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マイグレーションについて

chisayaの回答

  • chisaya
  • ベストアンサー率50% (2/4)
回答No.3

私もまだまだ勉強中なのですが…。 まず(1)と(2)には同時に答えさせていただきます。 発生メカニズムの違いこそが、エレクトロマイグレーションとイオンマイグレーションの違いだからです。 エレクトロマイグレーションは、 「電子の流れにより原子が押し流される」 ような現象であると考えてください。電子部品の設計者の方ということですのでご存知とは思いますが、最近の半導体では、細い配線にかなりの大電流が流されます。ですから、原子に働くクーロン力より電子による力が大きくなったることがあります。すると、「電子の流れによって原子が押し流される」というような現象がおきてしまいます。押し流されるわけですから、軽い原子(Alなど)でおきやすいことになります。原子が移動するわけですから、もとの場所は空洞になるので、配線が細くなり、そうするとさらに電流密度が上がる…ということの繰り返しにより断線する、または移動した原子が蓄積していき、近くの配線と接触する(ショート)がおきます。 イオンマイグレーションは、人によってはエレクトロケミカルマイグレーションとも呼びます。名前から予想がつくかもしれませんが、 「化学反応・電気化学反応がかかわっている」 のがイオンマイグレーションです。水分が存在するとき、金属が(陽極で)化学的に溶解を起こしてイオンになり、そのイオンが電位差のある電極(陰極)に向かって移動していきます。この溶解・析出の過程を繰り返しながら金属が成長し、ショートします。化学反応が絡んできますから、反応性の高い(イオンになりやすい)金属(Al、Agなど)ほど起こりやすいです。水分は化学反応を起こすための電解質として必要になります。配線材料、表面の汚染状況によりますが、大気中に存在する水分で充分おこる可能性があります。金属の溶解の起こる電位環境にするため、イオンを移動させるために、電圧印加が必要になります。 これを押さえておけば、エレクトロマイグレーションとイオンマイグレーションがそれぞれどのような環境でおきやすいか分かると思います。 エレクトロマイグレーション→流れる電子による力が大きい環境ほどおきやすい。具体的には、電流密度が大きい、温度が高いとおきやすい。(他にも結晶粒のサイズや他元素の添加の有無にも左右されます。) イオンマイグレーション→化学反応が活性になる環境でおきやすい。電圧印加による表面(界面)の電位が、材料の腐食・溶解を起こす環境である場合おきやすい。湿度(相対湿度)が高く、温度が高いと(正確には、化学反応のおきやすい湿度・温度になると)おきやすい。(他にも電極間(陰極・陽極間)距離や、表面汚染物質の有無にも左右されます。 Agのマイグレーションについては「半導体デバイスの信頼性技術」(日科技連出版)にその過程などが書かれていたと思います。 (3)のイオンマイグレーションとエレクトロマイグレーションの評価(確認)方法は、どの用なサンプルを測定するかにより変わってくると思います(材料、汚染の有無)。ですが、メカニズムさえ頭に入れておけば適した試験(確認)法はおのずと選べると思います。 材料がAgであるなら、水分と印加電圧があれば汚染がなくても必ずマイグレーションを起こします。ですから、当然水分のある環境ではエレクトロマイグレーションの評価に向いていません。逆に大電流を流す試験ではイオンマイグレーションの評価に向いていません。 現在マイグレーションを起こしているサンプルがすでにあり、それがどちらによるものか確認するということであれば、SEMなどによる観察で、ある程度推測は可能です。イオンマイグレーションであれば、化学反応による溶解→析出を繰り返しているので、その形状は樹枝状になると思います。エレクトロマイグレーションであれば、比較的まっすぐ(表面がぼそぼそしていない状態)に成長していると思います。 余談ですが、私もマイグレーションについて質問したのですが、まだどなたにも回答をいただけていません。「その他」ではなくて、「化学」にしたほうが良かったのでしょうか…。それとも材料があまりマイグレーションを起こさない材料(Au)だったのがまずいのか…。

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