる変異は、後胸節が中胸節になる(Bithorax変異体のことでしょうか?)だけでは無いです。頭部から中胸前部での体節の分化に関わるAntennapedia遺伝子群を操作すれば、中胸から触覚が生えたり、逆に触覚部分から中胸部分の脚が生えたりもします。詳しくは、参考URLをご覧下さい。 回答が長くなりそうだったので、多少の説明は省かせて頂きました。 それから、二つ目の質問は、「分化の過程でホメオティック遺伝子はどう作用し、関係するのか?」 という質問だったのでしょうか?もしそうなら補足して頂ければまた回答させて頂きます。

参考URL:
http://www.nig.ac.jp/museum/history/kindai/kindai-35.html
wacky2
質問者

補足

 ありがとうございました。  正常な遺伝子の方をホメオティック遺伝子と呼ぶということですね。  ところで,BithoraxやAntennapediaは,体節構造を決定する遺伝子群の突然変異によるのだと思いますが,その遺伝子群のうち,どの遺伝子が突然変異を起こすとBithoraxが生じ,どの遺伝子が突然変異を起こすとAntennapediaが生じるのかが知りたいです。  さらに,卵中の細胞質の分布とホメオティック遺伝子の関係を教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

  • JF1Msf
  • ベストアンサー率20% (18/88)
回答No.1

 古典的な遺伝学では、そのような変異を起こす遺伝子があるだろうということでそれらをホメオティック遺伝子(ホメオ遺伝子)と呼んだまでであって、現在のように分子生物学が発展し、その遺伝子の実態が分かっている(クローニングされたりして)現状では、正常な遺伝子をホメオ遺伝子と呼び、変異した遺伝子は『変異したホメオ遺伝子』と呼ぶのが普通なのではないでしょうか。わたしは、遺伝学よりもDNAそのものから勉強して生物学の分野に入ったので、モーガンの頃の古典的な遺伝学の話を聞くと、馴染めないことが多いのですが、この質問は、わたしの場合と逆の立場から考えているような気がします。ホメオ遺伝子はたくさんあることがすでに知られていて、その時、たまたま後胸節を作るのに重要なホメオ遺伝子の変異体を見つけたと考えれば、特に不思議には思えません。的外れな回答でしたらすみません。

wacky2
質問者

補足

 ありがとうございました。正常な遺伝子をホメオティック遺伝子というのですね。  体節構造の決定には,多くの調節遺伝子がはたらき,その調節遺伝子群のおおもとの調節遺伝子をホメオティック遺伝子ということになるのだと思います。おおもとが変化すると,その影響は,他の体節にも現れる気がしたのです。ところで,後胸節をつくるための調節遺伝子が変異すると,なぜ,後胸節部分から中胸節ができるのでしょう。

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