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同期発電機の進相運転の制限について
同期発電機の出力可能曲線について質問です。低励磁(進相)運転の制限理由に、 ”漏れ磁束の増加による固定子鉄心端部の過熱のため” という説明がどの参考書にもかいてあるみたいですが、漏れ磁束の増加と固定子鉄心端部 の過熱の関係がよくわかりません。 以下の2点について、詳しい方御教授願います。 1)進相運転時、漏れ磁束が増加する理由 2)漏れ磁束による固定子鉄心端部の過熱のメカニズム
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1)進相運転時、漏れ磁束が増加する理由 固定子(電機子)端部の漏れ磁束は,進相運転時に増加します。 同期機の電機子反作用が,電機子電流の位相により異なることはご存知でしょう。 すなわち,遅相電流では減磁作用,進相電流では増磁作用が起こります。 界磁の作る磁束と電機子の作る磁束は,進相電流のときは加算されます。 電機子端部の漏れ磁束は,電機子巻線に近いので, 第一義的には電機子電流の大きさで決まります。 ここに界磁磁束の作る漏れ磁束が, 加算される場合(進相)と, 減算される場合(遅相)とがあり, 加算される場合には漏れ磁束が大きくなります。 2)漏れ磁束による固定子鉄心端部の過熱のメカニズム 固定子端部の漏れ磁束は, 電機子巻線のコイル端部(固定子鉄心から出て反対の極へ飛ぶ部分) を囲むように流れます。一部は,電機子鉄心の端面から出入りします。 電機子鉄心は積層鋼板で作られており, 軸に垂直な面に平行に,電磁鋼板を積んであります。 この面内を流れる交流磁束に対しては,渦電流はほとんど流れません。 渦電流は,磁束を囲む経路に沿って流れます。 磁束が鋼板の面内を流れている時, 渦電流経路は,電磁鋼板の表面から裏面を通る長い経路となり,電気抵抗は大きくなります。 これに対して,渦電流を流そうとする誘導電圧は, うすい鋼板の中を流れるわずかな磁束の分だけです。 よって渦電流はあまり流れません。 ところが,軸に平行な方向,すなわち固定子鉄心の軸端面を出入りする交流磁束に対しては, 渦電流が電磁鋼板の面内を堂々と流れます。このため過熱してしまうのです。
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- FT56F001
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>>"軸に平行な方向,すなわち固定子鉄心の軸端面を出入りする交流磁束に対しては, >>渦電流が電磁鋼板の面内を堂々と流れます。このため過熱してしまうのです" >のところがよくわかりません。 説明不足ですいません。 まず,渦電流は磁束を囲む経路を流れます。 積層した電磁鋼板に,面に垂直方向から磁束が進入すると 磁束を囲む経路として,鋼板の面内を"渦電流"が流れる,という意味です。 > 固定子鉄心端部の構造図を見ると、積層鉄心を積み込んだ後、 > 非磁性体のフィンガープレートとクランパという部材を重ね、 > 最後に鉄心を貫通するスルーボルトで締め付けてあります。 > さらに、クランパの外側には積層構造のエンドシールドを設けて、 > 漏れ磁束が主鉄心端部に達しにくい構造になっている様に見えます。 > この場合、漏れ磁束はエンドシールド部やスルーボルト等の構造物に > 堂々と流れるということなでしょうか。 メーカにより構造は多少違いますが, 固定子端部の漏れ磁束が,電機子鉄心に入射しないようにする 工夫が,いくつかあります。 1) 非磁性エンドリング(リテイニングリング)を用いる 2) 固定子鉄心端部を段落とし構造にする 3) 端部鉄心セグメントティース部にスリットを設ける 4) 端部漏れ磁束を遮蔽する磁性エンドシールドを設ける 5) エンドシールドの外側にシールド銅板を設ける 6) 鉄心端とエンドシールド間に非磁性フィンガープレート(外側間隔片)を設ける (電気学会技術報告1139号「同期機固定子鉄心の損失低減技術」より) 質問者さんのケースは,エンドシールド部で漏れ磁束を短絡し, 固定子鉄心端部に達しないようにする(4),という構造ですね。
お礼
ありがとうございます。 間違って補足にお礼入れてしまいました。
補足
ありがとうございます。 理解出来ました。 構造図と、鉄心端部の磁束の流れについて 復習し、理解を深めたいと思います。
お礼
早速の回答ありがとうございます。 "軸に平行な方向,すなわち固定子鉄心の軸端面を出入りする交流磁束に対しては, 渦電流が電磁鋼板の面内を堂々と流れます。このため過熱してしまうのです" のところがよくわかりません。 固定子鉄心端部の構造図を見ると、積層鉄心を積み込んだ後、非磁性体のフィンガープレートとクランパという部材を重ね、最後に鉄心を貫通するスルーボルトで締め付けてあります。 さらに、クランパの外側には積層構造のエンドシールドを設けて、漏れ磁束が主鉄心端部に達しにくい 構造になっている様に見えます。 この場合、漏れ磁束はエンドシールド部やスルーボルト等の構造物に堂々と流れるということなでしょうか。