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バイオエタノールの生成法

cat-foodの回答

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  • cat-food
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回答No.2

このあたりの経緯はかなり複雑なので、少し詳しく解説します。 まず、従来法は酵素糖化法で、新しい方法は酸糖化法や超臨界水による糖化法であるという知識は間違っていますので、忘れてください。 1.従来のエタノール製造方法 サトウキビやテンサイを原料とした場合は、原料中に糖が含まれていますので、これをそのまま酵母菌を使って発酵させてエタノールを作ります。酵素糖化は行う必要がありません。 トウモロコシやコムギを原料とした場合は、原料に含まれるデンプンから糖を取り出し、これを酵母菌によって発酵させてエタノールを作ります。デンプンから糖を取り出すときに酵素糖化法が使われます。 このように従来法ではトウモロコシやコムギを原料とした場合に、工程の一部に酵素糖化法が使われますが、サトウキビやテンサイを原料とした場合は酵素糖化法は使われません。ですから従来法は酵素糖化法であると言い切ることには抵抗があります。 2.新しいエタノール製造方法 新しいエタノール製造方法は草やワラ、木材、都市ごみなどからエタノールを作る方法です。原料に含まれるセルロースやヘミセルロースから糖を取り出し、これを発酵させてエタノールを作るのでセルロースエタノールといわれます。 セルロースから糖を取り出すときに、トウモロコシやコムギを使ったときのような酵素糖化法を使うこともできますが、この場合はセルラーゼという特殊で高価な酵素が必要となるためコストがかかってしまいます。それで酵素糖化法以外に様々な方法が提案され、それが酸糖化法だったり超臨界水だったりするわけです。 ちなみに数年前に酸糖化法を使ったセルロースエタノール工場が環境省の支援を受けて大阪に建設され、環境省によると「世界で最初のセルロースエタノール商業化工場」だそうで、大々的に報道されたりしました。しかし、酸糖化法はいろいろ問題が多く、現在、大阪のプラントは完全な失敗状態にあります。 一方、近年の技術開発によってセルラーゼが画期的にコストダウンされてきています。これによってセルロースエタノールを製造する場合でも、酵素糖化法が採用されるようになってきました。 ここ数年、アメリカでセルロースエタノールの大規模な商業プラントの建設が始まっており、今年から来年にかけて次々に商業生産が開始される予定ですが、その多くは酵素糖化法を採用しています。 http://eneken.ieej.or.jp/data/4706.pdf http://www.rs.jx-group.co.jp/library/files/20130215_write.pdf つまり、酸糖化法や超臨界水による方法は一時脚光を浴びましたが、現在はセルロースエタノールの分野でも酵素糖化法が主流になりつつあります。(ただし、前処理として酸やアルカリなどを使う場合もあります) 3.他の新しいエタノール製造方法 以上の方法とは別に新しいエタノール製造方法として、原料を不完全燃焼させてガスにし、このガスから化学合成や微生物を使ってエタノールを作るという全く違った方法も開発されています。イオネスという世界的な化学会社がこの方法の工場を建設し、つい今月からセルロースエタノールの商業出荷を開始しています。

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