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フランスであまりミュージカルをしない理由
こんばんは。もしかしてピントはずれの質問かもしれませんが...。ウエストエンドやブロードウエイの有名ミュージカルは日本やドイツなどでよく上演されていますが、なぜかフランスであまりやっていない気がします(私が知らないだけかもしれませんが)。特に、「レ・ミゼラブル」、「オペラ座の怪人」、「美女と野獣」などの原作はそもそもフランスの話なのに、なぜフランスで上演されないのでしょう??
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おっしゃる通りフランスではNYやロンドンに比べ、ミュージカルはあまり上演されません。ミュージカル不毛の地とかミュージカル後進国といわれているそうですね。それは言い過ぎにしても、確かに上演数が少ないですね。 まず、フランスは映画大国です。ですからフランス人にとってミュージカルといえばミュージカル映画となります。昔では「シェルブールの雨傘」「ロシェフォールの恋人たち」割と最近では、巨匠アラン・レネの「恋するシャンソン」とかあります。 さらにフランス、特にパリは演劇が盛んです。古典から現代まで、専用の劇場が大小無数にあり、ロングランも珍しくありません。しかし、ブロードウェイやウェストエンドのようなミュージカル専用劇場はありません。 フランス人にとって映画と演劇は日本人が想像する以上に日常生活に密接に結びついた娯楽です。「パリスコープ」というピアのような週刊ガイドを3ユーロで買うと、その大半が演劇と映画案内です。仕事後に、食事をして、8時か9時ごろから映画か演劇というのが普通です。映画スターが演劇の舞台に上がるというのもよくありますし、舞台の映画化というのもよくあります。勿論音楽のコンサートも数多くありますので、それだけで娯楽の選択肢が多いのですね。コンサートもクラシックだけでなく、世界中の音楽があり幅も広いのです。 オペラやバレエに関しては一部の人は観ますが、普通のフランス人にとってはそれ程馴染みのあるものではありません。日本でもオペラやバレエを観る層とはぼ同様です。やはり一般のフランス人には映画が一番一般の大衆文化として根付いていると思います。 というわけでフランス人の娯楽として既に映画・演劇・音楽がとても充実しているのです。しかもどれも生活に密着しているので、そこにミュージカルが育つ土壌があまりないように思えます。 土壌がないわけですから、当然ミュージカル歌手はフランスでは育たないし、需要もないのです。したがって歌手やダンサーのレヴェルも高くなく、シンガーやダンサーがいるとしてもカナダのフランス語圏ケベック出身が多いということです。 それから、ブロードウェイやウェストエンドでは何年とロングランがありますが、パリでは考えられないことです。パリでミュージカルが上演されたとしたら、数ヶ月続けば大成功となります。ツアーも各都市で数日間とか。BWやWEでは何年と上演されるのと比べたら雲泥の差です。 フランスで今まで上演された有名なミュージカルをあげると、98年の「ノートルダム・ド・パリ」2000年の「十戒」2001年の「ロミオとジュリエット」2002年Cindy、最近では2004年「シカゴ」と「Creature」だけです。 でも、この中の「十戒」は空前のヒット、これはミュージカルというよりスペクタクルです。これは例外中の例外。2005年には日本にも上陸するそうですので、参考までに下にそのサイトを貼っておきます。 私は前にパリで「壁抜け男」をブッフ・パリジャン劇場でみたことがありますが、いわゆるミュージカルとしてみると拍子抜けしますね。音楽もオーケストラピットがなくテープです。そのときに感じたことは、フランス語はミュージカルに向いてない言語かもしれないなと、ちらっと思いました。 デュクフレ演出の映像とダンスと音楽の合体した作品も観た事がありますが、独創性があり、そういう新しいジャンルではフランスは抜きん出ていますね。 フランスでは「オペラ座の怪人」「We will rock you] [Mamma Mia」などのミュージカルは全く知名度がありません。 「レ・ミゼラブル」は文豪ヴィクトル・ユーゴーの原作でフランス人にとっては文学として有名なのでそれのミュージカルというのはフランス人にはイメージが強すぎるのではないかと思います。誰でも知っている物語ですから。「美女と野獣」もコクトーの映画で有名ですね。 こうして考えてみると、やはりミュージカルはアングロサクソン系国の文化といえるのではないでしょうか。そしてフランスは文学として、原作をミュージカルに提供する素材が豊富にあるということになるのでしょうか。
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- musikayo
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ちょっとピントのずれた話になってしまうかもしれませんが… ミュージカルの歴史を大まかにさかのぼっていくと、オペラ→オペレッタ→ミュージカルになります。(かなり雑ですが) オペラは16世紀イタリアで派生し、神聖ローマ帝国の首都であったウィーン(当時のヨーロッパの政治の中心地)へ行きました。イタリアが当時ハプスブルク家の領地であったため、イタリアの情報はウィーンへ行くものだったんですね。 フランスは舞踏の方が盛んで、当時の国王ルイ14世も踊ることが大好き。自ら今日のバレエの基礎も築いた人物です。一応イタリアからリュリという作曲家を呼び、劇作家モリエールとともにオペラ(コメディ・バレエ)も作ってみましたが…。その後もオペラは書かれましたが、だんだん歌う箇所よりもバレエの部分が多くなってきました。 演劇は演劇で発展。音楽は音楽だけで発展。(交響曲などは作られず、どちらかというと組曲が多く。これもハッキリ言ってダンス用の音楽) オペラ座は近代まで社交会場の場でしたし(舞台上の劇はいわば余興)、一応オペラも作曲されていますが、カルメン(大衆受けする)とかファウストやタイスなど異文化ものが多いです。 「オペラ座」などの自国のものを外国が作ったものを見ると違和感を感じるからでしょう。 他国のオペラを見ても、身分の低い人に焦点を当てるとか、異文化は多いですよ。 話がどんどんずれていきましたが参考までに…(^_^;)
お礼
御回答有り難うございます。オペラはオペラ、ストレートプレイはストレートプレイとして発展し、両者のハイブリッドとしてのミュージカルは盛んにならなかったということですね。よくわかりました。
- sacristain
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私自身、ミュージカルとは縁遠い人間なので海外事情まではよく知りませんが、 確かにおっしゃるようにフランスやイタリアでミュージカル、というのは あまり、というか殆ど聞いたことがありませんね。 やはりオペラとバレエの伝統がしっかり根付いているのだと思います。 オペラに魅せられたら、ミュージカルはあまりにも軽い感じがするんじゃないかな... 同じヨーロッパでも、イギリスはミュージカルが盛んですよね。 やはりその国の音楽、芸術文化の違いではないでしょうか。
お礼
そうですか、オペラが盛んだから、ミュージカルは軽視されているというわけですね。御回答有り難うございました。
- ChM
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ご質問の「なぜ」については分かりません。個人的な(裏づけも無い)見解ですが、フランス語というなめらかな言語が、陽気に歌いまくるミュージカルにあまりなじまないのではないかとも思っています。 そうではあっても、フランスのミュージカル映画「シェルブールの雨傘」(1964)は、この国のミュージカルの代表作ではないでしょうか。たしか、しゃべるせりふはほとんど(あるいは全く)無く、全編が歌歌歌だったような・・・。ただし舞台公演は行われていないようです。英語版は、手もとの資料によると1979年にブロードウェーの舞台にのせられていますが、大きな話題にはならなかったようです。 http://www.hf.rim.or.jp/~noble/tansaku/amagasa.html ご参照。 なお「レ・ミゼラブル」について。音楽はクロード=ミシェル・シェーンベルクの1979~80年の作曲。1980年にパリのパレ・デ・スポール(スポーツ宮殿)で初演されて大評判となりました。もちろんフランス語版です。 これを観た、イギリスのロイヤル・シェークスピア劇団のプロデューサー、トレバー・ナンとジョン・ケアードが目を付けて台本を英訳、加えて、観客が原作のストーリーを知らなくても楽しめるようにとの意図から、説明的な部分を追加するなどしてロンドンで1985年に上演、成功させました。ちなみに、ブロードウェーでは、これにさらに手直しをして1987年に上演、日本初演もこの年でした。
お礼
御回答有り難うございます。レ・ミゼラブルに関する経緯がよくわかりました。
- gogorapanui
- ベストアンサー率39% (395/1007)
私もよく知らないので回答はできないのですが・・・ レ・ミゼラブルは最初フランスで上演されたのだったと思います。 それをイギリスのプロデューサーが見てイギリスでも上演することにしたのだったかと。 余談ですが、フランス産でWEやBWに行ったものもありますね。 ノートルダム・ド・パリと言う作品はフランスやカナダでヒットして、その後WEで上演されました。 (ディズニーのノートルダムの鐘とは違います。) また劇団四季で上演された壁抜け男、これも元はフランス作品で日本とBWで上演されました。(BWは一ヶ月足らずでクローズでしたが)
お礼
>レ・ミゼラブルは最初フランスで上演されたのだったと思います。 それをイギリスのプロデューサーが見てイギリスでも上演することにしたのだったかと。 そうですか、知りませんでした。キャメロン・マッキントッシュのものが有名になりすぎて、その前のフランス版がかすんでしまったんですね、きっと。勉強になりました。ありがとうございました。
- rosegarden
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フランス人は知っていても英語を話さないそうです。 英語が嫌いなんですね。 と、言うより自国語を大切に?しているんでしょう。 だからミュージカルは英語で上演されるので、ダメなのではないでしょうか? そんなものよりオペラだのバレイだのがあるからね~・・・ということでは無いかと想像しますが・・・
お礼
御回答有り難うございます。現地のカンパニーがやる場合はふつう現地の言葉でやると思うんですが(「オペラ座の怪人」も「美女と野獣」も劇団四季がやっていますし、ドイツではドイツ語でやっているようです)。
お礼
大変詳細に文化的背景を解説して頂き有り難うございました。映画が盛んというのは知っていましたが演劇(ストレートプレイのことですよね?)も多数上演されているというのは初めて知りました。