PET樹脂の結晶化とは?ガラス転移との違いも解説

このQ&Aのポイント
  • PET樹脂にはA-PETやG-PETなどさまざまな種類がありますが、それぞれ結晶化の特性は異なります。結晶化とは、樹脂内部の分子が規則的なパターンで並び、硬く透明な状態になる現象です。一方、ガラス転移は樹脂が熱を受けるとガラス状の状態になる現象で、硬さや透明度が低下します。
  • PETシートの結晶化は加熱過多によって発生することがあります。加熱することで樹脂内部の分子が結晶化し、透明な状態から白化し、硬くなります。この状態ではシート成形に適さず、透明度や柔軟性が損なわれます。結晶化を避けるためには、適切な加熱温度や冷却速度を設定する必要があります。
  • 結晶化について詳しく知りたい場合は、以下のURLを参考にしてください。結晶化やガラス転移に関する基礎知識や樹脂加工における注意点が解説されています。
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結晶化について

PET樹脂にはA-PETとかG-PETやいろいろな種類があると思うのですが それぞれ結晶化したりしなかったりとさまざまだと聞いた事があるのですが そもそも結晶化とはどういう現象なのでしょうか?ガラス転移とは意味がまた違うのでしょうか? 私はプラのシート成形に携わっているのですが例えばシートを軟化させるために加熱したとき、熱オーバーになると透明のPETシートが白化しカチカチになってしまいます。これは樹脂が結晶化したからと言う認識でいいのでしょうか? 詳しい方ご教授願います。参考になるURLなども教えていただきたいです。 宜しくお願い致します。

noname#230358
noname#230358

みんなの回答

noname#230359
noname#230359
回答No.1

プラスチック成形やPET樹脂については専門外なのですが、一般的な高分子の性質として、以下の様に考えれば良いと思います。 高分子は、主として炭素原子(その間に酸素、窒素等が入るものもある)が数千から数万繋がって糸状になり、これを主鎖と呼んでいます。この主鎖の原子に、一定間隔で更に炭素、酸素、窒素等が付加されますが、これを側鎖と呼んでいます。 高分子は大きく分けると、結晶性高分子と不定形高分子に分類されます。結晶性高分子は、上記の主鎖と側鎖が規則正しく配列されたもの、不定形高分子は、主鎖の配列に規則性がなく、例えば糸鞠状にバラバラになっている状態と考えれば良いと思います。つまり結晶化とは、主鎖や側鎖が規則正しく配列する事です。ただし結晶性高分子でも、最大80%位の結晶度で、普通は50%位しか結晶化していません。 ガラス転移は、結晶性、不定形問わず出現しますので、結晶化とは異なります。ガラス化とは、例えばガラス転移温度以下になると、上記の主鎖の分子運動が出来づらくなり、物理的に硬くなると考えれば良いでしょう。 高分子の融点は、結晶性を保てる最大の温度と定義されています。PETを融点以上に熱して結晶性をほぐし、押し出ししながら延伸して、再度結晶化させるのがPETシートだと思います。 加熱オーバーして白化し、カチカチになる件は、専門の方にお聞きした方が良いと思います。

noname#230358
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。結晶化とガラス転移の違いは理解できました。結晶化については分子構造の違いなのですね。もっと勉強が必要だなと 感じています。ありがとうございました。

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