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エネファームは失敗ではないでしょうか。

http://news.livedoor.com/article/detail/7245509/ 「大阪ガス〈9532〉の尾崎裕社長は18日、大阪市で記者団に対し、2013年1月~14年3月の15カ月間で、家庭用燃料電池「エネファーム」を1万台販売する計画を明らかにした。エネファーム導入に対する政府の補助金(総額251億円、対象5万3000台)の募集が14日に始まったことから、「13年度の販売活動を1月から前倒しで開始し、販売目標も15カ月間で設定した」(広報部)としている。」 251億円の税金を費やし、5万3000台を普及させるようですが、 5万3000台×0.7kW(一台の出力)=37100kW つまり4万kW弱です。 http://www.inosenaoki.com/blog/2011/05/post-60d8.html 08年に営業運転開始した川崎天然ガス火力は1基42万kWで総工費250億円です。 なんと、エネファームの10倍も出力が大きい。しかもエネファームは「補助金」ですので、実際はこの補助金×4=280万円ぐらいが本体価格です。 したがって川崎天然ガス火力と同タイプのモノを設置した方が、40倍もお得ですよね。 川崎火力は5年前に運転開始、技術としては10年近く前のものです。 最近では西名古屋火力発電所 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD270FQ_X20C12A9TJ0000/ が総工費1000億円で232万kW、効率62%となっており、 単純に出力と総工費でみると、川崎天然ガス火力よりも3割引きの設備コストです。 そして効率は4%も上回っています。 これだとエネファより50倍以上お得です。 もちろん、発電のついでにお湯が出てくるので、それを使うということがエネファのウリです。 ここでエネファの発電効率を40%としまして、熱回収効率を50%とします。 これはパナソニックの製品をモデルにしました。 お湯生成効率が50%というわけです。 ここで西名古屋火力と同タイプのモノで発電した電気を、ヒートポンプで家庭でお湯にした場合を考えます。 西名古屋火力発電所の運転実績効率を59%と仮定し、送電や所内ロスなどで7%ほどロスが出るとします。火力はできるだけ需要地の近くに設置すれば、送電ロスは減らすことができます。 よって家庭に届くまでに55%になります。 これをエコキュートでお湯にすると、だいたいCOPを2.0とすれば(メーカーは4.0とか言っていますが)、 お湯生成効率は110%となり、エネファームの効率を大幅に超えています。 総合効率で見ても、エネファは90%です(しかもこれはメーカーのカタログ値で、実際はこれより低いとみられる)。 それに、家庭では電気の需要とお湯の需要が必ずしもマッチするとは限りません。むしろそのような機会は珍しいと言えます。そのため、貯湯タンクと言われる大きなタンクを併設する必要がありますが、外の貯湯タンクに溜められた「熱」は、時間と共に減少します。いわゆる貯湯ロスというものがあるのです。お湯は必要なときに必要な分だけ、オンデマンドに提供されるべきです。 そして火力発電よりエネファは設備コストが40~50倍です。なのでエネファの値段を現状の50分の1、つまり一台5万円ぐらいにしてようやく火力発電との効率での比較の土俵に入れます。 しかし将来的に見てエネファはヒートポンプのように総合効率が100%を超えるのは原理的に無理です。 エネファを普及させるのは社会政策的に失敗ではないでしょうか?

みんなの回答

回答No.1

エネルギー効率のところでちょっと考え違いをされているようなので、説明します。 火力発電所は天然ガスのエネルギーから電気エネルギーを作ります。 西名古屋火力発電所では、100の天然ガスのエネルギーから、62の電気エネルギーを得ることができるわけです。それから送電ロスが7%として、55の電気エネルギーですね。 そして、エコキュートのCOPを2.0とすると、110の温水エネルギーを得ることができます。ここはまでは間違っていません。 一方の、エネファームはおおざっぱに言うと、100の天然ガスのエネルギーから40の電気エネルギーと50の温水のエネルギーを得ることができます。大事なことは、この40の電気エネルギーを作るためには、エネファームがなかったら火力発電所が発電しなければなりません。そこのエネルギー(正確にはこのときに発生する火力発電所のエネルギーロス)が勘定から抜けているのです。 50の温水を得るためには、25の電気エネルギーでよい、というのがエコキュートです。ですので、65の電気エネルギーで、40の電気と50の温水を作ることができます。 ですが、65の電気を作るためには、65÷55×100で、約118の天然ガスのエネルギーが必要となり、エネファームの方が有利、ということになります。 それから、貯湯ロスについてですが、これはエネファームもエコキュートも基本的に同じです。エコキュートはほとんど例外なく貯湯槽がついていて、深夜電力でお湯を作ります。対して、エネファームは日中の電力需要が多いときに発電し、お湯を作ります。深夜電力でお湯を作るよりはお湯を作ってから使うまでの時間が短いので、むしろエネファームの方が貯湯ロスは少ないことになります。 もちろん、エコキュートにはそれなりの利点も、エネファームにもそれなりの問題点があるので、普及の賛否はあるでしょうが、上記の計算だけは見直しをお願いします。

song_policyooo
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 ですが、大きな勘違いをされております。 まず、温水と電気の需要が同時に来るという機会が家庭では滅多にないことです。そもそも排熱を使用するというコジェネレーションは、大量の電気と大量の温水を同時に使用する製造業を目的として開発されたものを、無理やり家庭に入れようとしているだけです。家庭の場合、どうしても一方の需要が偏りがちになりため、お湯が足りない、電気が足りないといった状況になります。どちらかを満たすために他方を捨てるような使い方をすれば、効率は著しく悪くなります。 エネファームの出力が0.7kWに抑えられているのはこのためです。冷蔵庫や照明などのベース電力をギリギリ賄える程度に抑えることで、最大効率で動作するようにしているのです。しかし、世の中の家庭がすべてこうであるとは限りません。ベース電源で0.7kWも使用しない家庭では、出力を絞った運転となり、効率が悪化します。 何より問題なのがこのような使い方のために、貯湯タンクを併設し、そこに温水をためているという点です。エコキュートは確かに原子力が稼働中は、深夜の原子力発電による余剰電力を用いるように「推奨」されていましたが、質問文にあるように、温水はオンデマンドに提供される方が、貯湯ロスなどを考えるとベストなのです。なので、家庭の給湯の大半を占めるお風呂の時間帯に、オンデマンドに温水を生成すればいいのです。その時の効率は、火力発電の場合、化石燃料100に対して110の効率があります。 ですので、エネファームでいくら40の電気と50の温水が同時に発生するといっても、それは電気と温水の需要が同時に発生し、尚且つそれぞれが需要とピッタリな量であるという、「理想的」な状況であるというのが前提で、一般家庭生活でそのような状況が起こりうるのは不可能に近いです。 ちなみにエクセルギー(有効エネルギー)を見たとき、 70℃の熱におけるエクセルギーは0.069(環境温度25℃の場合) http://cr.cm.kyushu-u.ac.jp/wp-content/uploads/2011/01/ebm9odawara.pdf ですから、エネファームのエクセルギーは43、火力発電は55です。 つまり有効エネルギーを取り出す場合は火力発電が圧倒的に有利です。 それに今回は火力発電から家庭に届く電力を55%としましたが、これはかなり厳しく見た場合で、実際は送電ロスが3%、実績運転効率を60%、所内ロスを2%とすれば、家庭に届く電力は57%、さらにエコキュートのCOPをメーカーカタログ値の4.0を用いれば、効率は228%です。 つまり貴方の考え方に似せて言えば、40の電気エネルギーから68の温水が得られることになります。 そして燃料電池とガスタービンを組み合わせたトリプルコンバインド発電が研究されていますが、 http://www.mhi.co.jp/news/story/1206015214.html こちらは送電端効率70%以上ですので、家庭には68%の電気が届きます。 こちらの実現に補助金を出した方が、社会全体として効率がいいでしょう。 エネファームはガス会社が儲かるだけのシステムです。特定の企業が儲かるために、社会として不効率、不経済なものを、国民の税金を用いて導入するというのは反社会的です。

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