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相続財産の圧縮
生前母が住んでいた家(母名義、相続人は私だが名義変更はこれから)が私の土地にあり数年間貸家となっています。 私の相続税を試算したところこの土地の評価額が大きい事(1000万)に気付きました。 貸家建付地に該当するので、0.4(路線価F)x0.3=0.12しか圧縮できないからです。 他にも同用の貸家(500万円)が1件あります。 この建物を子供に贈与(2件の合計でも100万円以下の評価額)し土地を賃貸すれば、貸地として評価されますか。 土地代は固定資産税の2-3倍を考えています。
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ご質問のような流れで、子供に建物を贈与し、土地を賃貸借取引とする場合には、相続税評価時点では貸宅地としての評価が可能になると思われます。 なお、ここで考えてないといけないのは 1.借地権相当部分の認定課税(贈与)の問題 2.相続発生時の宅地の評価の問題 2つです。 ご質問のように、固定資産税の2ー3倍の土地代であれば「相当の地代」の収受があったとして、「1.借地権相当部分の認定課税(贈与)の問題」については税金ゼロでやり取りが出来る可能性はあると思います。 しかし、借地権割合が低いF地域だとしても、路線価上で借地権割合が設定されている以上、通常の貸宅地としての評価をするためには権利金の収受が必要になってくると思われます。 仮に権利金の収受が無い場合の「2.相続発生時の宅地の評価」だと、単純に相当の地代を収受している場合の貸宅地の評価となるので、減額割合は20%になるはずなので、貸家建付地(12%)の評価と大差なくなります。 参考:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/681028/01.htm ちなみに、通常の貸宅地(今回の場合は40%評価減)としたいなら、下記2つのお金のやり取りをする必要があるはずです。 権利金の額:「更地とした場合の時価×借地権割合」 通常の地代:「更地とした場合の時価×(1-借地権割合)×6%」(1年間に支払う地代) そうすると 権利金の額:1,000万円×40%=400万円 通常の地代:1,000万円×(1-40%)×6%=年間36万円 のお金のやり取りが親子間で必要になってきます。 そうなると、子供にそのお金を出す程の資金があるのか?という問題も出てきますし 親(質問者さん)側からすると、子供に払って貰った土地代に一切手を付けずに相続が発生した場合には、土地代部分がまるっと相続財産として課税される可能性もあるため、 頑張って貸宅地に変換したけど、実際のところ相続財産全体の圧縮には繋がらなかったという結果にもなり得ます。(通常の地代部分は生計同一かどうかによって変わるので何とも言えませんが、権利金部分には所得税もかかるはずです。) なので、どちらかと言うと貸家建付地は貸家建付地の評価のままで行って、小規模宅地等の特例の「貸付事業用宅地等(200m2まで50%減額)」の適用を考えた方が良いのではないでしょうか? もちろん、貸家建付地以外に、ご質問者様の居住用の宅地がある場合には、特定居住用宅地(330m2まで80%減額)を目一杯利用した方が相続税評価額は安くなる事がありますので、絶対にそうした方が良いという訳ではありません。 (小規模宅地等の特例は生計同一要件やら、同居・別居要件など色々検討することもありますしね。) 全体としては、貸家建付地⇒貸宅地への変換で評価額を下げに行くというよりは、他の相続財産になりそうなものの圧縮を考えた方が良いのかなと思います。 なお、最後になりますが仮にご質問者様が考えられているスキームで話を進めるのであれば、貸家を子供に贈与をする時には"負担付贈与"とならないようにして下さい。 つまり、借家人から敷金を預かっている場合には、敷金相当分の金銭を貸家と一緒に贈与しないと負担付贈与とみなされて、貸家の贈与時の評価額がいわゆる相続税評価額ではなく建物の取引時価によって評価されて評価額が高くなってしまいますので。 以上、長文失礼致しました。
お礼
大変詳しく適切なご回答に感謝します。 よく理解できました。 ご指摘のように権利金等複雑になるだけで圧縮策が裏目に出ることもありそうですね。 浅はかな思考を恥じ入ります。