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準用について

noname#5336の回答

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noname#5336
noname#5336
回答No.2

あれまあ、てっきりどなたか答えて下さるものと思っていたのに、答えまだでしたか。 では回答します。 「準用する」の意味は、この場合、深く捉えなくて構いません。 「類推解釈」と同義です。 以下、具体例を挙げながら、検討してみましょう。 例えば、私が税金滞納のための差押えを免れるために、私の土地をmukumukuさんに売ったことにし、登記を5年の約束で移したとします(税金の時効は5年ですから)。この場合、94条の通謀虚偽表示が適用されて、登記は無効となります。 しかし、その土地をmukumukuさんがほかの人に売ってしまったら、その人から私は土地を買い戻すことができない。これが94条2項ですね。 善意の第三者の立証責任は、第三者にあります。悪意の場合は、第三者の保護はありません。ただし、登記を見た段階で第三者の善意が立証されるのを相当とします(四宮・能見180) では、93条の事例で、同じく私が売るつもりがないのに、mukumukuさんに土地を売ろうと持ちかけます。そうすると、mukumukuさんが工面した金で、土地が正当に購入できるわけです(でなければ、工面した努力が水の泡になってしまいますから)。 では、mukumukuさんが「私が土地を売るつもりはない」ということを知っていた場合、あるいは私の本当の気持ちを知るべきところをうっかり見過ごした場合はどうなるか。これが93条但し書で、無効になるケースです。 その事例でmukumukuさんがお友達に土地を売った場合はどうなるでしょうか。これが問題の「94条2項の準用(類推適用)」ということになるわけです。 この場合、「取引の安全」という観点から、お友達を保護してやらなければかわいそうではないか、ということで、学説は94条2項の類推適用を主張しています。そうすると、取引が無効であったにも関わらず、私はmukumukuさんのお友達から土地を取り戻すことは、もはや不可能ということになるわけです。 なお、93条但書と94条2項が区別しにくい場合もありますが、結論が同じですので、詮索する必要はあまりありません(内田63)。 なお、前回の回答で第三者の立場を「善意・重過失でよし」としていましたが、学説は、無過失を要求しているようです(四宮・能見179)。判例は単に善意でよしということですが、学説とのずれがありましたので、学説は無過失要求ということで訂正いたします。 いずれ、代理や物権法で94条2項の類推適用は顔を出します。そのときは、「取引の保護」という観点から94条2項が使われるのだということを頭に入れておいて下さい。 参考文献 内田貴『民法1 総則・物権総論 第2版補正版』東京大学出版会 四宮和夫・能見善久『民法総則 第五版』弘文堂

noname#536
質問者

お礼

こんな私の質問に答えていただいてありがとうございます。 sassyさんが紹介してくださった参考文献を見て、もう一度頭に入れなおそうと思います。

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