鋼材の応力歪曲線と降伏点について

このQ&Aのポイント
  • 鋼材の特性を調べるために引張り試験を行おうと思っていますが、JISハンドブックを見ると、降伏点が厚み毎に規定されています。
  • 同じ材質であっても、試験材の厚みによって降伏点が異なるのはなぜでしょうか?応力の評価は単位面積当たりですから、厚みが変わることで降伏点も変わるとは材質の評価に影響があると思います。
  • 鋼材を使った構造物の弾塑性解析(FEM解析)をする場合、JISハンドブックを適用すると同じ材質でも使用板厚によって材料特性を変える必要があるのでしょうか?
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鋼材の応力歪曲線と降伏点について

お恥ずかしいですが、教えて下さい。  現在 鋼材の特性を調べる為、引張り試験を実施しようと考えてますが、 その前に勉強していると疑問が出てきました。 詳しい方ご教授お願いします。JISハンドブックをみていると、同じ材料で降伏点が厚み毎に規定されてます。(自動車構造用熱間圧延鋼板 SAPH等) JISの引張り試験材をみると厚み規定は「元の厚みのまま」とされており明確な基準はない様です。 そこで疑問ですが、同じ材質で降伏点(N/mm2) つまり応力が厚みによって異なる基準になっているのはどう言うことでしょうか? 厚みによって応力が異なるって事は 同じ材質でも試験材の厚みによりSSカーブが異なるってことになると思います。 応力は単位面積当たりの評価である為、厚みが変わるからって降伏点が変わっては 材質の評価にならないと思いますが。。。どうしてJISハンドブックの降伏点(N/mm2)の基準は厚み毎に変わることになっているのでしょうか?  鋼材を使った構造物の弾塑性解析(FEM解析)をする場合、材料特性を参照しますが、厳密に解析しようとする場合、JISのハンドブックを適用すると同じ材質であっても使用板厚(部位)によって材料特性を変える必要が出てくると思います。 そんなことあるのでしょうか?  宜しくお願い致します。

noname#230358
noname#230358
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noname#230359
noname#230359
回答No.3

回答(2)さんが専門家ということで、興味をもって拝見してましたが私も参加 JISでは、厚さ毎に確かに最小降伏点強さの規定が分かれていて板厚が薄い程 降伏点が高い。SS400は<16で245、16-40で235MPa以上だったと記憶しています 私は今まで恐らく圧延するため表面層の強度が高くなるだろうから薄い板ほど その影響が大きいから、降伏点も大きくなるんだろうと推察しておりました ですから、強度計算する場合も235MPaと低い方でやり安全側にしてますけど それと真応力に拘っているようですが、実務上では降伏するまえのことを考慮 するので余り気にしたことはないです。薄板の変形を考えるときなどは必要? 私は現在、FEMを使う環境にはなく、何れも手計算でやりますので羨ましい ちなみに現在、薄板の変形理論についての本を読んでおり、お邪魔しました

noname#230358
質問者

お礼

「INの涙」様 御回答有難うございます。  私もこれから薄板の事を勉強しようと思っているところです。  幸いにもFEMや、レベラーの実験装置が身近にありますのでいろいろやっていこうと思っているところです。  私がやっているのは 薄板のプレス成形や、レベラーでの矯正ですので どうしても 塑性域の議論になり 手計算では困難な領域です。  ですので 精度よく実験や、解析を進めるとどうしても真応力が必要になり拘っております。 最近では ハイテン材や自動車用鋼板のGA270-D種などを使うことが多く 材料物性には拘りたいところです。 270材もC,D,E,F種で伸び特性が随分異なる為、いっそうのこと 引張り試験機で引っ張ろう と思いますが、試験材の厚みのことが気になって困っていたところです。  何か情報があれば教えて下さいね  宜しくお願い致します。

noname#230359
noname#230359
回答No.2

板厚が薄い場合、板厚と結晶粒径の比率によって降伏応力は変化します。 板厚が薄くなるに従って、降伏応力は減少する傾向があります。 結晶粒に対しての3次元拘束が弱まるためです。 うろ覚えですが、木村宏先生の著書「材料強度の考え方」(アグネ技術センター)に記述があったと思います。 対象とされている板厚範囲に適用されるかは分かりませんが、ご参考までに。 ”専門家”が思いのほか波紋を呼んでうろたえております。 (JISと数値解析は全くの素人です。守備範囲は組織学のみです。) 私が書いた”板厚tと結晶粒径dの関係”は、薄い板の場合に 考慮する必要があります。t/dが20~30以上であれば、ほとんど 影響しなかったと思いますので、今回の件では考慮する必要が ないと思われます。混乱させてしまい申し訳ありません。 1Nの涙様がご指摘の厚さ方向での材質変化は、圧延の他にも 調質熱処理の影響もあるのではないでしょうか? 板厚が厚くなると内部の焼入れが甘くなる可能性が考えられますが、 経験が無く断言できません。 (こういう事を書くと、又いらぬ混乱の元になりそうですが・・・) 公称応力⇒真応力の変換についてですが、精度良く計算するためには ポアソン比と弾性率をいくらで見積もるか?0.3と200GPaでいいか?が 難しいのではないでしょうか? 実際に引張試験をされるのであれば、σt=σn(1+εn)の式は 実測値を用いるので、よりシンプルな解析になると思います。

noname#230358
質問者

お礼

なまはげ様 ご教授有難うございます。  一つ気になり混乱してます。 >板厚が薄くなるに従って、降伏応力は減少する傾向があります。 とご教授して頂いているのですが、JISハンドブックによると降伏応力は 板厚8~14mmで275N/mm2以上  板厚6mm未満で305N/mm2以上 と板厚が減少するほど降伏応力は上がる傾向になってます。 この当たりご教授とは異なる状況で混乱してます。 この当たり参考に教えて頂いた木村先生の本で勉強したく思います。  また 少し勉強したのですが、板厚に関係なく 材料そのものの特性を知りたい場合は 引張り試験機で材料を引っ張った結果を材料のポアソン比を考慮した式 σ=P/A=(σ/(1-νε)^^2 で引張り試験機での公称応力を真応力に変換できるのでしょうか? ご存知でしたら教えて下さい。  宜しくお願い致します。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

簡単に言うと、バネのように弾性変形のみなら問題ないですが、 引張試験は、 試験片が伸び ⇒ 試験片の一部がくびれて伸びる ⇒ 試験片の一部の くびれや亀裂が成長して伸びる ⇒ そして破断する の過程を経ます。 因って、試験片の厚みや幅が異なると、試験片の一部のくびれや亀裂が 成長して伸びるパターンが異なります。 当然、試験片の厚みや幅が同じでも、前述のパターンは異なりますが、 その差は後者の方がずっと少なくなります。 それと同様に降伏点も、上降伏点や下降伏点等々があるので、試験片が 同形状でも応力歪曲線は同一にはなりません。 すると、板厚を同じにして、極力バラツキの少ない応力歪曲線データを 数サンプル作成して、平均化した方が合理的です。 以上の内容からの記述ではありませんでしょうか。 板厚に関しては、回答(2)さんや(3)さんの根拠が論理的です。 SS400の降伏点値を以下のURLから確認下さい。 http://www.kikaikaihatu.com/sekkei/zairyou/tekkou.htm 降伏点は、板厚によって変わります。16t以下 25(kg/mm2)。16tを越え40t 以下 24(kg/mm2) 40tを越える 22(kg/mm2)。1(kg)=9.8(N)。 以上のような記述の記載があります。 貴殿が、先ず回答(2)さんから紹介があった書籍を確認しての再質問が よろしいかと存じます。

参考URL:
http://www.nmri.go.jp/eng/khirata/design/ch02/ch02_01.html http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00324/contents/004.
noname#230358
質問者

お礼

後の先、アフターユー様アドバイス有難うございます。  参考の「鋼材の強さ」は分かり易く非常に勉強になります。 JISのハンドブックによると 板厚毎に降伏点が記述しているってことは材質データではなくて 正確には「厚みを考慮した試験片形状のデータ」となりますね となると 「この材質での降伏応力は○○N/mm2」と評価できないことになりますよね 「この材質で”この厚み”では○○N/mm2」となりますね  もしかしたらJIS は公称応力で評価しており 本当は真応力で評価すべきしょうね 

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