増資による希薄化と、1株当たり純資産の増加(日航について)
9205JALが、7億株(+オーバーアロットメント上限5000万株)の公募増資を発表しました。
OAなしと仮定しても、発行済み株式の35.3%に当たります。
発表前日の終値から、希薄化分を単純に割り引いて計算すると212円まで下落していいことになります。
実際に、発表翌日には大きく窓を空けて下落しました。
一方、1株当たりの株主資本は株価より低いので、増資により上昇します。
仮に7億株×212円が株主資本に加わったとすると、
増資前¥74.69 → ¥149.5
公募価格はもっと高くなるでしょうから、倍以上の大幅改善です。
この増資は既存の株主にとってそんなに不利益なものなのでしょうか?
今回の増資で社債の償還資金は確保できるとしても、すぐにこの会社が立ち直れるとは考えにくいと思います。
とすれば、配当は当分出ないだろうから、権利希薄化による影響は目に見えない。解散価値のほうが重要だ、という考え方もなりたつでしょうか?
いまのところ下値が堅いのは、莫大な売り残があるためだと思います。
それとは別に、理論的にはどう考えるべきなのでしょうか。