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バックロードホーンの開口をほぼ塞いだときの動作原理
吉本キャビネットのバックローデッドホーンBW-800にFOSTEXの8cmmフルレンジOMF800P(Stereo誌の付録)を取り付けました。ホーン開口部の一辺にハガキ3枚分(約0.6mm)の隙間が空くようにして残りの開口部を全て板で塞いだところ、完全に塞いだ場合に比べてかなり低音が出ることが分かりました。キャビネット内部に音響迷路を備えたスリットダクト(開口面積74mmX0.6mm)方式とでも言うべきものですが、このような非常に狭い開口のダクトでもバスレフ動作をするものでしょうか? 低音が増強される原理を教えていただけると嬉しいです。
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こんにちは。 オカリナ状態で低音が鳴っているのではないですか? 瓶の口を吹いて鳴らす場合、開口部を指で塞いでゆくと共鳴音が低くなるのと同じと考えて良いでしょう。 諸条件があり曖昧になりますが、ヘルムホルツ共鳴器 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%84%E5%85%B1%E9%B3%B4%E5%99%A8 の方法で近似的な値を計算する事はできると思います。 なお、振動源は直接的にはスピーカーではなくハガキ3枚分のスリットと考えた方が良く、スリットが塞がれた場合、空気の流れに渦 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%B3%E6%B8%A6 が発生しませんし、広すぎてもスリットを通過する空気の流速が落ちて渦は発生しにくくなります。 この渦と共鳴が、オカリナやフルートの発音原理なのです。 スリット共鳴の場合、スピーカーは空気の加圧機としての働きになりますので、スリット出口で位相が反転して、理論的にはスピーカー前面と同位相になっている筈です。 ご想像の通りバスレフに同じという事です。 なお、キャビネット内のバックロードホーンの構造は共鳴器への到達遅延とかフィルター効果など音響迷路的抵抗として働く可能性があり、単純なバスレフとはやや異なる音になると予想されます。
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- iBook 2001(@iBook-2001)
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再び iBook-2001です♪ コメントをいただき、ありがとう御座います。 さて、『特にF#4(367Hz)が響いてしまい』という具体的なお話、これは大変貴重な情報の1つですねぇ。 単純に、この周波数の波長を計算してみますと、おおよそ98センチ。 半波長49cm、1/4波長が24.5cm、1/8波長は12.25cm BW-800の図面から、似たような寸法が在るんじゃないか?と思ってザックリ眺めてみますと、左右幅の内寸が9.2cm、奥行き方向の内寸が19.2cm、ホーン全体の長さがおおよそ90cm程度と思われ、なにやらかなり近い値が重複しているように思われますねぇ(苦笑) 楽器等でも、単純な距離とかの数値で音階が成り立つ事は無く、いろいろな要素が組み合わさった状態で仕上げられています。 上記の単純計算は、あくまで「単なる計算値」ですので、現実の共振/共鳴現象とは割と大きな誤差が出て来るはずなので、私の概算値が計算値とかなりズレていますが、可能性としては否定しきれないと思いますよ。 あと、9mmのMDF材という事なので、板振動の影響も少なくないだろう。と予想します。 私も、あまり高価な板材は手が出せていませんが、イロイロな物で箱を造って来ました。 その経験から、MDFは全ての方向に対して均一な強度を持つのは良い事なのでしょうけれど、結構固有の音が出やすく、塗装等での音の変化がかなり大きく感じられましたよ。 昔から熱心なBHファン(長岡氏のファン)の方々が、全く同じ材料で、全く同じ組み立てなのに、「鳴き合わせ」を行なうと、それぞれ音が違うというたのしみも過去の記事には出ていました。 総合的な結論としては、「箱のエージング」の程度と、塗装等で板の振動具合が変わる事での影響だろうと言われます。 長岡氏は、基本的に塗装無しの状態で利用される事が多いのですが、妙に艶やかで滑らかなとを出した箱は、内部も何度も丁寧に塗装を行い、2年程鳴らし込んで聴感チューニングを積み重ねて仕上げた作品だったそうです。 (さすがに、師匠の長岡氏も、頭を下げたとか。。。) なお、BW-800の図面を眺めてみて、私個人としては特に問題がある設計では無く、むしろ正確な加工で組み立てしやすい事と、アレコレいじっていない分、自分の環境で好ましい音にチューニングしやすい物だと考えます。 BHは、とにかく「箱のエージング」が必用と言われ、短時間でも一ヶ月、長い場合は1~2年で音が馴染む。などの話も在ります。 まぁ、あれこれ言っても、「試しに密閉にしてみよう」という発想から、僅かな隙間を持たせたら、なかなか良い感じに鳴ってくれた。という結果は、私も予想すらしなかった「成功例」で間違いアリマセン。 なお、私もスピーカーの測定にも興味が在ります。まだ中学生だった頃は近所のオーディオファンの方にお借りした、ワーブルトーンの音をマイクで受けて、そのときの音量(アナログレベルメーター値)をグラフにチェックして折れ線グラフを手書きで行なう。などの物も有りました。 この時に、マイクを「リスニング位置」に置いたときと、スピーカーから1m程の正面に置いた時、全く違うグラフに成ったのが、当時は「なんでろぉ~?ナンデダロゥオ!」って思いました。 リスニングポイントでは「部屋の反射音や共鳴音、定在波などの影響が含まれる」という事を、後に理解したのです。 十年程前から、コンピューターを利用した周波数測定なども行なっていますが、正式な「無響室」でも、しっかり校正された「測定用マイク」でも無いし、測定結果の画面表示をそのまま鵜呑みにはせず、マイク位置やコンピューターソフトの特徴などを踏まえた「相対評価」は出来そうな測定結果として活用しています。 室内定在波などの影響は500Hz以下に大きく出てしまいやすく、5kHz以上は室内反射の影響が出やすい。 さらに、ほとんどの「コンピューターソフト」では、数百Hz以下の分解精度が極端に悪く成り、出ていないはずの範囲が出ているように表示されたりする事も多いので、チョイト脳内補正しながら眺めましょう。 また、シッカリした測定用マイクなんて、ビックリする程高価ですし、ラフな扱いで特性変化する等、扱い方も面倒。 と、言う事で、比較的安価なマイクを利用しているのですが、マイク自体の特性が在りますし、ましてや個体差なども在りますから、その点も割り引いて結果表示を眺めておきます。 なお、中学の頃から測定にも興味を持ったので、いろいろなテスト信号を再生させ、実際に何本かのスピーカーを壊した経験もあります。 そういう経験則から、今では「ピンクノイズ」を、静かな時間帯に大きくない音量で再生させるようにしていますし、スピーカー自体の特性が得やすいよう、スピーカーを部屋の中央付近に置いて、マイクはメジャーで50cmになるようにしてデータ集めを行なっています。 (もちろん、マイクスタンドやマイクケーブルの防振にも、ちょっとだけ配慮。) こんな状態でも「素人の簡易測定の域」に過ぎませんからね(笑) あ、そうそう。私のアバター?ミニ画像は、下の方、手前に過去に6N-FE88ESのために組み立てたBHで、バッフル交換式にして、撮影時はエルシー電気のLC-12Sというユニットを組み合わせたときの物です。BHの基本設計は同級生のオリジナルで、本来はFE-103Σ系の為に造ってみた物。友人オリジナル設計でもあるので、材料費×2の予算で造ってもらいましたよ。(ただ、私の手持ちユニットが違ったりするので、バッフル交換出来るようにしてもらったのと、実際のサイズが小さめな6半ユニットもどうにか取り付けで切るインナーバッフルサイズにリクエストし、仕事の合間でおおよそ3ヶ月で出来上がって来た物です。もちろん、無塗装でしたが、前面の外周部はルーターで曲面加工され、オリジナルより立派な外観!、半年ほどで、塗装をどうしようかなぁ、、と思ったあげく、白木用オイルを刷り込む事にしました。内部構造は12mmラワン合板で、外観は15?18mm?のパイン集成材(の綺麗な面だけ利用)という、そのままでも綺麗だったのです。でも、オイルを用いたら、心持ち「音がマイルド」に感じたのは、単なる「気のせい」かもしれません。爆笑) BHスピーカー、私の記憶の中での日本メーカーの一般販売は、日本Victorと三洋電機のオーディオブランド、OTTOに存在したはずです。完成品では無く、単売ユニットと組み合わせ箱とう形では三菱のダイヤトーンとか、、、ジャンルが違いますがステージ利用等の業務用ではJBLとか、その模倣?という形では音響(現:ONKYO)とか、コーラルやフォスター(フォステクスの親会社。今はフォステクス社自体が親会社に吸収され、フォスターの一部ブランドという状態)とか。。。 とにかく、設置した環境によっても聞こえ方が大きく変わったり、十分な鳴らし込み(エージング)が済まないと強いクセが感じられたりと、大きくてコストがかさむBHスピーカーは、大手メーカーがほぼ撤退してしまった過去の方式です。 しかし、扱いが難しいけれど、良い特徴を多く引き出し、弱点をより少なく出来た場合、他のスピーカー方式でなかなか得られない音味も得られるので、今でも多くのスピーカー工作ファンには好まれる方式の1つなのでしょう。 なお、ハガキ3枚分の隙間、極端なスリットバスレフ?のような状態ですが、よりハイパワーなユニットで大音量再生を行なえば、強い圧迫感のある鈍重な低音感と風切り音(ノイズ)が出てしまうと思います。 ユニットと箱の組み合わせと、その上での実験結果。これを「成功」と評価しないのはダメです。何事も「全ての条件下で成功する」という物は有り得ませんからネ♪
お礼
iBook-2001様、またまたありがとうございます。実は、完全に密閉してもF#4の共鳴は残りますので、貴説の通り、音道の長さに関係しているようです。こういった調整の難しい方式のキャビネットは、メーカーでは扱いにくいでしょうから、自作にぴったりの領域ですね。物理の勉強にもなりそうですし、もう少し遊んでみようと思います。
- iBook 2001(@iBook-2001)
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はじめまして♪ 『音響迷路を備えたスリットダクト(のバスレフ)』と考える事が出来ないとは言切れませんが、はたしてこの表現で正しいのか?正確なのか?という部分には、多少疑問も残ります。 まず、ホーン形状が折り返しに成ってしまうバックロードホーン(BH)の場合、折り返しの1つ1つがそれぞれ違う共鳴管という動作も伴っています。 しかし、全体的な動作としては、ホーンを形成している状態ですし、その開口部を僅かな隙間を残して塞いだ場合、どちらかと言えば、TQWTにも似た動作も加わっている可能性もありますねぇ。 いろんな方向から考える事も出来ますが、John_Papa様のオカリナ説、コレはイイですねぇ♪ BHだ、バスレフだ、音響迷路だ、TQWTだ、etc..と言っても、結局は「共鳴現象」を活用した方式ですし、それならば、管楽器類の考え方を持込んじゃった方が理解しやすいかもしれません。 楽器の場合は、かなり限定された周波数だけの強い共鳴音をえるので、一定の音階が実現出来ます。感の長さを変えたり、幾つもの穴の抑え方を変えたり、奏法によって、様々な音階を得られるのが「楽器」です。 今回は、いろいろな要素による動作も複雑に組み合わされ、御質問者様の実験例の用にハガキ3枚分の隙間で、ちょうど良い効果を得た。という事でしょう。 実は、私もフォスの8センチユニット(6N-FE88ES)用に組み立てたBH、下の開口部に物を置いて、ほとんど塞がった状態に成ったまま音を出したら、あれ?なんかマイルドな音で、これなら比較的大音量にしていない状態でも、それなりに良いでは無いか?と思った事が在ります。 ただ、いつもの様に、シッカリ大きな音にすると、BH特有のふわりとした低温感が得られなかったので、そのときは「やっぱり、正しい動作が出来ないと、ダメんだなぁ。」という位にしか思っていませんでした。 その発展系の先に、御質問者様が成功したような状況が得られたのでしょう。私にはBHの良さは、こういう方向だ!という、無意識のバイアスが在ったのかもしれません。 この他に、塞いだ板がさほど強度が高くない場合、その板自体が適度に振動する事でも低域増強に一役買っているかも知れません。 BHは、本来のフルサイズホーンとは大きく違い、非常に短い部分でちょん切っているような状態(ショートカットホーン)です。実際に100Hzを再現するフルサイズホーンであれば、開口部が大型液晶テレビなみの大きさに成りますし、その大きさに成るまでホーンを延長しますと、巨大過ぎて大変な事に成ったりしますので、非現実的なのです。 ショートカットされて、空間放射のマッチングが悪い状態なのがBHの泣き所。 そこで、開口部に「適度な音響負荷」を行なった事で、良い結果が得られたのかもしれません。 子供の頃からウン十年とスピーカー工作を楽しんでいますが、こういう方向のスピーカー製作研究等に遭遇した事は無かったと思います。 実にユニークな状況ですので、どんどん探求しながら、他の箱やユニットでの実検等も可能ならば、是非とも行なってみて下さい。 ユニットの緒元から想像できる、箱の大きさとスリットバスレフという考えでは、まず「低域増強効果」は感じられないはずです。 BHの箱だったから、効果が有った。という事だけは、ほぼ間違いないでしょう。 なお、キッチリとした数多くの実検や測定等を繰り返しませんと、今までの各種の考え方から導き出す理論は、あくまで「憶測や可能性」から導かれた「一説」でしか無いでしょう。 しかし、プロの技術屋では見つけられない、非常に多くの実検(失敗例)を積み上げたアマチュアの「一説」は、高い信頼を得たりする事も有り得ます。 (そもそも、BHの時代が大昔に終わったはずなのに、世界中に多くのファンが今も居るのは、故:長岡氏の功績です。大昔はJBLなど、大手のスピーカーメーカーもBHシステムをラインナップさせていた時代は在りますから。) http://audio-heritage.jp/JBL/unit/4520.html http://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/autograph3.html なお、低域感増強と感じた場合でも、たまたま利用している巣津内音響特性とかとのマッチングや、試聴距離や試聴音量等でも違って来る場合がありますので、「検証」にはイロイロな部分での変化が在る事にも配慮しながら、ガンバってみて下さい♪
お礼
iBook-2001様、ご回答ありがとうございます。この箱の設計では、音響インピーダンス整合器よりも共鳴管としての性格が大きくなってしまっているようです。ボーカルの領域に凹凸が大きすぎ、特にF#4(367Hz)が響いてしまい、音楽を聴けるような代物ではありません。仕方がないので密閉型にするつもりで、ホーン開口を板で塞ごうとしたときに、偶然スリット方式になったのでした。残念ながら成功というには程遠いです。
- sailor
- ベストアンサー率46% (1954/4186)
実際に試したことはないですが、1/2波長の共鳴管となった場合スピーカーの振動との位相差の問題(内部の共振はスピーカーとは逆位相になるのでは?)でスピーカーがスピーカー&ドローンコーンとして働くことはないでしょう。まぁバックロードホーンのように複雑な経路を持っているのであれば完全な逆位相にはならないかと思いますが、内部の構成による気柱共振の状況が複雑になる分、共振周波数近傍で非常に不安定な起伏の多い周波数特性になるかと思われます。 過去に、1/4λの共鳴箱はフォステクス製の4in"ユニット二発で1/4λ共鳴箱を作ったことがありますが、共鳴箱の開口部は色々とサイズを変えて(背面後方にスリット状の開口部を設けてあったので、振動版面積の1/2程度の開口部で一番良い結果が得られたと思います。あまり大きいと締まりがなくブーミーな音になるし、小さすぎるとある一部の音域のみが強調されてしまう感じでしたね。)試しましたが開口部の位置(必ずしも管の恥である必要はない)や形状(私はスリット状しか試していませんが幅を狭めて縦長にしたほうが良い感じでしたね。
お礼
sailor様、ご回答ありがとうございます。考えてみれば普通の密閉箱は1/2の共鳴箱と言えなくもないですね。複雑な仕切りがあれば、動作も複雑化するのは道理です。 スリットの形状や面積は色々と試してみると面白そうですね。マイクを入手してPCで特性を測定できれば良いのですが、実力が伴いません。
- sailor
- ベストアンサー率46% (1954/4186)
バスレフというよりも1/4波長の共鳴管として動作していると思われます。 実際にユニット背面にテーパー形状になるように共鳴管を配したシステムもあります。片側が閉じた管であるため共鳴波長は管の長さの1/4となるのでそれほど長い管ではなくても共振周波数はかなり低くなります。また、テーパー状にするのは定在波が残らないようにするためです。 バックロードホーンのエンクロージャは状況によっては共鳴管の要件を満たすためホーン開口部を塞ぎホーンとしての動作を止めたときに共鳴管として動作したものと思われます。
お礼
sailor様、早速のご回答ありがとうございます。なるほど、わずかなスリットでも共鳴管の開口端として働くということですね。そうだとすると、ホーン開口を完全に塞いだ場合は1/2波長の両端閉塞共鳴管として動作し、コーン紙を通して低音が放射されるということになりますでしょうか?
お礼
John_Papa様、ご回答ありがとうございます。オカリナだとすると、内部の音響迷路部分は原理的にはあまり関係ないみたいですね。完全に塞いだ場合に比べて、割とスピーカーユニットから放射される低音の量が増える感じなのが気になるのですが、測定できないとなんとも言えませんね。 なお、実測したページを見つけましたが、スリットまではやっていませんでした。http://www1.kcn.ne.jp/~bamba/simulation/exitfilter/index.html