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焼入れ後の経年変化についての疑問
- 機械業界に20年以上いますが、焼入れ後に経年変化が起こるかどうかについて知見がありません。
- 最近、SCM415の板厚1.6mmにガス軟窒化したものを在庫していたところ、数年経過後に割れる問題が発生しました。
- 他にも、熱処理後に時間が経つと脆くなる事例があるかどうか知りたいです。
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再出です。 推測での記述ですが、確認下さい。 ガス軟窒化は、物的特性として、高硬度層(1000HV以上も可能)を有するため耐磨耗性に優れて おりますが、窒化物を形成することで表面付近に圧縮残留応力が発生するため優れた疲労強度を 有していることは知られています。 製品(部品)は、曲げ加工品なので、曲げ加工時に圧縮側では塑性変形ギリギリの圧縮残留 応力が一部分で残っている筈です。 そこにもガス軟窒化すれば、窒化物を形成することで表面付近により大きな圧縮残留応力が 発生することになっている筈です。 この状態で、静的な保管をしていても、経時(年)変化で表面に無数の微小なクラックが 発生することが考えられます。 (長期保管している部品の表面を検査してみては如何でしょう。曲げの圧縮部分とその他で) また、静的な保管をしていても、地震等で多少の負荷が当該部へ掛かってがきっかけで、 変形し微小なクラックが発生することも考えられます。 (割れが、いつも曲げ加工の圧縮側に限定されているのなら、可能性は大です) 微小なクラックが発生していますと、当該部品が繰返し荷重や交番荷重が掛かりますと、 短期間に目で確認できる割れ等が発生します。 只、生産後すぐに使用すると2年間問題ないが中々説明できなくなるのが問題です。 希望的観測では、窒化物形成が結晶間の摩擦係数を増加させて変形し難くなっているので あれば、部品使用時の繰返し荷重や交番荷重が一時的に結晶間の摩擦係数を減少させて、 スムーズな塑性変形を起こし、結果的に圧縮残留応力が軽減され2年以上の高寿命部品と なっていると想像もできます。 でも、その部品には疲労限度以下になるような形状(断面係数)は望めないので、 2年以上の経過して疲労限度近くになったら割れ等を発生させて寿命となる。 以上が、勝手な推測です。 確認方法が、表面の微小クラックの有無と保管部品での割れが曲げ部分の圧縮側に限定 されているかいないかで判り易いと思います。 一度、確認してみてください。 曲げ加工した後に、応力除去のアニールをしてから、調質やガス軟窒化も良いのかな?? 原因が絞り込めた後で、推測が当たっていたら…。
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再出。 ガス軟窒化を評価した手法の好例 「機械部品の複合熱処理に関する応用研究」 京都府中小企業技術センタ http://www.mtc.pref.kyoto.lg.jp/gihou/giho-29/kikaibu.pdf やっていることは既に書いたものにプラスして、 ・X線による残留応力の測定 ここまで出来る工・試があるということです。 他には ・超微細硬さ測定(ナノインデンテーション) もあるが、そこまで測定が必要かどうかは要検討。これも持っている所はあります。 >高硬度層(1000HV以上も可能) >窒化物を形成することで表面付近に圧縮残留応力が発生するため優れた疲労強度を有している 私が知る狭い範囲ではこれは別の処理方法が混ざっていると思うが、予断を持たずに評価方法を検討すべきでしょう。 【参考1】 ガス軟窒化鋼のX線残留応力測定 http://ci.nii.ac.jp/naid/110002372962 【参考2 過去質問への回答】 No.34050 SPC材ガス軟窒化処理割れ発生 http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=231534&event=QE0004 材質と時間軸が違うが、硬くするから脆くなって当たり前でしょ・・と書いたが、同じく、あり合わせででも、条件を振って試さないことには前へ進めないでしょう。
お礼
多くのアドバイスありがとうございます。
通常の材料屋さんで出回っているのは SCM-415 420 だと H付の丸材が主のはず 板材は入手しにくいですね。 サイズがわからないが まさか 丸材から切り出し?? 素材の素性も要チェックか 通常は変形を嫌うから ガス軟窒化 だろうと想像するが・・・ 釜の中でどんな状態で置かれているかも影響があるのかも知れない 何枚か試作して同時に違う業者にも処理してもらい分析すれば ガス軟窒化が怪しいか 素材が怪しいかぐらいは判別が出来そうに思います。 書き忘れてた 「熱処理後、数年経過すると脆くなる」ような 知見はないのですが、 変形はあってあたり前と思うようにしていますが 「脆くなる」の経験は私も覚えがない。
お礼
ご回答ありがとうございます。 SCM415ですが板材です。 所謂「ひもつき」を入手しています。
SCM415の板は、冷間加工をしなくて、板材のままで在庫をして、使用もしていますか? それとも、冷間加工をして、板材でなく製品形状をしていますか? それによっては、熱だけでない内部応力が問題になっているかもしれません。 それと、割れの現象は使用数の略全数でしょうか? > SCM415の板厚1.6mmにガス軟窒化、生産後すぐに使用すると2年間問題ないのですが、2年程度 > 在庫していたものは半年程度、4年間在庫していたものは数週間で割れてしまいました。 の生産後すぐに使用すると2年間問題ない、その後の問題は発生しているのでしょうか? 問題が発生している詳細情報があれば教えてください。 例えば、問題が発生しているが、それは消耗品として客先に対応してもらうとし、 部品在庫を客先にもお願いしているので、このような状態や段取りになったとか。 前述のような情報がないので、推測になりますが再出のような内容が考えられます。 推測で、大変申し訳ありません。(再出を確認下さい。)
補足
ご回答ありがとうございます。 >板材のままで在庫をして、使用もしていますか? →曲げ加工品です。曲げ加工後にガス軟窒化処理をして在庫しています。 >熱だけでない内部応力が問題になっているかもしれません。 →残留応力が静的な状態でも進行(悪化)していく例をご存知でしたらご教示頂けると幸いです。 >それと、割れの現象は使用数の略全数でしょうか? →概略ですが、1ロット目:50枚生産し、20枚程度を2年以内で消費(問題なし)。その後短命が10枚発生。形状誤差が大きいと判断し残っていた20枚程度を廃棄。 2ロット目:形状精度を向上させたものを50枚生産し2年間で20枚程度問題なし。 しかし、先日このロット品で短命が2件続けて発生。この2件に形状の問題はなかったことは測定済みです。またこの後頻発する可能性があるので経年変化を疑っています。
SCM415 の素材段階を疑うが、知見無しです。 しかし放置できないのでは? 在庫品を使うのも憚られるが、既にフィールドに出た物の扱いは? 自動車・家電などならリコール案件。社長の耳に必ず入り、製造・販売部門などは取敢ず除外した関係者一同で大騒ぎでしょう。 アクションは書かれてなかったが、予想通り。それで重大な事故の可能性は無いとの判断なら、申上げることはありません。 素材の経年変化では無いでしょう。冷延だと思うが、方向性は大丈夫? 素材は小ロットと思われバラツキが有り得るような気がするが、根拠なしの想像だけ。 経年変化なのか、でないのかの解明がまず必要。 在庫品、新規製造品とのビッカース硬さ、引張試験、衝撃試験での比較、これは標準試験片が採れないし簡易な装置を工夫する必要。鋼組織の分析も必要で社内に技術無ければ外部委託。手始めに EPMA/XMA での表面観察を依頼されては。大抵の工・試で間に合います。熱処理屋さんに技術力有れば早いですけど、、、 経年変化とすると、温度・湿度・腐蝕ガス・・・何が作用しているのか、絞らないことには闇雲に試験しても空打ちになる。オーブンに突っ込んでおくのは試験時間稼ぎだけとなるが、やらないよりはマシ。 ガス軟窒化は 500℃以上に曝すので、残留応力は完全に消えなくとも、組織安定には寄与しているはずとの僅かな知見。
お礼
アドバイスありがとうございます。 硬度測定、EPMA/XMAは二年前に、在庫2年品と新規生産品で比較し、差はありませんでした。 >絞らないことには闇雲に… そう思います。
補足
ご回答ありがとうございます。 >素材段階を疑う →素材に問題あった場合、経年変化を起こし得るのでしょうか? >在庫品を使うのも憚られる →お言葉ですが、経年変化はない(と想定している)ものを在庫出荷しても「憚られる」必要はないのでは。在庫することで品質に変化があってはいけないので確認している最中です。 >既にフィールドに出た物の扱いは?自動車・家電などならリコール案件。社長の耳に必ず入り、… →専用機で、発売後5年で全国で12台稼動中。短期で割れた場合は全て無償交換しています。社長も同席でクレーム対策会議済みです。2年前に短命症状が出た際に「形状誤差が原因」と推定し、形状精度をあげましたが在庫2年を経過した最近、また短命が起こり始めたのでいろいろと疑っているところです。
まず疑うのが 熱残留応力 http://www.mikuyuri.info/welding/2008/03/post_14.html リンク先は溶接だが 暖めればのびひやすと縮む 暖めると軟らかくなり冷やすと固くなることが 物は一様に冷めない が 起因なので 熱を扱うもの 焼き入れ 鋳造 成形 など すべてに伴う
補足
ご回答ありがとうございます。 熱残留応力…一理ありますね。 しかし、在庫中は熱変動していませんのでご指摘の内容は腑に落ちません。 熱変動せずに残留応力が在庫中に増大していくなら疑わしいのですが、そのような知見もあるのでしょうか?
お礼
ご回答ありがとうございます。 おかげさまで「マイクロクラック」を気付き・思い出しました。 マイクロクラックなら腑に落ちます。原因しぼりこみの一つとして進めます。