亡き妻の遺品整理 何を残しますか。どう整理しますか
何度かここで相談させてもらっているものです。
10年前に奥様をガンで亡くされた方とお見合結婚して1年ちょっとになります。彼と奥様との間に子どもはいません。私も40代、私は初婚です。
彼が奥様のモノを捨てられなかったり、写真があったりいろいろなことがあって、いろいろ悩むことはありますが、結局「捨てて」とは言えず、彼の気持ちの整理がつくまで待つことに徹底してきました。
ちょっとづつ整理されてきているのもわかるので、無理に「剥がす」ことはやめておこうと思ってきました。
事情によってまだ一緒に住んでいないのでそれでもやっていけているのかもしれません。ただ、今年の11月に彼が転職することになり、一緒に住むために私の住む町に引越してきます。本当はすぐに一緒に住むマンションを探したいのですが、彼の仕事先がまだ正式に決まっていないこともあり、当初の予定では、12月に荷物を整理して一端私の狭いマンションに引越をしてそこから仕事に通い、来年以降にマンションを探すということにしていました。ところが、今年になって彼の家の近くで一人暮らしをしていた親戚が他界し、そのマンションが空くことになりました。そこで彼はそのマンションに荷物を一端運び、必要なものだけ私の所に持って行くと言い出しました。
私は、今度の引越で今マンションで使っている奥様が揃えた調理器具や食器、テーブル、ソファーや奥様が読んでいたという本や奥様が残されたレシピ集、保険の書類や手書きのモノなど諸々の奥様の生活していた「残り香」を整理してくれると思っていました。彼も、持って行けないものは捨てるしかないと言っていました。もちろん、持って行けないものが何かは私と温度差があったにせよ、引越は一つのチャンスだったと思います。でも、運び放題の親戚の方の広いマンションです。大型家具は諦めるにせよ、他のものは「とりあえず持って行く」ようなのです。
もちろん、今はまだ何を持って行く気かなんて怖くて聞けませんが。
彼の転職は彼の意志です。「新しい生活を始める」ということでご実家から離れ、私が住む町に引っ越してきます。それは嬉しいことなのですが、これまでのパターンからして私との新しい生活と奥様の遺品整理が結びついていないのです。
それを私が許してきたのが悪いのかなとも思います。
確かに私の目に入らないところにあればいい、という意見もあると思いますが、モノが無くなっているなと思っても大抵実家に移しているだけです。その実家には私のいない平日には頻繁に通っていますし、ご両親もよく彼を呼びます。
週末、私も遊びに行くこと屡々です。もちろん、そのこと自体は楽しんで遊びに行っています。でも、マンションから消えても、ご実家にあることがわかっているので、結局「捨て切れてないんだな」という気持ちです。お二人の結婚式のプレートは私が来たときから飾ってあり、そして今は実家にあります。捨てられない気持ちもわかります。
今でこそ少し減りましたが、私が通うようになったときから私はすべてそのモノに囲まれて生活してきました。そこに2年です。奥様のものを使わせてもらって、それが当たり前になってくると変ないい方ですが、他人のモノとも思えなくなって、モノが無くなっていると、本来見えなくて楽になったと思うはずのモノですが、逆に「隠された」という感じにさえなって、どこにあるのか知りたいというか、奥様と彼の世界を邪魔するなと言われているようで余計に苦しいのです。すべてさらけ出していた彼が、急に奥様との思い出を私に知られたくない、触れるなと言われているような気がして。
実際、これまでずっと普通に出入りができていた部屋(奥様のモノがある部屋)の扉が閉められてしまいました。もちろん、私はそこに勝手に入ったり、ましてやモノを捨てたりしたことはありません。
でも、今は私に気を遣っているのか、扉が閉められています。
だったら、私が来る前に整理して見えないようにしてくれてたらよかったのに、今更、変に気を遣われると不自然で・・・。
遺品整理は「最低限を残して処分する」といい方や逆に「全部捨てては酷」だと言います。もちろんそう思います。ではその「最低限」とは何でしょうか。
マンションには、上記の生活用品の他に、もちろん、お仏壇、お位牌、遺影(お仏壇の下の棚には額に入ったツーショットの写真、奥様からの手紙、葬儀の際にもらったという知人からの手紙、最後に買ってあげたというプレゼント、数枚の写真など)、開かずの部屋には奥様との思い出のぬいぐるみ3体、奥様が使われていた帽子(抗がん剤で髪が無くなって外に行くときに被られていたそうで、それを被って撮ったというお友達との写真が彼の職場に飾ってあります)や上述した本や諸々の書類、そして、リビングのサイドボードにはお二人の結婚指輪が飾ってあります。
性格的にモノが捨てられないタイプだというのはわかってきました。
だから、当初私が感じていた捨てられないモノ=奥様との思い出だから捨てられない、のとは違うというのも感じます。
でも、無意識に無自覚に、昔から使っているモノは捨てられない、というのはあるようです。1年前に二人で買ったバスマットは「汚くなったから捨てよう」とあっさり捨てようとします。そのバスマットを買い換えるまでのものはとんでもなくボロボロだったのに、やっと新しくするように促して買ったわたしからすれば想い出のバスマットだったんですが(笑)
親戚の叔父が亡くなって、残された者はその遺品整理に追われています。その様子を見て考えるようになりました。私と彼、どちらが先に逝くかはわかりません。でも、仮に彼だったとして、彼の遺品を整理するのは私です。
そのとき、ただでさえ、亡くなった奥様と再会へ送り出す複雑な感情になるであろうところに「こんなものまで残していたんだ」と思い知らされるかと思うと、なんだかやりきれないなと。
本心では私も奥様のモノはできる限り供養にだしてほしいと思っているんだと思います。引越がチャンスだったのに、移動できるマンションが出てきたことを彼は「亡くなった叔父には悪いけど、いいタイミングだった。よかった」といいます。彼は整理する必要がなくなった、と思っているんだろうなと。もちろん、憶測を言っても意味がないので秋には彼と話すしかないかなとも思っていますが、新しく二人で生活を始めるときが本当の結婚生活だとそこを目標にしてきたんですが、憂鬱です。
お仏壇類は持ってくるつもりのようです。私もそれは反対できないと思っています。後妻の勤めだと思います。
ただ、今羅列した奥様のもの、私が気になっているものを、叔父のマンションに移動して、新しい二人のマンションに持ってこなければ、それで有りだとおもわなければなりませんか。
ちなみに、私達夫婦がご実家に帰るときはそのマンションで寝泊まりすることになります。
ケジメの付けられない彼とはっきり気持ちが伝えられない私。
私が言わなくても引越は強制的に彼の整理を促すと思っていた私が甘く、ずるかったと言うことかなと今は思います。
私が何とも思っていないとは思っていません。
ぬいぐるみの件ではそれを伝えたことがあります。
だから、扉が閉じられたんだと思います。
総じて私としては「捨てる」という行為が、私への愛情のバロメーターになっているのですが、それは全く理解できない。「捨てる」という表現に私の嫉妬や黒い感情が透けて見えますね。奥様との思い出とそれを気にする私の気持ち、どちらが優先か、私じゃ無いんだ・・・
だったら、二人だけの思い出を大事にしてこれからも生きて行けばいいじゃない、と思う自分がいます。
彼としては別の方法で愛情を示しているつもりなのだと思うので、それを理解しようと努めていますが・・・・。
奥様は何も悪くないし、奥様に恨み辛みがあるわけではなりません。
むしろ、どれだけ無念だったのか、私が死んで奥様が生き返るならいいのに、と思います。それも嘘ではありません。だからこそ、彼にモノを捨ててくれとはいえない。そして、そんなことをいう心の狭い人間ではいけないと言い聞かせているのですが。
死別された経験のある方、何を残し、何をどのように整理されていきましたか?