放射線ホルミシス効果とは?

このQ&Aのポイント
  • 放射線の直接的な被害による死者はいない
  • 低線量被曝は健康を増進する放射線ホルミシス効果がある
  • 放射線による健康被害には論争あり
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『放射線ホルミシス効果』とは何ですか?

以前に『放射線の直接的被害で亡くなった人はいない?』と質問した者です。 http://okwave.jp/qa/q7623991.html?&status=true&errcode=&msg=&qid=7623991 皆さんの回答を読み、放射線の直接的な影響で亡くなった方はおらず、中部電力社員の言った内容は正論だという事は分かりました。 この回答の中で、低線量被曝は逆に健康を増進するという『放射線ホルミシス効果』が紹介されていますが、これは一体どういう事なのか教えてください。 ネットで検索してみると、そもそも原子力推進派が唱えるウソであって、放射線はどんなに少量でも健康を害するという説もあるようです。どちらが本当なのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.2

「放射線ホルミシス効果」とは,低線量の放射線被爆が生体に好影響をもたらすことです。 核兵器の爆発など,高線量被爆は生物を死に至らしめますが,低線量の場合はなぜ好影響を及ぼすのか,そのメカニズムはNo.1の方が書いたように分かっていません。しかしながら,分かっていないのはメカニズム(詳細機構)であって,低線量放射線が生体に好影響を及ぼすことは事実として分かっています。この点に注意が必要です。 放射線ホルミシス効果を裏付ける具体的な実験のひとつの例を下記に記します。 糖尿病を発症させたマウスにセシウム137を線源とする低線量放射線を継続照射したところ,照射群のマウスには尿糖値が改善するものが現れ,やがて陰性となったマウスもありました。しかしながら,非照射群からは症状が改善するマウスは一匹も現れませんでした。 尿糖値の改善は照射群全てのマウスで起こったわけではありませんが,非照射群のマウスは40週齢で死亡マウスが出始めたのに対し,照射群では70週齢からでした。また,最長寿命となったのも照射群のマウスであり,明らかに低線量照射マウスの寿命が延びています。 次に「放射線ホルミシス効果」とは対極にある理論を紹介します。 当然のことながら,高線量の放射線は生物の細胞組織を破壊します。 ここで,放射線が細胞を破壊するならば,たとえ低い線量であってもそれに応じて細胞を傷つけるはずで,線量と影響とは直線比例関係にあり,どんな些細な放射線量も生体に害を及ぼすというのが「しきい値なし直線」(LNT)仮説と呼ばれる理論です。 世界的には,BEIR委員会がこの立場をとっていますが,動物実験データおよび疫学データはこの仮説を否定するものばかりです。 最近では,DNA修復やアポトーシスと呼ばれる現象が明らかになってきました。たとえば,p53というがん抑制遺伝子は,DNAが放射線によって損傷したという信号を受け取ると,別の遺伝子を介して細胞が分裂するスピードを遅らせ,自己修復に必要な時間を確保します。さらに,別の遺伝子を介してDNAの修復能力を活性化させます。一方で,修復することができなかった細胞に対しては,別の遺伝子を介して当該細胞に自死を促し,その細胞を排除(アポトーシス)してしまいます。 要するに,高線量被曝ではあっという間に細胞組織が破壊されてしまいますが,低線量被曝ではDNAの自己修復やアポトーシスが働くということです。 上記LNT仮説についてBEIR委員会が根拠としているのは,オリバー博士によるショウジョウバエの成熟精子における突然変異実験です。しかしながら,精子は成熟するにしたがってDNA修復機能を失います。ここに着目し,まだ自己修復機能を失っていない未熟な精子を使ってオリバー博士と同じ実験を行ったところ,低線量放射線を照射した精子は突然変異率が小さく,ある線量を境に突然変異率が上昇しました。すなわち,しきい値が存在したのです。 さて,質問には「放射線ホルミシス効果は原子力推進派が唱えるウソ」だとの記載がありますが,実験データはウソをつきません。 職業柄,「原子力ムラ」,「脱原発部落」どちらの方々とも話しをする機会がありますが,部落の人達は専門家の言うことを素直に聞いてくれません。低線量放射線が身体にいいなどと言えば,原子力発電所も身体にいいということになりかねず,到底受け入れ難いのでしょう。 記憶をたどれば,科学的・技術的には,原発反対派は推進派にことごとく論破されてきたように思います。科学的・専門的に歯が立たない,そんな部落の人達が最近身につけた戦法は,科学者・専門家を「御用学者」と罵ることによって,科学的正論の価値を落としてしまうこと,あるいは,モノが言えないようにしてしまうことです。 ムラだ,部落だと対立するのは結構ですが,私たちの学問や偉大な先人達の研究結果の価値まで貶めるような風潮は,断じて許すことができません。 原子力をどうするかで種々議論がなされているようですが,私たちの学問に助言を求めるなら,いささかばかりでも敬意を払っていただきたいと感じるこの頃です。 ところで,vivaiidaさんの質問に答えるのは2回目ですね。名前から察するに,飯田哲也さんに賛同し,脱原発を主張する方なのでしょうか?私の回答,最初からウソだと決め付けずに受け入れていただければよいのですが・・・

vivaiida
質問者

お礼

回答、ありがとうございます。科学的な説明で大変参考になりました。 それから、名前の件を含めて、あたしの素性はお察しのとおりです。でも、最近、脱原発ってなんか変だなと思い、ここのところの質問につながっています。 みなさんの言う事に素直に耳を傾けながら今後もいろいろ勉強していきます。本当にありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • P0O9I
  • ベストアンサー率32% (693/2146)
回答No.1

身近な所で言えば、ラジウム温泉ですね。 http://kadoyasan.com/radium-world.html >どちらが本当なのでしょうか? 専門家も含めて、どちらが本当か、誰も分かっていません。

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