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管用ねじについての疑問点と解説
- 管用ネジの発祥の国と年号、管用ネジはなぜ55°なのか、WネジとGネジの違いについて解説します。
- 管用ねじは配管用だから山高さ低めになっていると聞いたことありますが、Wの山高さとの差についても探求します。
- 素人でも分かるように、管用ねじの疑問点について詳しく説明いたします。
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JISやISOに採用されている管用ねじに関しては、「英式」です. イギリス発祥のウィットワース系ねじなので、 ねじ山もウィットワースの55度なのです. ウィットワースは世界で初めて規格化されたねじで、 60度のねじ山というのはその後に出て来たものなのです. 英式管用ねじ(BSP)のねじ山形状は、 こと平行ねじに関してはウィットワースそのものです. しかし、BSW(ウィットワースねじ)とBSPとでは、 ねじの呼びに対するねじの径が異なります. BSWはおねじ外径/めねじ谷径の基準径で呼びますが、 BSPは設計当初前提となったパイプ内径で呼びます. BSWとは別に何故BSPが必要になったかと言えば、 ねじを切る相手がパイプの外径だったからです. パイプというのは、当初、内径を基準に その昔必要だった肉厚を加えて外径が決まりました. そのため、インチで見ると 規格物のパイプの外径というのは半端寸法なんです. 例えば、現在の日本で15A(もしくは1/2B)と呼ばれているパイプは外径が21.7mmです. 現在、15Aだと内径が鋼管で内径が16.1mm、 ステンレス鋼管で16.1~18.4mmになりますが、 なぜこれを1/2B(1/2インチ=12.7mm)と呼ぶかと言えば、 昔一般的だったパイプが内径1/2インチに対して 外径がそれくらいになっていたためです. 21.7mmはインチにすると27/32~55/64くらいになります. これは、言い換えれば、G1/2を仮にウィットワースに直すと それくらいの数字になるという事です. パイプ外径へのねじ切りは、パイプが長くなれば パイプをろくろで回す訳にも行かず、 結局パイプを固定してダイスやチェザー、 もしくはねじ切りバイトの方を回して切る事になりますから、 削り代はできるだけ小さい方が良いのです. ねじ外径3/4インチ(6分)だと削り代が多くなり過ぎ、 7/8インチ(7分)だと山が不完全になります. ちなみに、JISやISOには採用されていませんが、 NPTなど米式の管用ねじはねじ山が ユニファイねじやISOメートルねじと同じ60度になります. 当然ながら、英式と米式では互換性が全くありません. ボルトなど、何かを押さえ付けるためのねじは、 締め付け力や緩み難さという部分で 60度のねじ山の方が幾らか有利になりますが、 管用ねじは管を結合するためのねじで、 基本的にボルトの様な使われ方はされない訳ですから、 ねじ山が55度でもあまり不利益は生じません. 1)に関しては、手元にウィットワースの規格票が無いので、 比較ができず、私には何とも言えません. ただ、実際問題として、管用平行ねじを旋削加工する際には、 ウィットワース用のねじ切りバイトを使用します. 2)に関しては、平凡社の様な大規模な百科事典になら おそらく「ねじ」の項目に計算式が載っていると思いますので、 それで比較してみて下さい. 公立の図書館にも平凡社大百科事典くらいならあるでしょう. もしかしたら、私の記憶が間違っているかも知れませんので、 それくらいはご自分で確認なさった方が身のためになると思います.
お礼
ご丁寧な説明ありがとうございました。 非常に勉強になりました。 上記内容に続け、改めて質問させて頂いたのですが ?参考書等で管用ネジは配管用に山高さが小さくなるように規格されているとあります が他のネジに比べてもそれほど山高さに差が無いように思えます。 実際、山高さは低めになっているのでしょうか? ?締め付け力や緩み難さという部分 55°より60°が有利なのはなぜでしょうか? ご教授よろしくお願いいたします いろいろとありがとうございました。 後は別の参考書等を調べてみようと思います。