変形の少ない焼入れ方法

このQ&Aのポイント
  • 金型の材質であるSKD11、PD613、HPM38、SKH51などの加工方法について、ほとんど変形しない焼入れ方法を知りたいです。
  • 変形の少ない焼入れ方法について教えてください。また、ワークサイズや変形の程度についても教えていただけると幸いです。
  • 真空焼入れは硬度が落ちるものの、変形が少ないと聞いたことがあります。それは本当でしょうか。
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変形の少ない焼入れ方法

SKD11、PD613、HPM38、SKH51等の金型で使用する材質の加工を主にやっています。焼入れしてもほとんど変形しないという方法がありましたら教えていただきたいのですが。もしある場合、どれくらいワークサイズでどの程度の変形なのか等も分かるとなおありがたいです。ちなみに真空焼入れは硬度は落ちるが変形は少ないという話は聞きました。それも合っているのでしょうか。

noname#230358
noname#230358

みんなの回答

noname#230359
noname#230359
回答No.4

 うーむ。どのくらいの変寸のオーダの話なのか分からないので 難しけれどSKHの変寸が気にならないような話し方なので、熱処理 の変寸の基礎を書いておきます。よく、加工屋さんは、何十μmの 寸法管理が出来たとかできないとか言いますが、材料、熱処理屋 サンにはピンとこない。それは、熱処理変寸の問題は、鉄鋼材料 の熱処理による容積変化が基本になります。だから、のびて困っ ている寸法変化率を0.01%のオーダで、時間的変化の傾向がある。 とか、0.1%のオーダで材質に問題がありそうだとかの具体的 寸法変化率の提示が無いと、なかなかアドバイスが難しいです。  基本的に、焼入れすると寸法が変化してしまいます。それを 乗り越える最初の試みは、SKD11の低温焼き戻し条件で行われまし た。それでかなり汎用的な存在になりました。WEDMで割れる場合 もあるこの条件に、いまだにフアンが多いのもそうした事情です。

noname#230359
noname#230359
回答No.3

 サイズにもよりますが、SKD11系統の材料はそれほど緩冷による硬さの低下は気にする必要はないと思います。むしろ急冷による熱処理変形 の心配がありますのでSKD11系統は真空焼入れをお勧めします。しかし ハイスはそういうわけにはいかないので熱処理屋さんにご相談されるのが良いかと思います。  8%Cr系SKD(SLD8,DC53,KD11S)は熱処理変寸が大きく出ます。硬さをむやみに上げる60→62HRCにすると、当然マルテンサイトの原子間隔が広がりますので、膨張変形をおこします。対策としては、SKD11、ARK1等で60HRC狙いにしたほうが良いでしょう。  その他、熱処理時の不均一冷却による変形はプレステンパー設備のある熱処理屋さんが安心です。  変寸は材料特性、変形は熱処理条件で主に変化するので、どちらの現象か、専門家に見極めてもらうのも手です(良くこれを混同する人がいる)。

参考URL:
http://www.nitachi-metals.co.jp
noname#230359
noname#230359
回答No.2

初めまして。 私は、熱処理業務をおこなっています。 基本的にfuruichiさんのおっしゃるとうりと思います。 熱処理をおこなった際に発生する、変形について少し参考の話を・・・・ 変形が起こる要因に、組織が焼きの入った組織(マルテンサイト)になると膨張するために変形するのが一つ。このときに、物のすべてが同時に冷えることは(焼きが入る)無く、冷却速度の速いところと遅いところとの差があり曲がったりする。この変形は熱処理をする際には宿命的につきまとう問題です。 もう一つは、加工時の応力が熱影響により解放され変形を生じる。これは、材トリや、加工の仕方で大きく変わります。この二つが主な要因と思います。 少々わかりにくい文章ですが参考までに・・・・ 実作業において、変寸は材料(材質)自体に依存する面が大きく、変形(曲がり)は形状、応力の因子がおおきいきが個人的にはします。 変寸に対しては材質の選定が重要ですが、曲がりに関しては、技術面でカバー出来る面もあると思います。(熱処理屋さんによりどの位のレベルになるのかは違いますが・・・)ちなみに当社の標準的形状物のでダイス鋼では長手寸法の0.05%以内のまがりを社内標準としています。(400mmで曲がりが0.2mm以内)それ以上の精度は、特別作業で少なくする様にしています。(当社は熱処理屋なので規格をクリアーするのに加工はしない・・・出来ない・・・) 真空焼き入れは硬度が落ちる件ですが、真空熱処理設備の冷却能力に大きく関係していると思います。最近はいい設備もでてきているようです。当組合の装置ではダイス鋼(SKD11、SKD61、DC53等)では、ほぼ通常の硬度を出すことが出来ます。(SKD11の低温テンパーでHRCの62,63) ハイスのSKH51についてもかなりのレベルではいけるのですが、大きい物になるとソルトには勝てず、最高硬度は低くなります。 わかりにくい文章ですが、何かの参考にでもなれば幸いです。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

 初めまして、私共も46年金型屋を営んできましたが、焼入れ後の 変形、割れは悩まされてきました。skdは真空熱処理で行っていますが 変形については、多少良くはなったていぢでス。ちなみに、500mm の長て方向で、0.1~0.15位の伸びは発生いたします。ワークの大きさ と変形は当然比例いたします。また、形状、板厚などによっても大きく 違ってきます。サイコロ上のものは変形しずらいでしょう。熱処理して 変形が全くでないと言うことは出来ません、よって、熱処理後の加工が 現在主流になってきたのでしょう。工具についても、超硬を初めとする 硬度の高いものになってますし、工作機械についても高速で回転させ 薄く削り早く送ると言うのが、現在では主流です。追伸、真空熱処理 でのSKDの硬度は、HRC58前後です。

参考URL:
www.furuichi-tec.co.jp
noname#230358
質問者

お礼

回答どうもありがとうございます。大変参考になりました。

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