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建物の地震に対する設計考え方とは?
- 超高層ビルと普通の住宅の地震に対する設計の考え方が異なります。
- マンションの設計基準は地震動との共振を避けるために強く作られています。
- 共振した場合、応答は何倍も増加し、建物は倒壊の危険性が高くなります。
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建物を弾性で設計しようとすると共振で応答加速度が過大になり設計不能になる可能性がありますが、建築基準法では弾塑性で設計するとしているので、履歴ループのエネルギー吸収による減衰で過大な共振は起きないとしています。 建築基準法では例えばRC造で壁が多く固有周期が短めの建物は静的外力として一階で550galの水平力で建物の安全性を検証し、鉄骨造で固有周期が長めの建物は250gal程度の水平力で検証します。 どうしてこの応答加速度で設定したかは公式な資料がないのではっきりしたことは言えませんが、あらゆる型の建物の振動解析を行った結果を統計処理して決めた値だと聞いております。
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- SPROCKETER
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阪神大震災の時は5階建てぐらいの高層建築物が倒壊している例が多かったですね。共振作用が原因だったようです。 10~15階建ての高層ビルを建てても、共振が起これば5階ぐらいが破損する危険があるでしょうから、安全とは言えないでしょう。 今の耐震設計の高層ビルは、免振工法を使って対処する方法を取れますが、工費が20%ほど割高になるようですし、耐震偽装で問題になったメーカーもあるなど、信頼性の面で不確かな部分があるようです。 免振工法と言っても、土台にゴムと鉄板を積み重ねた板を置く方法から、屋上に水タンクを置いて、ポンプで水を移動させて振動を吸収する方法。ビルの構造部に振動を吸収するアームを取り付けて、地震が起こると強制的に振動を弱める方法など、色々な方法が考案されているようです。 共振周波数の問題だけではなく、揺れが大き過ぎて構造破壊を起こした場合は、計算通りに行かない可能性もありますから、一概に言えないだろうと思います。 高層ビルの場合は横揺れには強くても、直下型地震の縦揺れに弱いようで、縦揺れでビルの構造部が破損したり、倒壊したら、意外と脆いかもしれませんね。ビル全体が崩落する事態もあり得ますね。
お礼
実際に建築基準法に従って普通に設計した場合にどうなるか知りたいです。阪神大震災のJR鷹取では1秒ちょっとのところに応答スペクトルのピークがありました。これは木造や鉄骨造に厳しいのではないかと思います。 ところが熊本地震の益城では0.3秒と0.6秒のところにあります。これは意外とRC造に厳しいのではないかと思います。 >10~15階建ての高層ビルを建てても、共振が起これば5階ぐらいが破損する危険があるでしょうから これは81年以前の旧耐震建物ではないでしょうか。当時の基準ではAi分布が5階くらいでガクッと下がっていて弱点になっていました。 阪神大震災では古い木造家屋の倒壊が圧倒的に多く、マンションの倒壊は目立ちませんでした。実際の地震動も応答スペクトルで1秒超にピークがあり、木造家屋の終局時の固有振動数と一致したために軒並みやられてしまったという事のようです。そういう地震波は5階建て以内の低層マンションにはあまり影響無いように思います。 >共振周波数の問題だけではなく、揺れが大き過ぎて構造破壊を起こした場合 そもそも共振を起こした場合には揺れが何倍も増幅して大きくなるから問題なのであって、つまり共振しなくても揺れが大きいという事は何倍も大きい地震が来るという事です。それはちょっと非現実的かと。 >ポンプで水を移動させて振動を吸収する方法。ビルの構造部に振動を吸収するアームを取り付けて、 これらは免振と言うよりは制振ですね。主に高層ビルの風揺れを抑えるのに用いられていると思いますが。 >高層ビルの場合は横揺れには強くても、直下型地震の縦揺れに弱いようで、縦揺れでビルの構造部が破損したり、倒壊したら、意外と脆いかもしれませんね。ビル全体が崩落する事態もあり得ますね。 確かに超高層ビルの場合には横揺れは柔構造なので強く作らなくてもいい分だけ縦方向の安全率は下がっていると思います。ただ縦にビルが潰れるというのは韓国の百貨店などでよく見る現象ですが。
お礼
ご回答ありがとうございます。なるほどそういう理屈で静的外力とみなして設計に落とし込んでいたのですね。550galとかいう数字は計算もしてるでしょうけれど既存のルールからあまり変わらないように鉛筆なめたりもしているでしょうし、まあ知ってる人しか知らないでしょうね。