DCスパッタ装置自作について

このQ&Aのポイント
  • DCスパッタ装置の自作に挑戦中の方へ、プラズマ放電の起きない原因や真空度の影響について解説します。
  • DCスパッタ装置の自作でプラズマ放電が起きない場合、真空度が低い可能性や電圧が高すぎる可能性が考えられます。
  • 具体的な原理やパッシェンの法則を考えると、真空度がある程度悪くても放電が起きるはずですが、確認が必要です。
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DCスパッタ装置自作について

こんにちは、今現在DCスパッタ装置の自作を行っている者です。(自作といっても原理的な物ですが…) チャンバーの中に、スライドガラスを入れてそれに銅を蒸着する、ということをしようとしていたのですが、まずプラズマ放電(グロー放電?)が起きません。放電しても、アーク放電しか起きずに頭を抱えています。 系の構成としてはドライポンプと、自作で作った高圧発生回路、真空チャンバーは厚さ3~4mmの円柱アクリルパイプです。 ドライポンプは、排気速度1L/minで到達真空度6000Paのポンプを使ってます。 自作の高圧発生回路は、タイマーIC555でトランジスタをスイッチングして、イグニッションコイル(自動車の点火装置に使われてるやつです)で12V→20kV程(推定)に昇圧してます。 また電極の距離は、最初の時に放電が起きなかったので、1cmくらいまでに近づけました。(確かその時にアーク放電が起きたと覚えてます) そこで質問なのですが、プラズマ放電が起きないのは、単に真空度が悪い(低真空)だからでしょうか? また、電圧は高すぎるのは良くないのでしょうか? パッシェンの法則から見ると、多少真空度が悪いとはいえ、放電が起きると考えているのですが…。 どうかご教授よろしくお願いします。

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  • 2SB110
  • ベストアンサー率59% (16/27)
回答No.2

他の方の指摘のとおり、アルゴン等の不活性ガスを入れないとスパッタにはなりません。真空度は作ったチェンバのリーク次第です。 また、直流でプラズマを作ろうとすると、電源は内部抵抗の大きなものが必要です。これが小さいと全部アークになってしまいます。通常は定電流電源を使いますが、それが無理なら効率を犠牲にして、直列抵抗を入れて代用可能かもしれません。 イグニッションコイルでは完全な直流は作れず、プラスマイナスが偏ったパルスが出て来ます。これで直流と見ることもできますが、通電時間が極端に短いので仮に放電が起きても次のパルスまでに消えてしまうこともあります。

rajison
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 内部抵抗が大きい方がアークになりづらいというのは知りませんでした。 一応、Arガスを入れずに大気(N2)で行おうと考えています。 パルスを平滑するために、フィルムコンデンサを付けることも検討してみます。

その他の回答 (3)

  • 2SB110
  • ベストアンサー率59% (16/27)
回答No.4

再度No.2です。 おそらく、普通の車のイグニッションコイルは50kHzでは極端に能力が減少しているはずです。イグニッションコイルはスパークを出す前にバッテリの電圧でコイルに電流を流し、その電流を一気にOFFすることで高圧を発生する動作をします。言ってみれば、電流を貯めていって一気に放出することでLdI/dtなる高圧を発生するのです。従って、「電流を貯める」時間が必要です。これは次のスパークまでの時間として設計されているので、msec以上の長さを想定しています。 なので、本来の使い方をするなら100Hzくらいが上限なはずです。実際、4サイクル4気筒エンジン用の一般的なイグニッションコイルでは6000rpmくらいからスパークが弱くなり始めます。これは100Hzに相当します。 一方、単なるトランスとして使うこともあります。CDIはその好例です。だとしてもトランスには自己共振周波数があって、その周波数以上では性能が極端に落ちます。50kHzで駆動しているということでは相当もったいないことになっているのではないでしょうか。(20kV出るはずが1kVも出ていないとか) 今は入手が難しいですが、ブラウン管テレビに使うフライバックトランスがこのような用途には最適です。ものによっては整流ダイオード内蔵というものもあります。周波数は15.75kHzで最適になるように設計されています。 チェンバの強度は計算式を探して材料の諸元を入力すれば得られますが、あちこちの「つなぎめ」でリークが発生しやすいので気になりました。

rajison
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 確かエンジンの点火においてスパークの放電時間が、エンジンの性能を決めると聞いたことがあります。あまり放電時間が短すぎると不完全燃焼を引き起こすなどと聞いてます。 となると、イグニッションコイルのスイッチング周波数は確かに低いですね。 一応、自作回路の発振周波数を700Hz~1kHzの間くらいで調整出来るように作ったのですが、このぐらいの周波数が妥当でしょうか? チャンバーの圧力はあるアクリル専門サイトの計算式で求めたところ、2.23MPaまでなら耐えれると出たので、大丈夫かと考えてます。

  • 2SB110
  • ベストアンサー率59% (16/27)
回答No.3

No.2です。 イグニッションコイルの出力にフィルムコンデンサをつけただけだと単にパルス振幅が減るだけで直流にはなりません。整流用の髙耐圧ダイオードを通してコンデンサにつなげば直流になりますが、うまくプラズマが立って電流が流れると電圧が下がって来ます。イグニッションコイルの限界です。少しでも改善するためにはイグニッションコイルのドライブ周波数を上げるしかありません。バイク用とかの高回転対応コイルでもせいぜい300Hzくらいまでしか考慮していないと思います。本当はこれの3倍とか4倍の周波数が欲しいところです。

rajison
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 整流ダイオードも必要でしたか…どうにかして手に入れてみます。 ドライブ周波数に関しては、むしろ上げすぎか心配なくらいで、50k~60kHzでドライブしています。 また、真空チャンバは円柱のアクリル材質なのですが、肉厚3mmだと真空度10paはマズいでしょうか…?

回答No.1

>まずプラズマ放電 とは何ですか? 空気中の水蒸気を加熱するとH2Oが解離、電離し、ガス中にイオンや電子と言った誘電体が形成され、絶縁体が導体へと変わり、この状態をプラズマというとなっています。グロー放電はプラズマ状態ではありません。 またプラズマ放電という言葉は無いと思います。 どんな装置なのか良く分かりませんが、スパッタには不順ガスをH2Oなどを排除するために粗挽きを行い、ドライポンプを使う場合もあるとありますが、基本的には不活性ガス(アルゴンガス)を充填するのが一般的だと思うのですが? またDCスパッタは通常数百Vであり、大電流を必要とします(. ターゲットの電圧が600 V で10 A 程度が一般的なようです)、点火コイルでは電圧は高いですが1万分の1程度の電流も流せません。 またマグネトロンが使われる事が多いのでは無いでしょうか・ 参考資料 http://akita-nct.coop-edu.jp/assets/uploads/2014/12/a2d7b07e07af58e14c07ecaa9e7c6c59.pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvsj2/53/8/53_8_480/_pdf

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