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二酸化炭素とアルカリ金属を加熱した際の化学反応

甲種危険物取扱者の問題で、次のような出題がありました。 「二酸化炭素とアルカリ金属を一緒に加熱すると、二酸化炭素は還元されて酸素を生成する。」 ネットで検索すると、誤りらしいのですが、それでは、二酸化炭素とアルカリ金属を一緒に加熱すると、どのような化学反応が起こるのでしょうか?  できれば化学反応式での説明を、よろしくお願いいたします。

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  • htms42
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回答No.3

二酸化炭素中でマグネシウムを燃やすというのは高校でもよくやられている実験です。 ただふつうは二酸化炭素の入っている集気びんの中に火のついたマグネシウムリボンを入れるという形で行いますので「一緒に加熱するという」場面設定とは少し違います。 ビーカーに金属ナトリウムの粒を入れてから二酸化炭素を充満させシャーレでふたをします。 底からゆるく加熱するとすぐに融けはじめます(融点は98℃)。空気中での加熱では融けて液体になるところが発火の起る目安になります。二酸化炭素中でも同じだと思います。 >「二酸化炭素は還元されて酸素を生成する。」 この表現が少し不自然だと思います。 アルカリ金属を空気中で加熱すると発火します。二酸化炭素中で加熱するとどうでしょう。 空気中と同じように発火するだろうということです。 CO2+2Na → C+Na2O2 「酸素を生成する」と書くと「酸素を放出する」ような印象になります。この反応ではCO2の中の酸素がナトリウムに引き抜かれて「炭素が遊離する」のです。遊離の酸素ができるわけではありません。 ※発火するとビーカが割れる可能性があります。ろ紙を1枚置いた上にナトリウムの粒を置いてやると局部的に熱が加わるのを防ぐことができます。

tahhzan
質問者

お礼

そうすると、「二酸化炭素は還元されて」の部分は正しいが、「酸素を生成」の部分が誤りということですね。 なるほど。 やはり、間違っていたわけですね。 詳細な実験状況を教えていただき、ありがとうございました。 非常に、参考になりました。

その他の回答 (5)

  • htms42
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回答No.7

ちょっと補足します。 酸化・還元についてです。 危険物のテキストに載っている酸化・還元の定義は「酸素の移動」、または「結合している酸素の数の変化」で見る立場のものですね。(最近、危険物のテキストを見なくなっていましたので頭から消えてしまっていました)。この立場であれば「酸化・還元が必ず対で起こる」という見方は出てきません。「対で起こる」場合も「起こらない」場合もあるのです。消防法での危険物は「火災の原因になる可能性のある物質」です。火災は空気中での燃焼を前提にしていますから「酸化」を酸素との結合だけで考えるという立場で十分なわけです。普通の現場の技術者が十分に理解できて、使いこなせるということも大事なことです。大学受験の問題ではありません。 結合している酸素の数の変化で酸化・還元を考える場合、 物質Aから物質Bに酸素が移動している反応であれば酸化と還元が対で起こっています。 単体の酸素が関係する場合は酸化か還元かのどちらか片方だけが起こっていることになります。酸素自体が酸化された、または還元されたと考えることはありません。酸素は常に化合物の成分として含まれる元素としてだけ考慮されています。 単体の酸素も含めて酸化・還元の考察の対象にするということは酸化数の取り扱いの立場に移って初めて可能になります。その場合、化合物としての酸化・還元ではなくて元素についての酸化・還元を問題にするという立場になります。

tahhzan
質問者

お礼

酸化・還元が必ず対で起こるとは限らない、というのは、危険物での化学しか学習しなかった私には難問ですが、元素についての酸化・還元という考え方もあるというのを初めて知りました。今後、さらに知識を深めていきたいと思います。ありがとうございました。

  • htms42
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回答No.6

訂正もかねてもう一度書きます。 もともとの問題設定があいまいすぎるのです。 危険物の問題であるということことでスタートしていながらそれと関係ない表現になってしまっています。アルカリ金属はどこに行ってしまったのでしょう。焦点がぼけています。 >二酸化炭素とアルカリ金属を一緒に加熱すると、二酸化炭素は還元されて酸素を生成する 私は「こんな反応が起こるのか」の方が大事な内容であると考えています。起こらない反応であれば酸化や還元をあれこれ考えても仕方がないということになります。(そういうことで書きましたので#3に書いた「おこるとしたら・・・」の内容におかしな点が含まれてしまいました(この回答の後ろに訂正を付け加えます)。) 起こる反応は CO2+2Na → C+Na2O2 です。酸化されているのはNa、還元されているのはCです。 遊離の酸素が生じるという反応ではありません。 (遊離の酸素が生じるのであればCO2の「熱分解」です。CO2の熱分解など簡単には起こりません。 ・・・・「遊離の酸素」と「CO2から移動する酸素」の区別が出題者にはできていない可能性もあります。) 酸化剤、還元剤という立場で言えばCO2が酸化剤、Naが還元剤です。酸化剤は還元される元素を含んでいる物質、還元剤は酸化される元素を含んでいる物質です。 ※Na2O2ができるとしましたがNa2Oである可能性もあります。 空気中の燃焼などではNa2OではなくてNa2O2(過酸化ナトリウム)ができるとされていますのでそれに合わせました。 マグネシウムの燃焼の場合は 2Mg+CO2 → 2MgO+C Mgが酸化されてCが還元されています。 これは高校の教科書にも出てくることがあります。 (Mgはアルカリ金属ではなくてアルカリ土類金属ですので問題文の内容からは外れます。でもどちらも第3類です。反応の起こりかたは参考になります。NaはMgよりも緩い条件で反応が起こります。  Mgだと容器ごと普通に加熱しても反応は起こらないでしょう。燃えているMgリボンをCO2の充満している容器の中に入れるということでCの還元が起こるのですから。Naだと100~200℃の加熱で反応が起こりますから起こりやすさに大きな違いがあります。) 危険物の問題に出てきているのは取り扱い、消火方法について注意が必要だからです。 アルカリ金属は「禁水性物質(第3類)」ですので水を使っての消火は駄目であるということは割合とよく知られていることです。でもこれだけでは危ないのです。「注水消火がだめなら炭酸ガス消火」と考えるのもだめだということです。「炭酸ガス中でも燃えますよ!」ということを強調しておく必要があります。アルカリ金属の変化に触れずにCの還元だけを強調しているのは問題として焦点がずれています。CO2の熱分解が起こるかのように書かれているのは「?」です。でもこれは問題作成者がそういう風にしか反応を理解していないという可能性も大きいです。危険物の問題には高校化学のレベルで見てもおかしいという内容があちこちにあります。アルコールがNaと反応するということは普通に高校の化学で出てくることなんですが危険物の法規の中では考慮されていません。「第3類、第4類は混載可能」という法規はおかしいです。Naは灯油の中に保存するというイメージだけで第4類の物質はNaと反応しないとしてしまっているようです。これに無理に合わせようとして「アルコールは水を含んでいる、Naはアルコールに含まれている水と反応する」と書いてある解説書がありました。乙種でもよく出てくる問題に「pH=nの水溶液に水を加えて100倍に薄めたとする。pHはいくらになるか。」というのがあります。pH=n+2を想定しているようですが「解なし」です。n=3だとします。塩酸だと5になりますが酢酸水溶液では5になりません。n=6だとします。いくら水で薄めても7以下です。8にはなりません。n=10だとします。水で薄めると7<pH<10になります。 甲種の危険物の問題がいやらしいのは択一ではないというところです。 「正しいのはいくつあるか」という問いで個数をこたえるようになっています。 択一だとちょっとでもおかしいところがあれば消していって残ったものが答えになります。変な問題ですべて怪しいと思うものが出てくる可能性がありますがたぶん出題者の理解のレベルではこんな風に考えているのだろうという推測で1つ選ぶということがなんとかできるそうです。でも正しいのは何個あるかであれば線引きがむつかしくなります。こういうのを考えなければいけないのはうっとうしいです。私も受験を考えたことがありましたがあほらしくなってやめました(私の友人は「割り切って受けたらいい」と言って受験しました)。 この問題も出題者は正しいと考えているかもしれません。 「ナトリウムが燃えるのはこういう風にして放出された酸素と結合するからだ」 という論法です。応用系の人では結構こういう風に考える人がいるようです。 アルカリ金属を出していながらアルカリ金属に無関係な反応のままで問題が終わっています。出題者はアルカリ金属に繋がっている問題だと思っているだろうと推測することができそうですからこういう風になります。 以前、消防署に問い合わせたことがあります。「問題は公表していない」という返事をもらいました。 問題集や、解説書の問題はどういう風にして作っているのでしょうね。 ※「この反応がおこるとしたら・・・」について 分解反応では酸化剤、還元剤という割り振りができなくなります。酸化された物質、還元された物質という表現もできなくなります。初めが1つの物質だからです。含まれている元素についてであれば「酸化された元素」、「還元された元素」と言うことができます。同じ元素でありながら原子によって酸化された、還元されたの違いが存在する場合もあります。 N2O3 → NO+NO2 だと2つあるNの片方は酸化されて他方は還元されていると考えます。 ただ出題者がどう考えているかについては何とも言えません。 酸化、還元が必ず対で起こるという原則を常に踏まえて問題を作っているとは限らないからです。 危険物のテキストの出てくる「燃焼とは光と熱を伴う酸化反応である」という定義では還元を考えていません。対で起こるということでいえば酸化・還元反応はあっても酸化反応はないということですから上の定義は誤りであるということになるのですが誰も誤りであるなんて言いませんね。 鉄鉱石を還元して鉄を取り出すという表現と同じ意味合いでCO2を還元してCを取り出すと言っているとしたらおかしいといっても仕方がないということになります。 何が正解かは「闇の中」です。問題と正解が公表されていない限りどうしようもありません。 「起こらない反応である」という方向にもっていくのが一番通りやすいのではないでしょうか。 (上にも書きましたがこれも通じない可能性があります。)

tahhzan
質問者

お礼

実に詳細な解説をありがとうございました。 全文、目を通させていただきましたが、つまり、 CO2+2Na → C+Na2O2 の反応式については、 Naが酸化されているので、アルカリ金属に二酸化炭素消火器は効果がない、ということですね。 結局、この反応では、「酸素を生成する」のではなく、アルカリ金属が酸化するということですね。 これで、ようやくわかりました。 ありがとうございました。大変、参考になりました。

  • Tacosan
  • ベストアンサー率23% (3656/15482)
回答No.5

まず, 化学の基本として 「酸化」と「還元」は同時に起きる ことは押さえておきます. で「炭素を燃やすと二酸化炭素になる」という反応 C + O2 → CO2 では「炭素が酸化される」わけですから, 何かが還元されなければなりません. この反応に関与するのは炭素と酸素だけですから, 還元されるのは酸素になります. で逆の反応 CO2 → C + O2 を考えると, 当然「酸化」と「還元」の関係も逆になりますから 酸素を作るためには酸化しなきゃならない ということになります. 正確には 二酸化炭素中の酸素原子を酸化することで単体の酸素が生じる ということですが.

tahhzan
質問者

お礼

ということは、「二酸化炭素は還元されて酸素を生成する。」というのは、正しいということですか……そうですか。確かに、御説明のとおりに考えると、そうなりますね…… それでは、「二酸化炭素は還元されて酸素を生成する。」の部分は正しいが、二酸化炭素とアルカリ金属を一緒に加熱しても、「二酸化炭素は還元されて酸素を生成する。」という反応が生じない、ということですか? 少々、混乱しておりますが…… とりあえず、非常にわかりやすい御説明をありがとうございました。 参考になりました。

  • Tacosan
  • ベストアンサー率23% (3656/15482)
回答No.4

「炭素が酸化されて二酸化炭素になる」 を認めれば 「二酸化炭素が還元されて炭素になる」 も (若干語弊はあるものの) まあ認めていいんじゃないかなと思うんですが, どんなもんでしょうかね>#3. いずれにしても二酸化炭素に含まれる酸素を単体の酸素にするためには「酸化」しなきゃならんのだが.

tahhzan
質問者

お礼

「二酸化炭素に含まれる酸素を単体の酸素にするためには「酸化」しなければならない。」の部分が分かりませんでしたが…… とりあえず、「二酸化炭素が還元されて炭素になる」というのは、化学オンチの私にも理解できました。 ありがとうございました。

  • teppou
  • ベストアンサー率46% (356/766)
回答No.2

 wikiの「二酸化炭素」のこうに、  「また、金属マグネシウムは二酸化炭素中でも燃焼し、二酸化炭素は還元されて炭素の粉末になる。炭素、亜鉛および鉄でさえ、高温では反応し一酸化炭素を生成する。」の記述があります。  ご参考までに。  wiki 二酸化炭素  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%82%AD%E7%B4%A0

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%82%AD%E7%B4%A0
tahhzan
質問者

お礼

マグネシウムは、確かアルカリ土類金属ではなかったかと思いますが、やはり、二酸化炭素は還元されているんですね。ありがとうございました。参考URLとともに、参考になりました。

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