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百人一首について

百人一首についてお伺いいたします。49番歌の「みかきもりえじのたくひのよるはもえ、ひるはきえつつものをこそおもえ」と言う一句ですが、よるはもえ、がよるはもえて、となっている場合があるのですが、どちらが正しいのでしょうか?教えてください。よろしくお願い致します。

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  • kine-ore
  • ベストアンサー率54% (808/1481)
回答No.5

1.「て」の有無…連用中止法か接続助詞付加か 「「夜はもえて」は、よるはもえ、よるはもえて、いろいろある。夜思いが募り昼は意気消沈する、というのは、夜は女のもとを訪れて逢えるからだ。」(池田弥三郎「百人一首故事物語」河出文庫) 「衛士の焚く火」は夜燃やし昼は消す。そのようにわが恋も逢っている夜は燃えているが、昼は意志消沈する。ただし、この「意志消沈」状態においてこそ、実はもっとも切なくも恋しさが募っている─そんな懊悩に煩悶して、これぞまさに「ものをこそ思へ」なのだと。 そういう視点からすると、連用中止法では列記や対比のトーンが勝ちそうで、それよりは、ここは字余りでも接続助詞「に」を付加することで、燃える夜より逢えない消沈の昼こそが煩悶となって心千々に乱れており、まさに「ものをこそ思へ」なのだと。 参考:「連用形に関する問題です」 http://hinative.com/ja/questions/1454 2.昼と夜の逆転…二句と三句の先後交替  きみかもる-ゑしのたくひの-ひるはたえ-よるはもえつつ-ものをこそおもへ  「古今和歌六帖 第一:歳時」(00781番 作者名不記) http://tois.nichibun.ac.jp/database/html2/waka/waka_i064.html#i064-001 こちらについては昼と夜の逆転という異同だが、これにも異文は多く、「昼は消えて、夜は燃えつつ」「昼は消え、夜は燃えつつ」という連用中止法の有無という1.の異同も加味されるだけでなく、中には「黒川版」のように「昼はもえ、夜はもえつつ」などもあるようです。 福田智子「 『古今和歌六帖』内閣文庫蔵和学講談所印本における書き入れ「六」をめぐって――第一帖を中心に――」 http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=TB12600000&elmid=Body&lfname=039000050008.pdf その撰集者ごとの思惑や、筆記・転記された版本での異同、詠み手の人物不確定など、さまざまな事情から和歌に異なる言葉が生じている場合、その真贋や是非の論議は専門家の世界に属してしまうでしょう。 ここは池田弥三郎の言うように「よるはもえ、よるはもえて、いろいろある。」と受け入れた上で、当初教わったままに、または手元のカルタの通りに愉しんではいかがでしょう。

h24051
質問者

お礼

勉強になりました。ありがとうございました。

h24051
質問者

補足

いろいろ教えて頂きありがとうございました。私もこれからもっと勉強したいと思います。

その他の回答 (4)

noname#214841
noname#214841
回答No.4

私の手持ちの『百人一首』の注釈書は、ほとんどが「よるはもえ」になつてゐます。出典の『詞華和歌集』(岩波文庫 50ページ)を見ても、やはり「よるはもえ」です。 国歌「君が代」の「君が代は千代に八千代に」が、もとは「わが君は千代に八千代に」だつたのと同様に、古典には異読がつきものです。 手軽に入手可能な本による解説を挙げておきます。 『百人秀歌』は「よるはもえ」。 『詞花集』『八代抄』、『百人一首』も尭孝本・兼載本・『応永抄』などの古写本や古注」は「よるはもえ」。 「よるはもえて」とあるのは、為家本のほかは、古活字版『宗祇抄』『師説抄』『三奥抄』『改観抄』『新抄』等。 (『新版 百人一首』島津忠夫訳注 角川ソフィア文庫 219ページ)

h24051
質問者

お礼

詳しくありがとうございました。勉強になりました。

  • cxe28284
  • ベストアンサー率21% (932/4336)
回答No.3

私の子供のころから持っている、百人一首では、 「みかきもりえじのたくひのよはもえて、ひるはきえつつものをこそおもえ」 で、そう覚えました。もう一度検索してみます。

h24051
質問者

お礼

私の場合と同じなのですね。私もあれこれと検索してみます。ありがとうございました。

noname#224207
noname#224207
回答No.2

漢字を当てはめると み垣守 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ となります。 「よはもえ」とすると一音たりません。音韻として若干違和感がでます。 「よるはもえ」とすると、音韻の違和感が生じません。 また、「ひる」に対する「よる」いう対句としの効果もでます。 ということからして「よるはもえ」の方が正しいというか自然ではないのでしょうか。 末尾の「物をこそ思え」は字余りになりますが「物こそ思え」と詠まずに「を」を敢えて入れたのは、強調の意を含めたためではないのかと思います。 蛇足 江戸時代の替え歌に ともかくも ととが抱く子の 昼は吼え 夜はすねつつ わやをこそいえ というのがあります。 昼と夜をわざと元歌とはひっくり返して、対句としていますので、おそらく元歌も「よる」と呼んでいたのではないのかと思いいます。 江戸っ子の駄洒落もときには役立ちます。??? 江戸時代には盛んに百人一首の替え歌が作られました。

h24051
質問者

お礼

いろいろな観点からのご意見ありがとうございました。

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.1

 1   よるはもえ  2    よはもえて       1も2も五つの仮名になるので「夜」をヨル、と読むかヨと読むかの違いでしょう。1が普通のようですが、2も聞いたことがあります。

h24051
質問者

お礼

なるほど、それは気が付きませんでした。ご意見ありがとうございました。

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