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アルミダイカスト【射出圧・材料】の質問について
- アルミダイカストの射出圧の高低によって、鋳物の機械的特性が変化する可能性があるのか?射出圧が高いと密度が濃くなり硬くなる一方、射出圧が低いと靭性が高まるかもしれない。
- アルミダイカストの材料には、バージン材とリターン材(スクラップ材)の使用によって、鋳物に違いが生じる可能性があるのか?
- アルミダイカストの射出圧と材料について調べているが、良い回答に出会えない。どんな些細なヒントでも構わないので、教えてほしい。
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ダイカスト用材料はJISで規定しています、使用されている材料は ADC12が一番多く、統計的には90%以上がADC12です。 ADC12の市販材は全てリターン材を原料として作られています。 ADC12をバージン材で作れば物理的強度が高いダイカストができるかどうか、それを実証することは困難です。酸化皮膜の巻き込みなどアルミの生まれ以外の要因が大きく強度に影響するからです。一般にダイカストは再生塊を前提とした工法といっていいでしょう。 しかし、ダイカストでも溶接や熱処理を施す、所謂「高品位ダイカスト」では 材質もAC4CH系の材料などを使います、この場合は新塊バージン材を使います。AC4CHのHは新塊の意です。
1.射出圧について ダイカスト製品の強度は基本的には内部の鋳造品質できまります. いかにうまく溶湯をキャビティ内にまわすかがポイントです. そのためには鋳造条件(射出圧等)と方案(どのように湯を回すか,金型のどこを冷やしてどこをあたためるか)を適切に決める必要があります. 適切な条件で鋳造できれば品質のよい鋳物(欠陥のすくない鋳物)ができ,強度/靭性共に高くなります. このように機械特性は鋳物の品質によってきまる,いいかえれば全ての鋳造条件のかね合いで決まるものですので,単純に射出圧が高ければよいとか低ければよい,というものではありません. 一般的には高い鋳造圧でシッカリと溶湯をまわしたほうがキレイな鋳物が出来やすいという傾向はあると思いまが,高すぎても湯の流れが乱れてしまって妙な欠陥が発生するということもあります. このあたりはダイカスト屋さんのノウハウです. 2.材料について 通常,リターン材はバージン材に比べて多くの不純物を含みます. 酸化物が入っていたり,ある元素の成分が高すぎたりして欠陥を作ったりもろい金属間化合物を作ったりすることがあります. 試してみられるといいと思いますが,バージンのみで作られた鋳物とリターンのみでつくられたものを比べると,間違いなくバージンのほうが強度/伸び共に高くなると思います. 経験的にいうと特に伸びが劣化する傾向にあると思います. ご参考になれば幸いです.
お礼
回答有難うございます。 やはり射出圧で鋳物部品の特性は変わってしまうんですね。 射出圧の高・低で鋳造した同一部品を100個ずつ重量を測定したら、 100個で0.3グラムの違いが確認されましたので(圧が低い方が軽い)、密度が大きく変化しているのではないかと思い、質問させていただきました。 材料についても、ロットの最初の方に鋳造された部品は良い鋳物が出来るのに対し、ロットの後半の鋳物は不良が多いと言う問題がありましたので、ロット前半と後半で何か違いはないかと、模索していました。 アドバイスを参考にして、一度、鋳造業者さんとしっかりと打ち合わせを行いたいと思います。 お忙しい中、どうもありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございました。 「再生塊を前提とした工法」ということなので、 材料の再生の方法を調べてみましたが、 不純物を精度良く取り除くことはかなり困難なようですね。 アドバイスを元に、材料の選定をもう一度しっかりと行いたいと思います。 お忙しい中、どうもありがとうございました。