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民事訴訟法の多数当事者訴訟について

こんにちは。 民事訴訟法の多数当事者訴訟の事例について分からない部分があるのでご教授お願いします。 事例は以下です。 フェリーの事故で死亡したAの遺族Xはフェリー運行会社のYに不法行為として損害賠償請求をした。争点整理手続きを行った結果、Y側の過失を基礎づける事実として船舶の構造的欠陥が指摘された。 この訴訟の係属中に船の製造者B、船の設計者C、同事故で死亡したDの遺族Eの3者が訴訟への参加を申し立ててきた。それぞれの訴訟参加形態と参加申し立ては認められるか?という事例です。 自分のanswerとしては、 遺族Eは参加形態は訴えの主観的追加的併合だと思います。申し立ては認められる→理由は原告(Aの遺族X)と同じ権利を有している第三者であるから。たしかに遺族ごとに訴訟をすればすむ問題であるし、今回は死亡したいう事実(訴訟物)は同じだが、ケガなどの場合は程度が異なるので訴訟物は異なることもある。しかしAとD死亡した(またはケガをした)原因はフェリーの事故という共通の原因であるので民事訴訟法38条より認められる。 ただ疑問があります。大学の院生アルバイトの方に聞いたらこれは通常共同訴訟だよと言われました。大学の図書館にて小島武司著のよくわかる民事訴訟法と基本講義民事訴訟法を読むと訴えの主観的追加的併合と書かれていました。どちらなのでしょうか? 製造者Bと設計者Cに関しては、参加形態は補助参加だとおもいますが、理由が上手く思いつきません。 遺族E、製造者B、設計者Cの正しい模範解答を教えていただければとおもいます。よろしくお願いしますm(_ _)m また関連の判例を調べると、金銭関連の判例ばかり出てきます。唯一見つかったのが、平成20年4月30日決定の判例でした(民事訴訟法百選103事件)。他に参考になる判例はないのでしょうか? 重ねてよろしくお願いしますm(_ _)m

みんなの回答

  • feinberg
  • ベストアンサー率55% (11/20)
回答No.2

 第一点 Eの訴訟参加について (1) オーソドックスな方法として、Yに対して損害賠償請求訴訟をまず別訴提起し、その後、裁判所に弁論の併合(152条1項)を促す、というやり方があります。併合の根拠としては、(38条の規定をとっかかりに)、事故が同一であること、審理重複や、矛盾した判断を避けるといった理由があげられます(伊藤眞『民事訴訟法』第3版4訂版、600頁)。併合が認められると、主観的追加的併合の状態になります。 もっとも、弁論の併合は、これを命ずるかは裁判所の裁量にかかっており、必ず併合がなされるわけではありません。そこで、ダイレクトに明文にない、主観的追加的併合という訴訟形態を認めよ、との説もあります。 理由さえきちんとしていれば、いずれの説をとるかわ質問者さんの自由だと思います。  なお、通常共同訴訟か、主観的追加的併合か、という問題意識はここでは考える意味がないと思われます。 (2) 訴訟物について  質問者さんは、「…今回は死亡したいう事実(訴訟物)は同じだが、ケガなどの場合は程度が異なるので訴訟物は異なることもある」とお考えのようですが、そもそも損害賠償請求権は被害者ごとに生じるものであり、それぞれ別個の請求権(訴訟物です)。この点、もう一度確認しておいてください(訴訟物を異にすることを承知の上で、述べているのでしたらそれはそれで逆に意味不明です)。 (3) 共同訴訟参加(52条)  他の回答者が指摘されていますので、一応述べておきます。  共同訴訟参加は判決効(既判力や、会社法838条等の対世効)が第三者にも及ぶ場合(これが52条にいう合一確定の意味です)に、初めて当該第三者に認められ得る参加形態です。本件では、XY間の損害賠償請求訴訟における判決効がEにまで及ぶとする法的根拠はありません。したがってEに共同訴訟参加は認められません。  第二点 B,Cの参加形態について (1) 補助参加(42条)でよろしいと思います。XとYいずれの側に参加するかは順に説明します。 まず、(ご存じだと思いますが)補助参加の要件である、訴訟の結果に法律上の利害関係を有すること(最判平成14年1月22日百選第4版105事件)が認められるか検討してみましょう。  一つの考え方として、船舶に構造的欠陥がある場合は、YBCはXに対して共同して損害賠償義務を負う関係(不真正連帯債務。民法719条)にある、と考えられないでしょうか。これを前提に考えてみます。 ア) Y側に参加への可否   XY間の訴訟で、Yが敗訴したとします。この場合、Yは、Xに弁済することになります。そうすると、今度は、YがB,Cに対して求償権を行使することになります。そこで、同求償権の行使を未然に防ぐため、BCがY側に補助参加し、Yを勝訴させるべく活動することが考えられます。いうまでもなく、Yからの求償権行使を防ぐという法律上の利害関係(補助参加の利益)をBCは有することになります。したがって、BCはY側に補助参加できることになります。 イ) X側への参加の可否  他方でX側へ参加できないかも考えてみます。仮に、Yが勝訴した場合は、今度はBCはYに対して求償権を行使することができなくなります。そこで、Yに対する求償権を確保するために(補助参加の利益)、X側に参加してXを勝たせるべく補助参加することもやはり可能です(最判昭和51年3月30日百選第4版A33事件)。 (2) 発展  なお、他の回答者が指摘するように、(BCがY側に参加した場合)YがBCに責任をなすりつける場合もありえます。その場合はXY間の判決効(46条。いわゆる参加的効力)がBCに及ばないのではないか、という問題が生じます。というのも参加的効力は、参加人(BC)と被参加人(Y)とが互いに協力し合って訴訟追行したがゆえに認められる効力です。そのため、参加人と、被参加人の利害が対立していた、等の事情がある場合には同効力が生じないのではないか問題になるのです。  しかし、だからといって、BCに法律上の利害関係が認められる以上、補助参加ができなくなるわけではありません(しかもYがBCらに責任をなすりつけるとは限らない)。  また、補助参加はあくまで参加人の利益を保証するための手続きであるため、争点ごとにBCは、Yの側に参加したり、Xの側に参加してもよいのではないか、という考え方もあります(上田徹一郎『民事訴訟法』第6版,542頁等)。この見解によると、たとえば、損害額については、BCはYの側について協同し、船舶の欠陥の有無の点については、Xの側に参加することが認められます。一度考えてみるとよいでしょう。 (3) 共同訴訟的補助参加について  念のため申しておきますが、共同訴訟的補助参加もXY間の判決効がBCに拡張される場合のみ利用できます(お手元のテキストでよいので確認してみてください)。本件では、XY間の判決効を拡張するような規定(例えば会社法838条のような条文)はありませんのでやはり同訴訟形態は利用できないことになります。  参考判例については、とりあえず、本文中に掲げたものを見てみてください。                                                                          以上です。

  • buttonhole
  • ベストアンサー率71% (1601/2230)
回答No.1

 まず、もう一度、テキストを読んで基本的な知識を整理しましょう。原始的に共同訴訟になる場合(原始的主観的併合)と、後発的に共同訴訟になる場合(独立当事者参加、主観的追加的併合など)がありますよね。  御相談者は通常共同訴訟=原始的な共同訴訟と勘違いしていませんでしょうか。通常訴訟とか、必要的共同訴訟というのは、あくまで合一確定の有無の問題であって、原始的なのか後発的なのかとは別物です。    御相談者は、遺族Eは参加形態は訴えの主観的追加的併合と書かれていますが、なぜ、明文の規定にない概念を持ちだす必要があるのでしょうか。言い方を変えれば、明文の規定にある共同訴訟参加では、なぜ、駄目なのでしょうか。  ヒントは、共同訴訟参加は、通常共同訴訟か、それとも、類似的必要的共同訴訟になるかです。 >製造者Bと設計者Cに関しては、参加形態は補助参加だとおもいますが、理由が上手く思いつきません。  補助参加だとすると、被参加人は誰ですか。Yだと考えていると思いますが、それでは、次の場合は、補助参加で大丈夫ですか。。 Yの主張「自己は船舶の構造的欠陥によるものであり、Yに操船上のミスはない。あくまで事故の責任はB、Cにある。Yは、それを予見することはできなのであるから、Yに過失はない。」 B及びCの主張「船舶に構造的欠陥はない。事故は、あくまでYの操船ミスによるものである。」  通常の補助参加の場合、参加人であるBやCは、被参加人であるYの主張とする矛盾する主張はできませんよね。テキストを読み直して、よく考えて下さい。(ヒント、共同訴訟的補助参加)

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