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平安男性貴族の上臈・下臈とは
源氏物語の注釈に取り組んでいます。女性の下臈は、辞書にも語釈があるのですが、男性の場合はそれにはあてはまらないように思います。 夕霧や柏木を下臈と呼んだりします。調べると、明月記研究1999年11月 4号には 「藤原実房当時従二位、権大納言であり、藤原隆季当時正二位の下臈にあたる」とあります。実房の出自は精華家で左大臣でしたから、下臈とよばれることが腑に落ちません。男性は時期により下臈だったり上臈だったりするものでしょうか。
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いや、ここでは相対的に身分が低い、という意味で使っています。 藤原実房は当時従二位で、当時正二位の藤原隆季よりも身分が低い(下臈にあたる)
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- Biolinguist
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ここでは、男女の違いとか、昇進が可能かどうかというのは、全く関係ありません。 「藤原実房当時従二位、権大納言であり、藤原隆季当時正二位の下臈にあたる」 という記述の仕方が特殊なだけです。 普通は絶対的に身分が高いか低いかを言うのに、この『明月記研究』の記述だけが、相対的にAに比べてBのほうが身分が低い、という意味で、「下臈にあたる」と言っています。 「AはBの下臈にあたる」=「AはBより身分が低い」 つまり、この筆者の使い方が特殊なだけです。 なお、後に身分が高くなるとしても、若い頃まだ身分が低い頃は、「まだ下臈だ」ということになります。 「御兄人(せうと)堀河の大臣、太郎国経の大納言、まだ下らふにて内へまゐり給ふに」『伊勢物語』 身分が上がる、昇進があるという意味では、「男性は時期により下臈だったり上臈だったりする」とは言えます。
お礼
たびたびのご回答ありがとうございました。お礼や補足質問に追加回答が付く事態があまりないことのように思っていましたので、締め切ってしまいました。 そもそもの出発は「それより 下臈の更衣」とは、相対的、年功序列的、業績評価的な等級だと思い込んでいたのが、調べると家柄のランクにより固定のものでしたので、男性はそうではなさそうなことに違和感があり、事典類を見ても男性の下臈、上臈について説明しているものがなく、男性と女性の違いをしりたかたのでした。質問のが悪くてすみませんでした。ありがとうございました。
補足
Biolinguistさん ありがとうございます。どうしても、女性との比較をしてしまいます。 女性の「下臈女房」とか「下臈の更衣」とかは出自により絶対的に決まっているものですね。男性と女性では使われ方がまったく違っていたということなのですね。