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代数学の問題:モジュラー形式の合同部分群と位数について
- モジュラー形式に関する代数学の問題です。
- 合同部分群の定義や性質、そして位数について説明します。
- 具体的な問題を解くための証明方法も示しています。
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(1)について とりあえずパスします。Σ_(n=1,∞)σ3(n)・q^nやΣ_(n=1,∞) σ5(n)・q^nは、フーリエ級数のようにも見えますが、係数のσ3(n)やσ5(n)がnとともに増大するので、収束性に疑問があり、これらがτの関数として定義されるのか、定かでありません。お使いのテキストの文脈で何らかの意味付けがされているのかもしれませんが、そういう情報がないので、お手上げです。 ただ、上の式を使わずに、結論を直接証明することはできます。まず、 [1] 任意の整数dに対して 5d^3+7d^5 は 12 で割り切れる ことが言えます。これは、mod 12 で、dが0から11まで動くときのすべてのケースを確かめれば、分かります。一方 [2] 5・σ3(n)+7・σ5(n) = ∑_(1≦d|n)(5d^3+7d^5) です。よって、[1]により、5・σ3(n)+7・σ5(n) が12で割り切れることが分かります。すなわち、≡0 mod 4 かつ ≡0 mod 3 です。 (2)について ad-bc≡1 mod Nの解の個数について、次のような数え方があります。もっとスマートなやり方があるかもしれません。 (Nが素数Pのとき) [3] adがmod P で0なら、aとdの選び方は2P-1通り。それぞれのa, d に対して、bc≡1 mod P となるbとcの選び方はP-1通り。したがって、a, b, c, dの選び方は(P-1)(2P-1)通り。 [4] adがmod P で1なら、aとdの選び方はP-1通り。それぞれのa, d に対して、bc≡0 mod P となるbとcの選び方は2P-1通り。したがって、a, b, c, dの選び方は(P-1)(2P-1)通り。 [5] adがmod P で0でも1でもないなら、aとdの選び方はP^2-(2P-1)-(P-1) = P^2-3P+2通り。それぞれのa, d に対して、bc≡ad-1 mod P となるbとcの選び方はP-1通り。したがって、a, b, c, dの選び方は(P-1)(P^2-3P+2)通り。 [6] 上記の合計により、Nが素数Pのときのa, b, c, dの選び方は(P-1)(2P-1)+(P-1)(2P-1)+(P-1)(P^2-3P+2) = P^3(1-1/P^2) 通り。 (Nが素数Pのべきのとき N = P^k) 解の個数=P^(3k)(1-1/P^2) であることを、kに関する帰納法で証明する。k=1のときは、[6]により証明済み。次に、k=j-1のとき、この等式が正しいものと仮定する: [7] a'd'-b'c'≡1 modP^( j-1)の解の個数はP^(3(j-1))(1-1/P^2)であると仮定 ad-bc≡1 mod P^j の解の個数を数えるに当たって、 a = a' +αP^(j-1) b = b' +βP^(j-1) c = c' +γP^(j-1) d = d' +δP^(j-1) と置いてみる。このα、β、γ、δが何通りあるかを数えることにする。これらのα、β、γ、δは、mod Pで定まる数である。ただし、a', b', c', d'は、[7]の方程式の解であって、0以上P^(j-1)-1以下のものとする。また、a'd'-b'c'=1+eP^(j-1)とする。 ad-bc≡1 mod P^j ⇔ (a' +αP^(j-1))( b' +βP^(j-1))-( c' +γP^(j-1))( d' +δP^(j-1)) ≡1 mod P^j ⇔ αb' P^(j-1)+βa' P^(j-1)+ γd' P^(j-1)+δc' P^(j-1) +eP^(j-1) ≡0 mod P^j ⇔ αb'+βa' +γd'+δc' ≡-e mod P 上の式を満たすα、β、γ、δの組は、mod P で P^3 通りである(a', b', c', d'のうちの少なくとも1つはPで割り切れない。仮にa'がPで割り切れないなら、β、γ、δを任意に定めたとき、αは一意的に定まる。)。 すなわち、P^(3(j-1))(1-1/P^2)通りのa', b', c', d'のそれぞれに対して、P^3通りのa, b, c, dが存在することになる。したがって、a, b, c, dは、全部でP^(3j)(1-1/P^2)通りである。 以上により帰納法の手続きが終わったので、一般のkに対して次が成立する。 [8] ad-bc≡1 modP^kの解の個数はP^(3k)(1-1/P^2)である (一般のNのとき) Chinese Remainder Theoremにより、 ad-bc≡1 mod Nの解の個数 =Π_(P|n)( ad-bc≡1 mod P^k_Pの解の個数) (k_Pは、NにおけるPの指数) = (N^3)・Π_(P|n) (1-1/(P^2)) ([8]による) となる。
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- ramayana
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(1)について もう少し説明がないと、考えようがないですね。σ3(n)、σ5(n)、qが何なのかとか。 もし、最初の式が、「qを変数とするべき級数として0に等しい」という条件を満たすなら、 各係数 ≡ 0 (mod12^3) となるので、 5・σ3(n)+7・σ5(n)≡0 (mod4) と≡0 (mod3) は、当たり前になります。何かこれに類する条件が付いていませんか? (2)について SL2(Z)の各元に対して、その4つの要素をそれぞれmod Nで見ることにより、Z/NZの元を要素とする2行2列行列を対応させることができます。そのように定義される写像をfとします。 このfが次の条件を満たすことは、すぐ分かると思います。 [1] fは、SL2(Z)からSL2(Z/NZ)への全射準同型 [2] fの核(={x∈SL2(z) | f(x)がSL2(Z/NZ)の単位元})は、Γ(n) [1]と[2]から、SL2(Z) / Γ(n) と SL2(Z/NZ) が同型であることが導かれます。 (3)について これは、a, b, c, dを未知数とする方程式 ad-bc=1 の解がZ/NZの中に何個あるかを数えるだけの作業です。 若干、楽な方法を考えるとすれば、Nが素数べき(N=P^k P:素数 k:自然数)のケースについてだけ数えれ良いということでしょうか。一般のNの場合の個数は、Chinese Remainder Theorem により、それらの積になります。
お礼
ご回答して頂き、ありがとうございます。 (1)に関してですが、 σ_(2k-1)(n)= ∑_(1≦d|n)d^(2k-1) q=e^(2πiτ) となっています。 (2)は理解できたのですが、 (3)に関しても考え方は理解できたのですが、証明の書き方がよく分かりません。 宜しければ教えて頂けないでしょうか。よろしくお願い致します。
お礼
ひき続きご回答して頂き、ありがとうございます。 (1)についてですが、ノートに問題を書き写した際に部分的に抜けてしまった所があったようです。 不完全な問題のまま質問してしまい申し訳ありませんでした。 丁寧に説明して頂けた為、ようやく理解する事が出来ました。 改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。