30代の開業医を主人公にした物語を描きたいが…

ブラックジャックは、作中で少年時代の事故のことを「25年前」といっていたことがあり、そこから逆算すると33歳前後と推測されるそうですよ。尤も、彼は無免許の天才という扱いですけどね。当時は「女性はクリスマスケーキ」といわれていた時代です。24まではチヤホヤされるけど、25になったら途端に売れなくなる。そういわれていた時代でした。少し後の時代くらいに連載されていた「エリア88」というマンガでは「いかず後家のオールドミス」というキャリアOLが登場しますが、彼女の設定年齢が28歳だったのです。28歳は救われない年齢だったんですね・笑。あの時代で40歳の男が独身というのは、マンガでも読者の共感が得られない設定ですね。

だから現代の枠組みの中で30代半ばくらいまでで経験豊富な開業医となると、海外の大学を飛び級で入り天才といわれたが、開業医の父親が急逝して急きょ後を継ぐことになった、みたいな設定になるのではないでしょうか。

外国の有名大学辺りを飛び級したことにすれば良いんじゃないかな。

３０代の開業医なんていうのは、親が医院をやっていて突然の不幸でそれを引き継ぐことになったというような場合でないと困難です。

私の従妹が今開業医ですが、30代のときは勤務医で、一種の使いっぱしりみたいな働き方をしていて、バリバリの優秀な医者なんて言う風情はありませんでした。もちろん、身内で言うことじゃないですが、今は患者の信者をたくさん持っている相当の実力者ですが。

医学的知識というのは、ここまで知ったら一人前なんてなくて、どんどん進展していくのを追いかけるのは若いのも老いたものも一緒です。その知識の状態で実力者だとか辣腕なんていうことはありません。それよりも医師に必要なのは経験です。こういう症状を見たことがある、対応したことがある、結果がどうだったか覚えている、というのが重ならないと信頼は受けません。当然ですけど柔軟性と自己分析と反省の習慣が必要です。

まして精神科となると、ぺらぺらの若僧が何を偉そうなことを言っても悩みを打ち明けようとは思いませんので、30代のバリバリの医師なんてあり得ません。

架空の話だし医師免許をはく奪された人間ということになっていますけど、ブラックジャックだっておおむね40前後じゃないでしょうか。あれはいくら架空といっても作者は医師ですから、人に信用されるために必要な年代はこのあたりだと発想したのだと思います。

海外留学してその才能を見出されたとか、いくらでも設定によって若い主人公にすることは可能だと思う。かつて海外ドラマで「天才少年ドギー・ガウアー」という飛び級で１０代のうちに医師の資格を得た少年を描いた話がテレビ放送されたこともあります。

http://www.med.nihon-u.ac.jp/kensyu/k_training/index.html
私もまったく詳しくないですが、日大の場合最短で３６で指導資格のある一人前扱いのようですね。
いろいろな大学のキャリアページを見れば参考になるのではないでしょうか？
イリュウの場合外科がNGOに所属して切りまくることで腕を磨いたという形で非現実的な部分をクリアする設定を作ってますが、精神科ではそういうのは難しそうですね。
あとは父親が開業医で、後期研修医が終わったら親元で一緒にやるケースはありますね。