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「楽しかった でした」がだめな訳は?

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回答No.4

 nekonekogooさん、こんにちは。  ちょっとややこしい話しになってしまうかも知れませんが、少々我慢して見て下さい。  「楽しい」という語は「形容詞」です。  日本語には、形容詞の種類が2つあります。ひとつは「ナ形容詞」と呼ばれるもので、「静かだ⇒静かな(場所)」、「便利だ⇒便利な(場所)」など「~な」という形で名詞を修飾するものです。この「ナ形容詞」は国文法で「形容動詞」とも呼ばれますが、日本語教育では「ナ形容詞」あるいは「第二形容詞」と一般的に呼ばれています。  もうひとつは「イ形容詞」と呼ばれるもので、「高い⇒高い(本)」、「厚い⇒厚い(本)」など「~い」という形で名詞を修飾するものです。この「イ形容詞」は国文法で単に「形容詞」と呼ばれるものであり、日本語教育では「イ形容詞」または「第一形容詞」と呼ばれています。国文法では「楽しい」、「おいしい」のように「~しい」で終わるものと「赤い」、「安い」のように「~い」で終わるものとを区別して考えることもありますが、日本語教育では特に区別して考える必要はないとされています。  さて、なぜ「楽しかったでした」、「おいしかったでした」が誤った用法なのかということですが、「形容詞」に「です」を付ける表現、例えば「楽しいです」は誤った表現ではなく、国文法あるいは日本語教育でも認められている正しい表現です。  この「形容詞」に「です」を接続させる用法は日本語教育で扱う場合においても、特に注意を要する項目のひとつとされています。  一般には口語の形容詞の未然形は「~かろう」(楽しかろう)となっているのですが、現在の口語でこの形は特殊な場合を除いて使いません。  形容詞に意志形、命令形、勧誘形は存在しません。しかし、推量の表現は   たのしいだろう⇒たのしいでしょう    やすいだろう ⇒やすいでしょう   べんりだろう ⇒べんりでしょう となります。ただ、ここで注意しなければならないのは、形容詞が文中で述語の役割を果たす「形容詞述語文」が引用として思考を表わす動詞といっしょに使われるときです。   これはたのしいです⇒これはたのしいでしょう   これはやすいです ⇒これはやすいでしょう   これはべんりです ⇒これはべんりでしょう となっている文が引用の文として、「…と思います」という用法の中で使われると、「たのしいです(やすいです)」の場合、つまり、「イ形容詞」のみ「です」が落ち、その他(べんりです)では「です、でしょう」が「だ、だろう」として残ります。   これはたのしい(やすい)        と思います。   これはたのしいだろうと(やすいだろうと)と思います。   これはべんりだ  と思います。   これはべんりだろうと思います。  この現象は、やっかいなことに「です」を付けて使うもの、例えば、次のような場合には起こりません。        これは本です。        これは本だ    と思います。   これは本でしょう。      これは本だろう  と思います。   それはあしたです。      それはあしただ  と思います。   それはあしたでしょう。    それはあしただろうと思います。  つまり、このことから次のようなことが分かります。   これはたのしい(やすい)です。 の「です」は、「これは便利です(ナ形容詞)」、「これは本です(名詞)」の「です」とは異なる機能を持つ「です」だということです。  助動詞の「です」は丁寧な断定を表わします。それで、「これは本です」、「これは便利です」という言い方は、「これは本だ」、「これは便利だ」よりも丁寧で、「です」の断定の働きをそのまま受け継いでいます。しかし、「これは楽しいです(安いです)」の場合は「楽しい(安い)」という「イ形容詞」にすでに断定の意味があり、「です」は丁寧さを表わすだけの働きになってしまっているのです。断定を表わす部分が時制などの影響を受けて活用する部分です。ですから、「ナ形容詞」、「名詞」に接続する「です」は丁寧さを表わすと同時に断定を表わし、且つ時制によって活用するのに対し、「イ形容詞」に接続する「です」は丁寧さを表わす点では前者と同じ性格を持ちますが、断定を表わす部分はすでに「イ形容詞」が担っており、また、「断定を表わす部分が活用する」という法則から、活用するのは「楽しい」の部分であって、「です」の部分ではないということになります。  「楽しかったでした」は「楽しかったです」が正しく、同時に「おいしかったでした」は「おいしかったです」が正しいということです。  ずいぶん回りくどい説明になってしまったと反省しておりますが、お役に立てれば幸いです。  では、失礼いたします。        

nekonekogoo
質問者

お礼

アドバイスありがとうございました。 友人に日本語以外でこれを伝えるという課題はさて置いて、納得できました。 実は、私文法が好きなのです。今回この件で少し調べていて、自分が「形容動詞」として教わったものが最近では形容詞(第2形容詞)として解釈されていることを知りました。 私は形容詞は「かろう・かつ・くう・い・い・けれ」形容動詞は「だろう・だ・で・に・だ・な・なら」と変格を覚えた記憶がありますが(一部いいかげんな記憶)、友人はそういう教わりかたはしていないそうです。私も、この変格が役に立ったという覚えはぜんぜんありません。そのような事をまったく知らずとも話せる「母国語」って面白いなぁと思います。そして、母国語としない人がどうやって習得していくのか、とても興味があります。興味だけでは役に立たないんですけれどね。。。 どうもありがとうございました。

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